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【目印を見つけるノート】84. パーマネント・ヴァケーション

もうすぐ7月ですね。
金星も順行に戻ったそうですが、見えませんね。今日も全国的に雨には注意です。

⚫パーマネント・ヴァケーション

この3~4カ月のことを振り返ると、なぜかジム・ジャームッシュ監督の『パーマネント・ヴァケーション』(Permanent Vacation, 1980)という映画を思い出します。ずっと前の映画、ジャームッシュ監督の処女作ですね。
(予告編)

どういう映画かとストーリーを説明するのは難しい。情景の連続というのが正確かなと思います。あるいはひとことで、少年が遠くに行くまでの数日間。

ニューヨークの、人が半端ない雑踏。
人がいない、寂れた裏通り。
ただ歩き続ける少年。
ただ歩き続ける。
彼女ととりとめのない会話を交わし、
ビバップに合わせて
ひたすらひとりで踊り続ける。
道端でサクソフォンの音に
耳を傾けて
(ジョン・ルーリーが吹いている)。
精神病院に入院している母親に会う。
そして、船で旅立つ(フランスへ)。
順不同です。

私はきれぎれの断片しか覚えていない。上に書いたようなシーンをピンで止めた写真のように覚えているだけですが、映像はリアルでひどく美しかった。ニューヨークという街をよく知っていないと撮れないだろうなと思います。

後でいろいろ解釈をつけることはできるのです。
アメリカ映画で一般的な「ドラマな映画」を軸に創る気はさらさらなかったんだろうなとか。
街を歩き続けるのは、サリンジャーの小説からインスパイアされたのかなとか。
ボリス・ヴィアンが好きなんだろうなとか。特にボリス・ヴィアンがビシバシ重なりました。ちょうど全集を一通り読んだ後だったので。

ある程度当たっているのではないかと思いますが(サリンジャーは当たりでしょう)、どこかにいくつも書いてあるかもしれません。結構昔の映画になりますし、映画評を見ることがないのでわからないのです。ほんとうに、私だけの既視感。

「永遠の休暇」というか、「長い休み」でもいいのかと思いますが、その言葉ですべてを言い表しているとも言えます。

言葉では無為としかいえない、
淡々とした日常を、
いくつかの留まれない場所を、
サックスで埋めるような、
音楽でしか埋まらないような、
旅立つまでの時の過ごしかた。

言葉より、視線が、耳が立っている。

好きな映画はたくさんあるのですが、
あの映画を見てからしばらくは、
ストーリー以上にイメージが強烈な映画ばかり見ていましたね。ジャームッシュ監督の作品もそうですが、デレク・ジャーマンとか。

ジャームッシュ監督とジョン・ルーリーとか、
ボリス・ヴィアンとマイルス・デイヴィスとか、
創作をする人は、音楽というミューズを
熱烈に愛しているように思います。

ジョン・ルーリーのラウンジ・リザーズのライブです。


⚫翻ってわが身のこと

私にとってもこの数ヶ月はパーマネント・ヴァケーションでした。
前にも書きましたが、特に目標設定をすることもなく、家での日常を淡々とこなしていただけです。

その他にしたことはあります。まず日常があって、書いて、作って、聴いて、見て、感じて、それぐらいです。

ただnote以外は、仕事をしているいないに関わらずタスクにしていたことなので、休みだからしたという感覚ではないのです。その意味ではnoteがちょうど、「休みの宿題」だったのかもしれませんね。
そして、異常な期間にあって日常にくっついていること、そこで見た現実の景色とイメージの方がのちの宝物になるような気がします。

あとは、言葉の奥にある、文字には決してならないメッセージにたくさん力をもらいました。
そしてもちろん音楽にも。
音楽の雄弁さにここのところ驚いてばかりです。
ジョン・ルーリーではないけれど、びっくりするぐらい、音楽で伝わってきたことがありました。

ほんとうに嬉しくってたまりません。
すべてにありがとう。
だいすきです。

ダイエットも読書も自己研鑽もしていない、
私のひとりごとでした。


⚫お籠りクラフトとばら

きょうはパールがメインでモンタナブルーなどを間に入れたネックレスです。60cmぐらいの長め。

金属パーツを切り替えで入れました。金属パーツを肌にじかに付かない部分だけにしたくて。
クールな気分だけれど、上げていきたいときにしたいですね。『Bloomdido』みたいな。チャーリー・パーカーとディジー・ガレスピーです。

ばら、夏を越えたら咲くようです。

それではまた、ごひいきに。

おがたさわ
(尾方佐羽)

追伸 本当にすてきなインタビューでした。

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