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臀物語

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タイトルをしりとりで繋げる物語、です。 「しりものがたり」と読みます。 第1,第3,第5日曜日に更新予定です。 詳しくはプロフィールに固定してある「臀ペディア」をお読みください。
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2023年5月の記事一覧

コーラス

好きな科目を聞かれると、特に小学生の頃などは、体育や図工、それに音楽などいわゆる勉強とは離れた教科を答えるものだ。
中には物珍しく国語や算数が好きだと答える者もいるが、それはなかなかに稀有な例である。
それは中学生、高校生になっても同じようなもので、得意科目でも聞かれればそれはまた別の答え方になるのだろうが、好きな科目と聞かれてなかなか直接的な勉学に繋がる科目を答えるものは少なかろう。
体育や図工

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跳び箱

 授業の終了を告げる鐘が鳴ると、生徒たちは何やらがさがさと自分の荷物やロッカーを漁り始めた。
「まっつん、次って体育だったよね。」
 陽介が勇樹の席に近づき尋ねる。
「ああ……」
 しかし、勇樹の返事からはどこか元気が感じられない。
「九十九っち、次って体育だったよね。」
 陽介は英一にも尋ねる。
「うん……」
 英一もどこか元気がない。
「菅原、体育であってるぞ。」
 先ほどの陽介の質問を聞いて

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クライアント

 時刻は午後七時を回ったところ。敦はいつもの何倍もかっちりしたスーツに身を包み、慣れない場所に座っていた。
 指定された場所は、自分では当然入れないような高級なレストラン。入口に書かれていた店名も何と読むのかわからず、とりあえず入ってきたのだ。
 敦の座っている席からは大きなガラス張りの窓が見えたが、そこからは東京の夜景というものが一望できた。
 待ち人が来ない以上、何もすることができず、時たま水

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キック

 夕方ともなるとただでさえ騒がしいゲームセンターの中が一段と騒がしくなる。なぜなら、学校を終えた学生たちが連れ立ってやってくるからだ。
 彼らはお気に入りのゲームの前に何人かでたむろをすると順番にプレイを始める。
 座っている友人のプレイに一喜一憂しながら、ときにはアドバイスなどしながら、そんなみんなの手には、ゲームセンターくらいでしか見かけないビンの炭酸飲料やら、プラスチックの棒に刺さった自販機

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