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短歌とか

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記事一覧

短歌「昨日の私より」

短歌「昨日の私より」

珈琲を初めて飲んだ夜ひとり緑のジャージでガッツポーズ

ごあいにく君の目よりも甘くって煮詰めすぎたカラメルソースが

尖ってたあの頃読んでた小説の読者の気持ちを100字で答えよ

8月終わりの短歌「小さくてもタコ」

8月終わりの短歌「小さくてもタコ」

リスナーの失恋したと笑う声 次のイントロで救われる人

オリジナルカレーと微笑むその中に恋のスパイスは入っていますか

トレイから溢れる命 じゃこの中に紛れるタコは小さくてもタコ

短歌「誰かの誰か」

短歌「誰かの誰か」

健康でいてねと言う貴方のために 煙を吐き吸う飲むヨーグルト

君のまつげの長さは何ミリだろう 手元にはコーラばれないように

可愛くなるためにうっかり肉を削ぎ、風呂場で歌うやなせたかしを

ぼくの血潮〜♪

7月の短歌 「セミがワンワン鳴き始めたら紛れもなく夏だ」

7月の短歌 「セミがワンワン鳴き始めたら紛れもなく夏だ」

甦る流星群と痛くなる背中 セミが鳴く朝夏の幕開け

人混みさえ知らない人の笑顔さえ 愛おしく思うかき氷の次に

目と心を掴んで揺らすドンドンパン オリンピックより花火が見たい

夏になって思い出すのが、去年の死にたい記憶じゃなくて良かったと思う。大学1年生のときに友人と初めて行った淀川花火大会とか、部活の夏合宿のこととか、暑いのが嫌いだから夏来て欲しくないっていつも思うけど、なんだかんだ夏の記憶が

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6月の短歌「安眠効果願って1年」

6月の短歌「安眠効果願って1年」

頬と缶を伝う滴が乾くとき もうシャッフル レゲエとかになってる

「今度ほら蛍を見においでようちに」練習してたのにもうおらん

ラベンダーのディフューザーもう買って二本目 安眠効果願って1年

半年前買った煙草もう湿気ってる?紫陽花で気付く梅雨と苦い味

短歌「5月の朝」

短歌「5月の朝」

朝バイトのため吸う5月のAM5:00の匂い
知らなかったよ初夏もつとめて

あまりにも気持ちいいので今横で
君に寝息を立ててて欲しい

長袖か半袖かまたは5分袖か
迷ってる間に消えるオレンジ

短歌「閉まっておくのももったいないだろ?」

短歌「閉まっておくのももったいないだろ?」

いつからか時間と比例してふえるきみが纏う光のやわらかさ

服が好きピアスもリングも好きだけど君のボロいそのくつが欲しいよ

欲張った君のほっぺに焼肉と僕らの午前の愛の囁き

キミとソフトクリームが食べたいなと言ったのに今日もひとりで肉まん

げつようび頑張るために寿司食べてきんようのにくのためあと4日

後半はお腹がすいてるせいか食べ物ばっかりでした。今日も、私もあなたもよく頑張りました。よく頑張

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クリームソーダは店によって違えど作れば同じ

クリームソーダは店によって違えど作れば同じ

先輩が夏合宿の夜に買ってきてくれて、特別に2本食べたチョコとバニラのアイス

指と口元に残るアイスはシアワセの色となって踊る

瞼の奥の宇宙を広げ出しては一生を願う

貴方が珈琲を頼むなら私は紅茶を頼み続けようと誓った休日の昼下がり

写真を上手く撮れない代わりに、目でシャッターを切る音が聞こえる

桜のように段々と色付く少女を見て着飾るフリをするにじゅういち

いつまでもめくられないカレンダーを

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短歌「ただゆらゆらと、春」

気がつけばカメラを構える隙もなく ただ散りゆく春目に焼き付けて

黄緑と緑と青とさくら色 ピンクと言うにはもったいないの

吹く風が夢見まどろみ連れていく 束の間の君の笑顔が眩しい

思い出すあの日の花の名前すら 教える間もなく贈る花束

こっち見てずるいよ君はどこいくの 花を踏まない優しさをもち

なんとなく短歌です。初めてなので、ちょっとだけ。たのしい!
桜はあっという間でしたね。桜の色ってほ

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短歌「今日も明日も元気でいてくれたらそれで」

短歌「今日も明日も元気でいてくれたらそれで」

朝8:00 えさ箱の中で眠る君 ふわふわでいいな 空色の布団

どこいくの!食べ終わったの?あそぼうよ 15cmと思えぬ主張

結末を思って泣くのはネタバレできみの気持ちが遠のく合図

もう二度と降りることないその駅の
ホームの夕日 影 パン 切符

感想を言えずに笑うと知ってても続編もと誓い出るシネマ

空を見て増える緑と足元に少し安心する春の残り

今どきは君しか使っていないよと笑う顔もスキッ

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