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503.会社をやめて、会社を20社持つ男のお話

coucouさんのお仕事論㉕



前号でも、お話したけれど、coucouさんは会社を4つ持っている。
それはね、仕事内容に応じて使い分けをしている。そして、それぞれを動かしながら現在に至っているんだ。

でも、どうして?
と思う人もいるよね。

例えば、個人営業と法人とはまるで違うからなんだ。
個人の場合は、すべて個人の責任となってしまうけれど、法人の場合は基本的に法人だけの責任で済むからね。
そう、「無限責任」ではない、責任は「有限責任」ですむ。
個人だと「無限の責任」を個人が抱えてしまうという問題も残る。

「個人」と「法人」はそれぞれ、メリットとデメリットもあるけれど、coucouさんにはメリットしかないんだ。

だって、もう一人の「別人格」ができるわけだから、coucouさんは、面白がっている。どう分けているのかというと「ハード」と「ソフト」に考え使い分けている。

だけどね、別にマネする必要はないんだよ。
今回は、クリエイターさんたちが仕事をするために何かお役に立てばという「coucouさんのお仕事論」でお伝えしようと考えたんだ。

クリエイターさんたちのほとんどは自営業、フリー、個人の白色申告か、青色申告だよね。それでも問題はないのだけれど、それにもデメリットとメリットがある。

例えば、大きな会社と取引する場合は、対外的な信用面は法人の方が強い。
それに取引き契約を結ぶ場合なども個人では支障がでる恐れがある。ましてや、ネットでの販売などでも「個人」なのか「法人」なのかも信頼面において必要になる場合もある。

そう、ある意味、個人では限界がある気がする。

だから、今回は、coucouさんが会社を複数持つきっかけを作ってくれたユニークな社長を紹介をするね~
つまらないかもしれないけれど、クリエイターさんたちにお役に立てばうれしいね~

では、「会社を20持つ男のお話」をどうぞ~

©NPО japan copyright association Hiroaki

1.会社を20社持つ男のお話


会社は1つ持てばいいというのが一般的な常識のように思われてきたけれど、今や時代は大きく変わり、1人が2つ3つの会社を持つのも当たり前の時代になった。

ここに会社の常識、会社の考え方を覆す社長がいたんだ。

彼はね、喫茶店を経営している67歳の男性。
喫茶店は奥さんと2人で経営を始め、現在5年目を迎えている。

それまでは大手コーヒーチェーン店で定年まで働き、定年後の給料が低くなっても継続して働きたかったのだけれど、会社規約により残ることが出来なかった。

営業して3年ぐらい過ぎて、青色申告の個人営業よりも会社にすることのほうがメリツトがあることがわかり、会社経営に切り替えた。

もちろん、彼が社長で奥様が社員の二人だけの会社。

彼は会社にする時に色々と考えた。

「株式会社」にするか「合資会社」「合同会社」にするかを考えたんだ。

株式会社の場合、資本金は1円でも設立できる。
ただし、登記費用が25万円~30万円ぐらいかかる。合資会社、合同会社も資本金は1円からでも可能で、登記費用は株式会社の費用よりも少なく6万円~10万円ぐらいで設立ができる。

詳しくは次のホームページを参照、比較してみてください。
日本企業支援センターURL:http://www.j-shien.co.jp
 
そこで費用の少ない「合資会社」を選んだ。

彼の妻が趣味で作っている小物・アクセサリー関係をお店で販売したり、友人のお店に卸したりしていたので、2つ目の合資会社を作り、妻をその会社の代表。

長男37歳は個人で運送業を営んでいたが、同じように合資会社を設立、二男も個人で塗装業をしていたが、やはり合資会社にし、4つの会社ができた。

さらに、喫茶店は自宅の一階を改装して営業をしており、その土地建物を5つ目の会社を設立して法人名義にすることにした。
(個人資産から会社資産として乗り変える)

また、将来、自分が働けなくなった時、土地建物の後継者として長女に法人ごと譲ることにした。(相続や贈与税はかからない、代表者を変えるだけで済む)こうすれば代表者の変更のみで、相続の対象にはならないと考えたからだ。

