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491.保険をやめた保険会社のおばちやん社長さんのお話【後編】

coucouさんのお仕事論⑭



1.保険を売らない保険会社のおばちゃん社長のお話


※昨日の490.保険を売らない保険会社のおばちゃん社長のお話」の続編【後編】となります。合わせてお読みくださいね~

 
翌日から彼女は、社長という考え方を止めた…。
 
すべてのことを社員に話すことにした。
きっと、嫌われるだろう、馬鹿にされるだろう、と思っていたという。
だけど、思っていたこととは、まったくの逆で、彼らは真剣に耳を傾けてくれた。

彼女は涙が止まらなかった…。
 
社長さんはね、今まで、社員の彼らを売り上げをあげるための要員としか考えていなかったからなんだ。
経営のわからない社員からのアドバイスなど耳を貸すつもりもなかった、無駄だと思い込んでいた。
それに、話してみても理解されない、それに、経営者のプライドとして、従業員には決して弱みを見せたくない、と考えていた。
 
だけれど、彼女は、耳を傾けてくれた社員たちの考えを真剣に聞くことにした。それは、本当にどうしたらいいのかがわからなくなっていたからなんだ。

2.もう、保険を売るのはやめよう~


すると、働きさんたちから、意外な言葉が返ってきた…。

それは…
 
「社長、ありがとう。私たちは今日の社長は大好きです。本当は、とても冷たい社長だと思っていました。私たちも年を取りましたね。正直、そろそろ退職も考えていました。それに、保険の仕事は大変です。私たちはどこへ行っても〈おばちゃん〉になりました。この会社は〈おばちゃんの会社〉ですね…」

すると、もう一人の働きさんから、

「ねえ、私は社長のお話を聞いてひらめいたのだけれど、〈保険おばちゃん〉を逆手にとって、何か営業ができないかしら?」

「それって、どんな?」

「それは、もう保険を売らないの」

「…」

「人のためにお役に立って、多くの人たちの心に残るものをつくってみたいわ。私たち、楽しいことを売ろうよ!」

「そうだね、楽しいことをしてみよう!」
 
働きさんたちも、現況に限界と行き詰まりを感じていた。
 
「現在の田中保険事務所(仮名)のネーミングを変えてみない?例えば〈おばちゃん隊〉。もちろん表示は『田中保険事務所(仮名)株式会社・〈おばちゃん隊〉』で良いと思うわ~」

皆から一斉に笑いが出た。

今までこんな時が一度でもあっただろうか?



ここで、coucouさん登場~
その場で〈おばちゃん隊〉のキャラクターを描くことになった。
だって、coucouさんはね、下手うまの達人なんだもの。

実は、みんなで描いてみた…。
しかし、凄いことにみんなうますぎる~

やっぱり、そこで一番下手な絵のcoucouさんが選ばれてしまったんだ~

それを見たメンバー全員が、お腹を抱えて笑い転げてしまうほどの強烈なインパクトのキャラクターだったんだ。

なんでだか、わかる~

それはね、おばちゃん社長にそっくりだからさ~

ほくろまで入れた~


coucou作©NPО japan copyright association

3.おばちゃんグッズの登場~


キャッチフレーズは「あなたのお役に立つ〈おばちゃん隊〉」と決定~

おばちゃんで何が悪い、
〈おばちゃんダイ〉という可愛い開き直りも暗に含まれている。

そして、全員が手書きでまとめた〈おばちゃん隊通信〉を作り、主婦を対象とした「保険おばちゃん」の生の考えや意見をぶつける内容した。

それは、驚いたことに、
「こんな客は困る」
「こんなお客は素晴らしい」
「どうしてこの保険が良いか、実際に災難に遭った人たちの話」
「様々な生活情報」
「料理のアイデア」
「ご主人の浮気チェック法」
「スーパーの買い物テクニック」
「お客様からの声」等々

