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まみちの「穢れた土俵-Rough manuscript-」をお読み頂く前に(2019年7月7日改定版)
はじめまして?こんにちわ?
まみち こと 物書きの時は大川真生(おーかわ まみ)です。
さて 穢れた土俵は、現在は閉鎖している
あくまで私見!まみちの 「ここだけの話」
It is only my delusion.
という独自サイトの保護ページに掲載されていたもので、特定の会員に向けての「試食品」みたいなものです。
amebaのブログで私が書いてきた「あくまで私見「日馬富士暴行事件シリ
「穢れた土俵」第三章-記者編スタート
これまでは特殊な世界、角界を中から見てきましたが、第三章からは外からの視点になります。
小説サイトへの掲載が最新となっていきますが、あまり相撲を知らない方々にも、色んな立場から見ていただいて、楽しんでもらえるような作品に出来たらいいな、と思っています。
ただ、「ここだけの話」や、このnoteから読んでくださっていた方は、「記者編」から読む人とは、ちょっと違う感覚で読んでもらえるかと。。。
よ
第三部「穢れた土俵」第二章の8.北の波の目指したもの
中学在学中から相撲取りになった北の波は、怪我や挫折で辞めて行った力士たちが、外の世界に出て苦労するのをたくさん見てきた。
まだ十代で外に出る者はいい。
上下関係に厳しい角界で鍛えられた従順さと、その体力で力仕事などの職業にも付けるだろう。
または十両、平幕で何年か活躍出来たものは、多少の貯金も出来るだろうから地元に戻って事業をすることも出来る。
しかし中途半端に幕下や十両くらいまで上がり、
第三部「穢れた土俵」公開記事 第二章の9.ドラスティック文科省
(これはフィクションです)
2009年、年明けの総会で話したにもかかわらず、Mたちの奔走と苦労を知っているものは、角界にはまだわずかしか居なかった。
それでも、快傑のサポートもあって、Mたちは少しずつでも文科省からも「認可を前提とするなら」という前向きな仮定における具体的な是正箇所を指摘してもらえるようになり「還暦を過ぎたジイさんたちが走り回った甲斐がありそうだ」と希望の光を見つけようとしてい
第二章の7.プロの解釈
大麻問題で辞任を余儀なくされた後でも、北の波は事実上の角界のトップ、親分だった。
さすがに、自分たちの現役の昭和の時代とは違う、風当たりの強さを感じてはいた。
自分たちが昔から大事にしてきた、家族的な感覚や義理人情、義侠精神のようなものは、外の世界ではすたれつつあるらしい。
だから余計に角界のつながりに対して「古い」と口を挟んで来るようだが、それも一時のことだと思っていた。
いつの世も、歴史あるも
第二章の6. 水と油
声を掛けられたMからすれば、助け舟を出してくれたのが快傑だったのは意外だったが、救いの手は喉から出るほど欲しいものだった。
実際の話、今まで法律顧問から出た提案は、現状と開きが有りすぎて、理事や幹部の神経を逆なでするばかりだ。最近など、その話が出るのを嫌がる節がある。
かといって理事達を説得できるような妥協案を、自分ひとりの知恵で絞り出すのは無理がある。
だが・・・
Mが心配したのは、北の
第二章の5. 崖っぷちの反乱
快傑の本意は、表立ってMを手伝いたかった。
しかし、出来ない事情があった。
最初にMが理事会で話をした時、補足のつもりで口を挟んだら、元横綱の他の理事から「黙れ」という合図を送られたことがある。
「理事会で意見を言うのは、元横綱だけ」という暗黙の了解、である。
そんな暗黙の了解がどうのこうの言う前に、もっとMさんの仕事を分担したらどうなんだ、と快傑は思ったが何とか堪えた。
問題の大きさが
第二章の3. 温度差と無関心の中で
年明けの2009年。
改めてその改革が自分たちに大いに関係のあるものだ、という話を聞いても理事長のMはもちろん、院政を引く北の波すら、ピンと来ていなかった。
それどころか、
「もっと税金が安くなる方法があるなら、先生たちに考えてもらえばいいじゃないか。」
「制度が変わって、財団法人から公益財団法人になって、もっと優遇してもらえるなら、それに越したことはない」
と都合のいい受け止め方しかし
第二章の2. 83年積み上げられた公益への壁
「貴の乱」のショックと、協会や北の波への不信に苛まれつつも、六角は皆と同じように声をあげて協会を糾弾する気にはなれなかった。
なぜなら、今回の騙し討ちのような「貴の乱」が成功した原因は自分たちにもある、と六角は感じていたからだ。
協会の表向きの仕事しか知らない者たちと違い、自分は「新弟子リンチ事件」のマスコミ対応をサポートする際、思い知らされた経験がある。
角界しか知らない人間は、情報戦では
第二章 公益新制度をめぐる混乱 1.「貴の乱」と役員待遇
1.「貴の乱」と役員待遇
北の波の後を受けたMが、改めて定期理事選で二期目の理事長再選を受けた2010年の組織改変。
この時から新しくなった協会の組織構図の中で、六角は役員待遇、という地位に就いた。
一般的に考えれば、40代半ばでの役員待遇なら順調な出世のように感じるだろう。
しかし、この時から10年前、2000年から2005年の改変まで、六角は二期四年に渡って監事の職にあった。
当時の監
第一章の6 コンプライアンスってなんだ 7 相次ぐ騒動、変化に苛立つ協会
6 コンプライアンスってなんだ
同じ協会に属する別の部屋で、死亡事故があったにも関わらず、無関心だった相撲協会の面々。
そんな彼らを育てた特殊な世界の背景をざっと知った上で話を元に戻していこう。
亡くなった新弟子は「素行に問題のある特殊な個人のケース」として、自分たちや協会には責任のない話だと思っていた六角や、相撲協会だったが事態は急変する。
その子の両親が自発的に検死解剖を依頼し、その検
第一章の4 角界の躓き(つまづき)5.不可侵な角界
4.角界のつまづき
部屋の拡大と協会での地位向上のために邁進してきた六角にとって、2007年からの立て続けに起こった不祥事は、その当時は正直に言って「ワケのわからない迷惑な出来事」でしか無かった。
週刊誌にスッパ抜かれた八百長疑惑の方は、相撲に関わる人間にとっては「何をいまさら」と一笑に付される程度のことで、誰も気にも止めていなかった。
その後に起こった、新弟子が稽古中に亡くなったという話も、
第一章の2 土俵を離れて得たアイデンティティ、ヒーローとの決別~3 相撲協会という組織
第三部「穢れた土俵」第一章の2
土俵を離れて得たアイデンティティ、ヒーローとの決別
1991年は不思議な年だった、と六角は思い返すことがある。
八千代山は度重なる怪我と、貴乃桜を始めとする新世代の台頭に悩まされながら土俵に立ち続け、力尽きて引退を決意し、翌年1992年に断髪式を行った。
六角自身も同じ1991年に、後に引退の原因となる膝の怪我を抱えて何度も負けたのだが、なぜか不思議に優勝をも
「穢れた土俵・角界編」 序章~第一章それまでの六角
序章~第一章それまでの六角
序章
ザァー・・・
溢れる湯が洗い場に拡がり、置いてあった手桶や、軽くなったシャンプーを倒し、津波のように巻き込みながら排水口へ向かっていく様を見ながら、六角は考えていた。
--自分たちも、いつかはあんな風に流れに巻き込まれて行くのだろうか。
その時、自分はどうなるのだろう。あの人たちは守ってくれるのだろうか。
それとも、簡単に切り捨てられてしまうのか。
またか・