さらに娘は、雑誌の編集の仕事をフリーでしていたため、同じように会社登記して6つ目の会社を設立した。
これで資産関係、家族関係のすべてが法人所有にした。
 
会社を設立したからといって、簡単に儲けを出せるものではないよね。

個人営業よりも税制面などで法人の方がメリットが大きいというだけで、実際には売上利益を出さくっちやね。

そこで彼は次のアイデアを考え出しました。

そこで7つ目、8つ目から20社と新会社を設立しはじめた。


©NPО japan copyright association Hiroaki

2.アイデア・発明を仕事にする


もともとアイデアマンの彼は、発明やアイデアを考えることが好きなため、自然と仲間たちが集まり、アイデア・発明研究会なるものを立ち上げており、会合場所として自分の喫茶店を解放していた。

奥さんの手作り作品はもちろん、その仲間たちのアイデア商品、発明品なども販売を委託していた。
そこで、彼の仲間たち1人ずつに会社を設立させ、最終的には20社となった。一社当たり1万円から3万円の出資をして、彼はすべての会社の役員に名を連ねている。

大きな目的はね、そのアイデア商品や発明品の販売。

法人にすることによって、個人より信用が厚くなり、対外的な信用も作れる。大手企業であっても法人の方が取引口座を設けやすくなり、取引が楽になるからね。

彼はそれらの会社の営業をする。
どんな営業かといえば、それぞれの会社が制作したアイデア商品、発明品を商店会のお店の片隅、わずか一坪ほどのスペースを利用して置かせてもらうんだ。

現在、約20店舗ぐらいの商店の片隅に商品を置かせてもらい、売れた場合には約20パーセントの手数料をお店側に支払うシステムで販路を拡大している。

商店主も空いているスペースにその商品を置くだけで、売ったら手数料が貰えるわけだから、特別なリスクなどない。

彼は、20社の売れた分の10パーセントを手数料として受け取り、決算で利益が出た場合は、出資額に相当する配当を受け取る仕組み。

また、このような無店舗販売のため、各会社は一切の営業や宣伝をするわけでもなく、事務経費や人件費がかかるわけでもなく、商品製作以外の経費はまるでかかりらないので、すぐに利益体質となる。

つまり、必ず儲けが出る仕組みとなっている。

個人営業の強みって、ここにあるのかもしれないよね。

coucouさんはね、彼に次の質問をしてみた。

「いくらぐらいの儲けがあるのですか?」

「儲けは、1社当たり月に最低1万円もらえればいい、という考えです。20社あれば最低20万円あればいい、あとは私とお店の努力で決まるんだよ」

「少なくないですか?」

「少ない?こんなにもらえて多くありませんか?だって仕入れ原価ゼロ、人件費ゼロ、家賃ゼロ、私のお願いする労力だけの仕事です。こんなに楽しい仕事もめずらしいと思いませんか?それに毎月何万円、何十万円の利益がでたら、私一人ではできなくなって誰かを雇わなければなりません。人を雇ったら人件費ですべての利益を失ってしまう可能性がありますから、1か所で1万円から数万円もらえるだけでありがたいじゃあないですか!」

「…、確かに、そうですね」

「仕事はガツガツしても仕方ない。楽しみながらのんびりとコツコツと稼ぐものですよ!妻のやっている喫茶店だって同じですよ。1日に3万円売るって、はむずかしいんだよ。1杯300円のコーヒーを100人のお客様が飲んでくれて3万円の売り上げ。とても無理。客席だってわずかに15席しかないのですから、1日1万円から2万円の売り上げがやっとです。月商30万円から50万円くらいのビジネスですが、妻一人だけならば充分に生きて行けるはずです。大きなことを考えればお金がかかる、大変になる、人を雇わなければならない、何よりも利益が薄くなる。だから自分だけの労力で稼ぐお金が本当の儲けなのです」

ひとりぼっち起業って、面白いよね。

これからの時代の会社の姿はこのようになるのかもしれませんね。

coucouさんは、この方から会社のメリットを伝授してもらったんだ。


©NPО japan copyright association Hiroaki

3.一人が2つも3つも会社を持つ時代

coucouさんは自分で実践してみて色々なことがわかった。
この学びはとってもプラスになった。

前にも話したことがあるので簡単に要約するね。


coucouさんの顧問先にパン屋さんがいた。
パンの工場を持ちながら、直営のお店は12店舗ある。朝は3時からパンを製造。先代から引き継いで15年、創業は50年の老舗。地元では有名で小学校などに食パンを毎日納品もしていた。
(coucouさんは先代からの付き合い)