きわめつけは、
「おばちゃんで何が悪い」となった。
 
 
こんな言いたい放題で本当に大丈夫なの?と心配になるほど強烈な〈おばちゃん隊通信〉の誕生だった。

すぐさま、反響はすぐにあった。
 
文句やクレームをいう人もいたようだけれど、予想とは逆に「保険おばちゃん」たちの欲求不満が取引先やお客様に大いに受けたんだ。
そして、〈おばちゃん隊〉のステッカーは、契約者の車や子どもたちの自転車、オートバイに貼られるほどの大人気となった。


coucou作©NPО japan copyright association

※ここでは「おばちゃん隊」の新聞を公表しようと思ったのですが、個人名、会社名、写真、プライバシー等が掲載されているためここでご紹介ができませんでした。残念ながら、会員限定会報のため、手描きのアナログ表現の小ロットであるため、掲載することができませんでした。
ホームページもない、SNSもない、イメージをあえて伝えるならば、昔のガリ版刷りのような、手描きで手紙のような会報です。絵はcoucouさん作なので掲載しました。(逆にこのアナログは、誰もが勝手に見れないというのも、この現代では貴重な広報物かもしれませんね、付加価値のあるものとして)


さて、前作の営業問題、存続に関しての後日談がある。

おばちゃんたちに、coucouさんは次の提案をした~
それは、「労働者共同組合」という新しい組織体なんだ。

これはね、フリーで活動している人たちや、個人営業で活動している人たちが力を合わせて、一つの組合組織をつくること。

別に力仕事だけが労働者じゃあないんだよ。
日々、仕事をしている人たちは机の上だって形が違うけど、労働には変わりはない。
みんなみたいなクリエイターさんたちだって労働者なんだもの。
ただ、個人営業、自営業、フリーの人たちにはなんの保証もない。現在の民間保険だけでは限界もある。当然、デメリットもあるけれど、coucouさんにしてみればメリットだらけに思える。

そう、組合のみんなが平等の精神を持って、みんなが経営者になるんだ。
2022年10月から新しい制度ができる。その制度をおばちゃん隊にお話しして、現在準備中~

もう、今までのやり方なんて通用しないし、業態に変化を加え、働きさんたちにも希望の持てる組織体が必要な時代だと思うんだ。
別に、合資会社でも、合同会社でも構わないけれど、基本的な趣旨が違う。

これは新しい法人格を取得する制度なんだ。

現在の働きさんたちに、一部、平等に出資してもらい、組織内容は合議制を取る。みんなが経営者、みんなが自立する(代表者は必要)。そして、自分たちのために働く。

そう、新会社を設立するようなもの。
そして、現在の負債はここですべて売却して借入金及び利息の負担をなくす。早速、不動産に依頼~返済金を止めるため取引先銀行との相談を行い、売却とともに完済。
(ただし、借入残が残った場合、その時点で長期借入に変更)

そして、おばちゃんたちは安いアパートを借りて再出発となる。

まさに、業態を変えての再出発ではなくて、新出発となった。そして、何よりも新組織に希望を持った。


みんな~
「労働者組合」を研究してみない~

みんな~
新しい希望を作ってみようね~


coucouさんも、来年に落ち着いたら、この組合法人を作ってみようと準備を考えているんだ。


 


4.希望ってね、人を救うよね~


 人は「希望」があると強くなれます。

反面「希望」を失うと何も見えなくなってしまいます。

ある一瞬で「希望」は生まれます。

ある一瞬で「絶望」は「希望」に変えることができます。

ですから、社長の病を治す強烈なカンフル剤は、この「希望を持つ」という処方箋にあることがわかる。
 
お金の悩みは一時のものだよね。

例えば、どうしても支払いのお金が百万円足りない。
どうしょう?と悩み続ける。
さらに、銀行から借りようか?
誰かから融通してもらおうか?
それとも支払いを先延ばししてもらおうか?…。

だけれど、実際は、どんな方法で解決したとしても、それは一時のもの。
またいずれ同じような繰り返しの中で、誰もが疲れ切ってしまう。
 
人は誰でも、何も打つ手がなければ、希望を失う。
これらは一時の麻薬のようなもので、解決にはならない。
 
問題は、その一時に必要なお金ではなく、希望を生み出す力があるかないかなんだよね。何の希望もなければ心が萎えるだけになってしまう気がする。

それが、たとえ、小さな希望が人を救ってくれる。
その小さな希望をたくさん集めれば、やがて大きな希望になるのだもの。
幸せだって、おんなじ、小さな幸せをたくさん集めれば、やがて必ず大きくなるもんね。
 
