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【目印を見つけるノート】1483. 池澤夏樹さんのお話を観覧しました1

ほわほわ。
平日はお仕事でなかなかできないことを、
ぽこぽことやっていました。
ざくざく片付いたところもあるので
よしとしましょう。

擬音で語る人生もある……ってどなたの短歌でしたか……うろ覚えですみません。そこから冒頭のカタマリが出てきました。

文学館の脇に広がる景色。

きのうの続きです。
神奈川近代文学館に行きました。
開場を待つ間に過去の企画展の図録を2冊買いました。感覚に合う、細かいテーマはともかくベクトルが通ずるーーと自分が勝手に思っている作家さんのものです。もっと単純にいえば、いいなと思っているということです。

きのうのメイン目的は、
『神奈川近代文学館開館40周年記念企画 文学・どこへゆくのか 第II期 作家が受け継ぐもの②』で、出演は作家の池澤夏樹さん、聞き手・ナビゲーターは文芸評論家の湯川豊さん、尾崎真理子さんです。

始めに、『文學界』編集長もされていた湯川さんが池澤さんとの出会いについてお話されたのを受けて、池澤さんは作家になるいきさつについて語られました。印象的でしたので、メモだけなのですができるだけ起こしてみますね。
小説第一作の『夏の朝の成層圏』(中公文庫)

「小説を書きだすのは遅かった。早い人は大学生ぐらいで芥川賞を取ったりするけれど。小説は書かないようにしていた。読んで面白いのだから、書くのも面白いことは知っていたんですが、心がやめておけと言う。父は立派と言われる作家だったから(お父様は福永武彦さん、お母様は原條あき子さん)、前に立ちはだかっていてやりにくい。若い頃はかなり深刻で、深層心理で抑えていた。思い詰めたゆえに先延ばしにしていたんです。
61歳で父は死にました。16まで行き来がなくて、一緒に暮らしたこともなかった。ですので自分にとって抽象的な父だった。
これをどうするか考えあぐねて海外の翻訳などをして小説の回りをぐるぐる回っていた。そろそろ何かしなきゃと思って小説を書こうとしたら、勝手が分からない。自分のことを書くにも平凡なのでできない。お手本として思いついたのがロビンソン・クルーソーの漂流記だった」

そこから、湯川さんが大岡昇平さんの亡くなった朝に大岡さんの家で池澤さんを見たという話をされました。真冬のこと、池澤さんがお住まいだった家がごくごく近所だったそうで、コートを着ていかなかった。
「寒い日でしたね」と池澤さん、大岡さんの『武蔵野夫人』の、「はけ(崖)」という地形から話が始まるのがいいとおっしゃいました。池澤さんも理系なので地理や土地にとても関心があるとのこと。後でも出てきますが、池澤さんは5年に1度は住むところを移動されるそうです。

続いて、日本文学ではなく、世界の文学が入口でそちらを志向されてきたお話です。
「子どもですから、少年少女向けの文学全集というのはありがたいけれど、日本のは面白くない。目に入るのが下村湖人か『宝島』となると後者になる。翻訳は立派で子ども向けに薄めていない。『ロビンソン・クルーソー』の翻訳は吉田健一さんだったり、そうそうたるものだった。文学とはこういうものだと思ったし、それが染み付いてくる。それは大人になっても変わらない」

ということで、20世紀の世界の文学を読まれたそうで、フォークナーさん、アップダイクさん、ガルシア・マルケスさんのお名前を挙げられました。

その中で特に、
イギリスの作家ロレンス・ダレルさんの『アレクサンドリア四重奏』が政治・陰謀などが錯綜し「でかくて、華麗で」面白かったそうです。そこから『ブリティッシュ・カウンシル』(中央・総武線の車窓から見えますね)に通いつめて、ロレンスさんの弟のジェラルドさんが、生き物について書いているのを読んで、翻訳しようと思ったそうです。一家でギリシアのコルフ島に移住した4人きょうだいの田舎暮らしの愉快な話で、ジェラルドさんは生き物マニア。それを池澤さんは全訳して出版社に持ち込みました。
行動する方なのですね。
その本『虫とけものと家族たち』は集英社から刊行されました(現在は中公文庫で読めます)。

もの書きとしての初めの方のお話ですが、
池澤さんはその勢いでコルフ島に移住してしまうのです。

その時に知ったカヴァフィスさんという詩人に感銘を受けたお話も印象的でした。
「160ぐらいの詩を書いて欧米ではよく知られている人。すごいものを持っている詩で、それを50年ぐらいかかって訳した」とのこと。

その結実がこちらです。
『カヴァフィス全詩』(書肆山田)

ここからお話はまた進んでいくのですが、今日はここまでにして、明日また続きとします。いつも初回は「さわり」になってしまいますね😅
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さて、今日の私は、
洗濯とスペイン語講座の聞き返しと、本を読む日にあてています。聞き返しはスマホでないとできないので、これが終わったら即かかります。
作家の方のお話を伺うのは、スペインの作家さんお二人に続いて、日本人では初めて……いや、大学の頃に高橋源一郎さんの講演を聞きましたのでお二人目です。それからずいぶん時間が経っていますが、メモを取るのは少し上達したのでしょうか。怪しいですね🤔

いずれにしましても、一個人として聞いたというように受け取っていただければ幸いです。

うちのふたごバラ、ひとつに統合されてきましたが、真ん中花びら1枚でふたつに分かれています。

ストーンズがツアーのリハーサルを始めたようです。
The Rolling Stones『Street Fighting Man』

曲はずっと残ってほしいと切望しますが、この映像が今も通じるのはとても残念なことです。

それでは、お読み下さってありがとうございます。

尾方佐羽

追伸 高校生の私は「やったね👀‼️すごいじゃん😆」というでしょう。

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