工場には、10名、お店には責任者12名。パンの配送4人、総合計26名。あとは、全体のアルバイトさんたちが20名近い。

ある時、このパン屋さんはパン粉の値上げとともに経営が落ち込んでいった。理由は、ほとんどのパンが50円から100円という低価格。材料費の高騰とともに値上げを踏み切ったが、値上げと同時にパンが売れなくなった…。

理由は簡単、安くて美味しいパンが高くなったからなんだ。
それに長年のイメージもあった。

そして、毎月、毎月赤字が続く。

そこでcoucouさんは相談を受けた。
「このままでは間違いなく資金ショートする。銀行からもすでにつなぎ融資をしていて、もうこれ以上借入することは困難な状況なんだ。そこでね、会社をたたもうか、どうかと考えている。だけれど、会社を辞めてしまえば返済ができなくなる、それに働いているみんなが路頭に迷ってしまう…。続けるのも地獄、やめるのも地獄。このことで弁護士さんに相談したら会社も個人も自己破産すればいい、と勧められた。だが、それは私だけが助かって働いている人たちが助かるわけではない。何か知恵はないだろうか?」

この社長は、coucouさんのことをすべて知っている。
苦しい中でもcoucouさんに毎月30000円の顧問料を払っていてくれる。

そこで、coucouさんは、提案してみた。

それは、確かに弁護士さんと同じ見解だけれど、大きな違いは、社長の言うように働いている人たちのことを優先させたい、という気持ちが彼にはある。もちろん、弁護士さんにそんなことを相談すれば「人のことより自分のことだよ…」と軽く一笑されてしまうのは十分に理解していた。

だから、
「社長、会社を16社作りませんか?」

彼は信じられない驚きの顔をしたことを、今でも忘れない。

そうだよね~
当たり前だよね~

これから会社を辞めようと考えている人に新しく会社を作ろうなんて異常だよね。でも、アイデアマン、アマチュア発明家の彼は、とても発想力と頭が柔軟だった。そして、聞く耳という武器がある。

あまりにも真剣だったので、coucouさんはね、自分の体験や経験、そして学んできたことを話し続けた。

そして、次のことの実行計画案を立てたんだ。
(1)パン工場の土地(合資会社1)
(2)パン工場の建物(合資会社1)
(3)パンの配送(合資会社1)
(4)12店舗のお店(合資会社12)
(5)全体を管理する新会社(労働組合法人1)


1社あたりの設立費用は60,000円、合計16社で96万円。
素早く設立しようと事前相談した。

そして、働きさん全員に集まって討議した。
最初は社長の考えを話した。現在のし苦しさ、弁護士さんとの相談。何よりも、みんなのことの心配している話。

もちろん、coucouさんのいつものブレーンストーミング。

社長はすべてを包みかかさずに、みんなに話した。
すると、30代の女性が声をあげた~

「何か方法はないんですか?oucouさん、社長…やめるしかないんですか?」
「そうだ、何かあるはずだ…」
そう、誰もやめたくない、誰もが続けたい。
だって、間違いなくパンは美味しい。
ファンも定着している…。


そこで、coucouさんはある計画案を提案したんだ。
それはね、このまま続ける方法をね。
ただ、みんなが一つにならないとできない話なんだ。


「…みなさん、社長になりませんか?今の社長の代わりにみんなが社長になればこのまま続けることができます…」

「社長の代わりに?私たちが社長に?」

そう、当然だよね、誰にもわからないよね…。
だから、現在のまま行けば間違いなく存続はできないことと、最終的には倒産となり、営業したくともできなくなるという話を説明した…。

会社の借入金は3億円を超えていた。
この数字にみな驚いていた…。

だけど、その借入金をゼロにするための方法論が、次の計画案だった。
パン工場の土地建物の名義は社長個人の名義だった。当然借入金の担保にも入っている。どちらにしろ、潰れればそれもなくなってしまう。

(1)パン工場の土地(合資会社1)
建物名義を、別法人にする。つまり1つの会社を設立して正式に賃貸借契約をする。(土地は社長の個人資産、建物は未登記の古いプレハブ)
(2)パン工場の建物(合資会社1)
パン工場はの使用に関しては新たな会社が賃貸契約をして営業をする。
(3)パンの配送(合資会社1)
パンの配送に関して4人で新会社を設立し、配送会社としてスタートする。
(4)12店舗のお店(合資会社12)
12店舗のお店をすべて新会社にして、12の会社、独立採算方式にする。パンは工場から買い取り販売。配送は配送会社に委託。
(5)全体を管理する新会社(労働組合法人1)
ここは、現在の社長が新社長に就任し、全体をホローする。


