おーしゃん

デンマーク教育大学の大学院生です。大学卒業後、民間企業、NPOで働いてから、デンマーク…

おーしゃん

デンマーク教育大学の大学院生です。大学卒業後、民間企業、NPOで働いてから、デンマークにて人生初の海外留学をしてます。英語はぼちぼち、デンマーク語は超初心者です。デンマークで暮らしてみて思ったこと、日本の教育について思うことについて綴っていきます。Twitterもしてます。

マガジン

  • デンマーク大修士学生のロンドンのNGOでのフィールドワーク

    2019年秋に行ったロンドンの移民難民向けのNGOでのフィールドワークの経験をまとめています。

  • (イギリス以外の)ヨーロッパ大学院進学への道

    なかなか情報が集めにくい、イギリス以外のヨーロッパ大学院進学への道について、実際にデンマーク大学院に進学した学生がTIPSをまとめています。

最近の記事

とてつもなく合わない子とシェアアパートメントをした5ヶ月のこと

このnoteを書き終えた今もなお、私はこの記事を公開すべきかどうか迷っている。それは一重に、ADHD当事者のかた、その関係者のかたを傷つけたくないから。と同時にこれは私の個人的なnoteで、かつ自分の中にある恥ずべき感情、常に向き合わなくてはいけない自分の中にある嫌な部分を記しておきたいと思っただけなのだ。私はADHDなどの分野についてはど素人だが、症状や程度が人それぞれなのは承知している。だからこの記事で触れているその症状がADHDのひと全てに当てはまるとは思わないで欲しい

    • 研究者としての罪悪感

      「フィールドワークで何が一番大変だった?」と聞かれて真っ先にいつも答えているのは「ボランティアとしての役割と研究者としての役割を同時に全うしたこと」である。 私の研究対象は、ロンドンに到着したばかりの移民、難民の子どもたちだった。経済的に困窮していたり、家族との関係性がよくなかったり、重労働をしていたり。そんな難しい状況に置かれつつ、学校へのアクセスがまだ認められていない子どもたち。私はそのプログラムで、お昼ご飯を一緒につくるボランティアとして、唯一毎日来るボランティアだっ

      • カオスな街での心地よさ。フィールドの始まり。

        高校生の頃、下北沢にあるビレッジバンガードが好きだった。何かに行き詰まると、学校帰りにビレッジバンガードに行き、何時間も過ごした。雑貨や本で散りばめられた店内。意識して無造作に置かれた、何に使うかもよく分からない物ものの中にいると、自分が風景の一部になれるような気がしたから。誰にも気付かれない、というよりも、その中の一部になれる、あの不思議な感じ。 南ロンドンにある、とある駅に降り立った時、あの感覚を思い出した。アフリカの国々の国旗を思い出させる、赤黄緑色の長い帽子をかぶっ

        • ヴィーガン・ミニマリストと伝統的なクリスマス

          「私の友だちみんながweird(変、不気味)でヴィーガンなわけじゃないよ」彼女は、お兄さんの彼女が、初めましての私に対して開口一番「あなたもヴィーガンなの?」と聞いてきた途端、ムッとした口調でこう返した。お兄さんの彼女は少し困った顔で「いやそういう意味じゃ無いし、別にヴィーガンはweirdじゃないよ。ただ気になっただけ」と慌てて言った。 --------------- 2019年のクリスマス。仲の良いドイツ人のクラスメイトの子が誘ってくれたので、南ドイツの田舎にあるその子の実

        とてつもなく合わない子とシェアアパートメントをした5ヶ月のこと

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        • デンマーク大修士学生のロンドンのNGOでのフィールドワーク
          1本
        • (イギリス以外の)ヨーロッパ大学院進学への道
          4本

        記事

          自称"Yellow Fever"に初めて出会ったお話

          「将来は日本人と結婚したいと思ってる。いや、国籍を限定してるってわけじゃないよ。でも日本語の勉強や日本文化を知ることにたくさん投資してきたから。だから日本人と結婚したいし日本人の彼女が欲しい」 20代前半のデンマーク国籍の彼は、流暢な英語で私にはっきりと宣言した。母語はデンマーク語。英語はビジネスレベル。日本語は中級くらい。英語の方が俄然コミュニケーションがスムーズに取れるしブリティッシュコメディが大好きな彼なので、その理論でいくとイギリス人でも良いのでは?と思ってしまうが

          自称"Yellow Fever"に初めて出会ったお話

          セーフティネットとしてのユースセンター in ロンドン

          ロンドン北部のHaringey地区。 三分の一の人口が20歳以下の若者で構成され、そのうち、70%がMinority ethnicの背景を持っている。若者の薬物使用率はロンドンで2番目に高く、暴力事件や犯罪率も比較的高い、若者を取り巻く課題の多い地域である。 イギリスでは公的機関としてユースセンターが各地に設置され、若者向け支援の歴史も長い。しかしそんな若者支援の財源が年々削減されるのに応じて、ユースセンターの数も少なくなってきている。イギリス全体で言うと、この10年で60

          セーフティネットとしてのユースセンター in ロンドン

          ヨーロッパ大学院進学への道-その4:行ける時に行く!-

          9月になり、来年秋からの海外大学院進学を考えている人は、大学やコースについてのリサーチを始める頃だと思います。仕事をしている人は特に、今の仕事を辞めてまで行く価値があるのか、タイミングは今でいいのか、、、と考えているかもしれません。かくいう私も、合格通知をもらって以降も来年に延ばした方が良いかな、と考えた時期がありました。 しかし今言えること。それは行ける時に行こう!ということです。まとまったお金が必要になった、親の介護が必要になったなど止むを得ない理由が出てくるかもしれませ

