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北極冒険家が考える「人はなぜ冒険するのか?」

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2020年2月の記事一覧

北極冒険で使う装備を自分で作る理由

北極冒険で使う装備を自分で作る理由

冒険研究所昨年10月、神奈川県大和市に「冒険研究所」を設立した。

https://www.ogita-exp.com/adventure-lab/

ここは私の北極装備の保管場所でありながら、今後は冒険研究所で新しい装備開発などを行なっていくつもりである。来たい方は、誰でも見学できるようにしているので、希望の方はご連絡を。

これまで、私が北極や南極を歩くために、オリジナルのウェアやソリ

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冒険中に毎日同じものを食べ続ける理由

冒険中に毎日同じものを食べ続ける理由

冒険中の食事事情私は北極を歩く間、毎日同じものを食べ続ける。

朝、日中の行動食、夜、と基本的に3食である。正確には2食プラス行動食で、日中は12時間ほどソリを引いて歩く間、休憩のたびにこまめに栄養補給をしている。

その3食の内容は異なるが、朝、行動食、夜にそれぞれ食べるものは、毎日同じであり味もほとんど変えない。それを2ヶ月ほど続ける。

行動食で私が食べる「北極特製チョコレート」はこんな感じ

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「いま何時?」の答えと解説

一昨日の「いま何時?」の解答です。

正解は ③午後3時 でした。

写真で見るべきポイントは、影の向きです。

北極点に向かって(つまり真北に向かって)まっすぐ歩き、振り返っているので写真では南を向いていることになります。

影が、北東方向に伸びているので、太陽が南西にあることが分かります。

ローカル時刻の正午に太陽は南に来ます。南中です。これは地球上どこでもお昼に真南に来るわけではなく、誤差

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「寒いから凍傷になる」の間違い

「寒いから凍傷になる」の間違い

マイナス50℃以下の世界私は北極でマイナス56℃まで活動経験がある。

揺れ動く北極海の海氷上で、真っ暗闇の中、一人きりで、テントと寝袋でいるのは恐怖そのものだ。

マイナス40℃くらいまでは表現として「寒い」の向こうにある「痛い」の世界であるが、マイナス50℃を下回ると「痛い」の向こう側の世界が待っている。

それは「締めつけられる」とでも言うか、自分自身が雑巾になった気分で、マイナス50℃の冷

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冒険で生活って、どうやって成り立つんですか?

時々「私も冒険をしたいんですが、話を聞かせてください」という連絡をもらうことがある。

そんな時は、できる限り会うようにしている。

そういう相談に来るのは、概して若い人が多いのだが、どうにも話をしていて今まで「ハマる」感じの人が少ない気がする。

私も若い頃は、いろんな人のところに話を聞きに行った。なので、話を聞きに行く気持ちは分かる。若い頃に自分が何を聞きに行ったかと言うと、北極や冒険の具体的

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