「希望」って、身近な誰かが自然と運んできてくれるものだけれど、意外と気が付かないものかもしれないよね。

だから、固定観念のない第三者の意見、言葉の中に「希望の作り方」が潜んでいるような気かする。
 
 
彼女の希望は社員たちの言葉の中にあった。
 
 
翌日から彼女は、社長という考え方を止めることにした。
そして、保険を売るのをやめて、自分たちの、おばちゃんたちの素直な気持、正直な思いをたくさんの人たちに伝える決心をした。

そう、人の気持ち、心、人のために生きようってみんなで決めたんだ。
 

彼女の希望は社員たちの言葉の中にあったんだね。

©NPО japan copyright association

coucouさんです~
みなさん、ごきげんよう~

この保険屋おばちゃんたちは、coucouさんは仲良くしているグループで無償でホスピタリイを定期的レクチャーしているんだ。

5.届いた~おばちゃんたちの心の声


今回は、このおばちゃん社長から相談を受けた。
coucouさんはアドバイスなどしない~
どこの取引先、顧問先に出向いても、現場の働きさんたちの声を聞くことだけお勧めしている。

だって、どんな企業診断士さんだろうが、税理士さんであろうが、コンサルタントさんであろうが、現場の声を代弁できる人などいないもんね。

そう、現場の働きさんたちの声が一番正しい気がする。

さすがのcoucouさんが驚いたことはね、「こんなお客は困る」というおばちゃんたちの声が書かれていた。どうして、驚いたか、って~

だって、これ、お客様に対する批判だよ~

だけどね、この声は、共感を呼んだんだ。
だって、酷すぎる、威張るお客さんも多いのだもの。

保険の勧誘だということだけで馬鹿にしたり、女性だということで意地悪やかまわれたり、嫌味を言われたり、現場の悲しさを訴えた「こんなお客は困る」という内容が読む人から同情も変われたことは事実だけれど、何よりもおばちゃんたちの大変さが伝わったようだ~

だけど、それだけではなくて、「こんなお客は素晴らしい」というおばちゃんたちの声も書かれていた。

これもお客様に共感を得たようだった。

そして、最後は「お客様からの声」を掲載。その記事には誉め言葉もあるけれど、耳の痛い話も入れてある。

たかが、紙、紙媒体~
それに1枚5円のコピー~
1,000枚コピーして5,000円の投下資本で彼女たちはポスティングに励む~
彼女たちは2人1組で毎日、歩く~

まず、足腰が丈夫になったと自慢する~
健康になった、と自慢する~

coucouさんが、一番うれしかったのは、契約が増えてきた、というおばちゃんたちの、いや、彼女たちの嬉しそうな顔をしていることなんだ…。
(一番うれしいことは、仕事が増えたこと~まさにこれが奇跡だね~)


ちなみに、coucouさんはね、このおばちゃんたちが進めるがん保険に加入していて、3回の手術費と入院費で助けてもらったんだ。

もう、充分に元を取った~
いや、儲けさせていただいた気がする~



前編、後編を合わせて読んでいただいて、心から感謝申し上げます。

では、また明日ね~



みんな、おんなじ世界に生きている
We all live in the same world


みんな、おんなじ光を浴びて、
All bathed in the same light,

みんな、おんなじ空気を吸って、
Everyone breathe the same air

みんな、おんなじ世界に生きているんだね。
We all live in the same world.

みんなで、泣いて、
everyone, cry

みんなで、悲しんで、
We are all sad,

みんなで、悩んで、
We are all worried,

みんなで、苦しみ。
We all suffer.

みんなで、笑い。
Everyone laugh.

みんなで、生きている。
We are all alive.

みんな、奇跡の中にいる。
We are all in a miracle.

そしてね、みんなで、別の世界にいくんだ
And then we're all going to another world

そう、みんな、おんなじ世界に生きているんだよ!
Yes, we all live in the same world!
 
 


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