          ヨーロッパ大学院進学への道-その4:行ける時に行く!-

          workawayで海外タダ暮らしをしてみた

          日本と同様、デンマークの大学院生も8月はまるまる夏休みです。 せっかく海外の大学院にいるのに日本にいるのも勿体ないし、とはいえずっと旅行するのは手間もお金もかかる。それに、読まなきゃいけない論文や本がたくさんあるんだよなあ…と思っていた時にチェコの友人にオススメしてもらったworkawayというサービス。簡単にいうと、ボランティアをしたい人とボランティアをしてほしい人のマッチングサービスで、ボランティアをする人は代わりにご飯と宿泊代が無料になります。 私も8月後半の約2週間

          workawayで海外タダ暮らしをしてみた

          「意識高い系」の押し付けと後ろめたさを超えて

          「意識高い系」という言葉は最近は聞かなくなったけれど、10年くらい前はとても流行っていた気がする。 社会的な事柄に関心があったり、自分の将来のために楽しむ時間を犠牲にしてでも勉強や何かを頑張っている人に対して言っていたし(言われていた)気がする。今思うと、その言葉の裏には(あの人はあんなに頑張ってるのに自分は…..)という妬みや焦りもあったと思う。 世界的に若者を中心とした気候変動アクションが大きな動きとなっている。 一方でそのムーブメントの発端の地、スウェーデンでは、飛行

          「意識高い系」の押し付けと後ろめたさを超えて

          それが、やりたかった仕事じゃなくても。

          ずっとやりたかった教育の仕事。 某教育企業に内定が決まり、ウキウキしてた矢先に知った、配属先。その会社にそんな存在があることすら知らなかった”ITシステム部"。配属面談で"教育に携われる仕事なら何でもいいです”くらいまで言ったのに。なんでこんなに不運なんだろう。すでに人事部からいじめられてるのかな。 私の社会人一年目は、絶望から始まった。 ------------------------ 入社して初めて任せられた仕事は、私が入社前に想像していたいかなる仕事とも違った。

          それが、やりたかった仕事じゃなくても。

          デンマーク大学院のスタディグループ事情

          デンマークの大学院に来て約半年。デンマークの大学に来てよかった!と思うことはたくさんありますが、"授業ごとにスタディグループがあること”は私がデンマークの大学を選んでよかったと思う理由の一つです。大学院入学当初に言われたこと。それは”CompetitiveよりCollaborationを重視して、interactiveな学びをどんどん創っていこう"ということでした。そんなメッセージを象徴しているのが、私は"スタディグループ"だと思います。今回は、そんな"スタディグループ”の内

          デンマーク大学院のスタディグループ事情

          "共感"はやさしさ?それとも自分勝手?

          日本で話していると、相槌をうつときに「わかるー」という言葉をよく使う。 でも英語だと”I could relate”とか”I could understand”は、「わかるー」と同じくらいの頻度では使わないし、聞かない気がする。もちろん、"I see"も「わかる」なのかもしれないけれど。 一度友人の悩みを聞いていた時に、反射的に"I could understand"と言い、"あなたには分からないよ!”と言われたことがある。”I mean, I could imagine

          "共感"はやさしさ?それとも自分勝手?

          ヨーロッパ大学院進学への道-その3:奨学金-

          海外大学院進学への大きな壁の一つは、”お金”だと思います。特に大学から直で大学院に行く場合は、自分で賄うのは基本無理だと思うので気になりますよね。イギリス大学院に行っている方々のブログなどでも奨学金の紹介を見かけますが、この手の話がTwitterでも一番聞かれるトピックなので、今回は奨学金の制度について私の知っていることを共有します。 目次 1. 奨学金の種類と探し方 2. 奨学金の申請方法 3. デンマークで奨学金をもらっている私の事例 1. 奨学金の種類と探し方まず大

          ヨーロッパ大学院進学への道-その3:奨学金-

          はじめました。

          こんにちは。2019年からnoteをはじめてみました。Twitterだと書ききれないことをどうしても残しておきたくて。 【今していること】 デンマークはコペンハーゲンにある大学院(2年制)で、2018年9月から〔Anthropology of Education and Development〕を学んでいます。 【今までしてきたこと】 大学では比較教育学を専攻し、開発教育に関する卒論を書きました。(教育開発ではないです!開発教育って何!?て方はぜひググってみましょう!)こ

          はじめました。

          デンマーク大学院のテスト・成績事情

          本日、今学期のテストが終了し、無事30単位全て取ることができました。(1つのコースが15単位というかなり思い比重なので、今期は2コースだけだったんですが。)改めて思ったのは、デンマークのテストはFeedbackがとても重視されていて、テストも学習プロセスの一つに位置付けられていること! 今日はそんなデンマークの大学院、成績事情について書きたいと思います。 目次 1. テストの種類 2.成績のつけ方の種類と判断方法 3. Feedbackの充実さ 4. 高得点を取るための秘訣

          デンマーク大学院のテスト・成績事情

          ヨーロッパ大学院進学への道-その2:願書提出-

          マイナーな欧州の国の大学院への進学に関するいろは第二弾は、願書の提出についてです。イギリスの大学院を専門とするエージェンドのかたとお話しして知ったのですが、日本ではあまり馴染みのない書類の提出が求められたりするので、ヨーロッパの大学院へ進学を考えてる方は参考にしてください。 目次 1. 提出書類を確認しよう 2. 大学院の担当に詳細まで確認しよう 3. 提出書類を準備しよう 1. 提出書類を”きちんと”確認する 願書提出に必要な書類は、大学院によっても、コースによっても

          ヨーロッパ大学院進学への道-その2:願書提出-