©NPО japan copyright association Hiroaki

4.みんなが社長の時代、みんなひとりぼっちの起業家


さて、あれから約3年が経過した。
現社長は、よく3年も頑張り続けたと思う。
全体を見届けて彼は笑顔になった。

そう、すべて実現したんだもの。

今までの働きさんたちは全員が代表、全員が社長となって、より燃えた。
ここに、16の精鋭たちの社長が誕生。
みんなひとりぼっち。

でも楽しそう~

うれしそう~

なんでって、だって自分のお店だよ~

自分が主なんだからね。

そして、社長個人はここでギブアップ宣言~
そう、もう何も心配いらないのだもの~
そう、自分だけの責任で済むのだもの~
みんなも自立した。
今までの給料よりも増えた~
みんな社長に感謝した。



いよいよ、そして、最後の大きな仕事だ。
それは、銀行との交渉と裁判の始まりだ…。

もう、何にも恐れるものはない。
好きにすればいい~

最初に驚いたのは銀行だ~
「これって、計画倒産じゃあないの?」
人きぎの悪い話だ…。
計画はしたけれど計画倒産ではない。
生き続けるための最善の方法だからね。

それに、倒産していないし、倒産する気はない。
さらに返済の継続の意思がある。

どうして、銀行が驚いたのかっていうと、16の会社に対して驚いたんだけど、裁判で争いを起こしても資産を抑えようがないからなんだ。

例えば、1億円の土地があり、その上に100万円の家が建っていたとしたら、価値は半減する。また、半減するだけでなく、発言力は地主よりも建物の持ち主の権利の方が強い。また、裁判をし続けたとしてもかなりの長期戦となり特がない。それが今回のしくみなんだ。

また、返済を止めるわけじゃあない、毎月200万近い返済を月当たり30万円で交渉。それが、認められないければ自己破産すると伝えた(どちらにしろ、みんなの未来が見えればそのつもりだった)。

そして、銀行は30万円を飲んだ~
(数十年後は社長も、coucouさんも、あなたたちもこの世からいないんだよ)

銀行は不良債権にした場合のメンツもある。
それに彼の土地の建物に抵当権を設定していなかったという大きなミスもある。つまり、まったく価値のないものに1億以上のお金を融資したことになる。(よくある話)

これはよくある話で、銀行の怠慢でもあるけれど、その怠慢のおかげで物事が有利に働いたことは間違いない。

そして、この奇跡に近い出来事の奇跡がさらに続いた。
毎月の返済を15の会社が引き継いだ。

1店舗20,000円っていうことになる。

そして、現社長は、全体を管理する新会社(労働組合法人)を設立して、15か所の顧問契約をすることで今までと同じ状況を残した。
そして、coucouさんは、この会社と新しい顧問契約をむすんだ。


でもね、これって奇跡だと思う~
だって、みんなが一つになった「ひとりぼっち起業」のサンプルになると信じている。
そう、みんなが支え合えれば、奇跡が起こるんだね~


©NPО japan copyright association 

coucouさんでした~

みなさん、ごきげんよう~

「coucouさんのお仕事論」、こんなお話なんてつまらないかなあ、なんて考えながら続けている。だけどね、生活も仕事も家事も育児も、このnoteだって全部仕事なんだよね。

だって、何かしらに仕えているんだもの~

そして、その仕事や生活の繰り返し、生き続けることが人生なのだから、まさに「人生を経営」する経営者なんだよね、みんなもね。

だけどね、coucouさんは大失敗の成功者さ。

もし、このnoteに大失敗を書き続けたら当分終わらないかも知れない。

でもね、やっぱり、明日は明るくないと駄目だよね~

明るい日なんだもの~

でもね、みんな~
読んでくれるだけで、とってもうれしいよ~

また、あしたね~

今日も、きっと佳き日なのだからね。

ありがとう~

みんなあ~


追記、サクマドロップさん、負けないで欲しい~
あなたたちの愛と、子どもたちは永遠にあなたたちを忘れないからね~
coucouさんはね、必ず恩返しするよ…。


 


coucouさんのホームページだよ~みてね~

 
Production / copyright©NPО japan copyright association
photograph©NPО japan copyright association Hiroaki
Character design©NPО japan copyright association Hikaru

 







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