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534.人も自分も歓ぶということは、ほめられることなんだ。【褒め言葉研究会】④

※「533.エジソンの母、秀吉の母、キリストの母たちは褒め方の天才だった~」褒め言葉研究会③の続き(一応、1話完結)


1.豚もおだてりゃあ木に登る~



coucouさんはね、その木に登り続けたんだ~
だってね、もっともっと褒められたかったんだ…。

coucouさんはね、子どもの頃から人さまに褒められたことはない…。
そうだよね、自分でもよくわかる。
だって、褒める部分がない、褒めようがないんだもの~
そのかわり、いつも怒られ続けてきた…。
それは大人になっても変わらない…。

ねえ、みんな~

そんなcoucouさんがね、褒められたんだよ~

もう、嬉しくて、嬉しくて、幸せで幸せで、人生でこんなに幸せだと感じたことがないんだ~

coucouさんは、さらに高い木を登り続けた…。

その木は、本の木だった~

国語も、英語、漢文も、歴史も、数学も、ローマ字さえも分からない。
全部小学校3年生から5年生までに習ったものばかり。
でもその約3年間は闘病生活だったため、いまだに空白期間となっていた。

ようやく学校に出れるようになったけれど、父が3年生からやり直すのを不憫に思い、直接校長先生に談判して、そのまんま5年生の後半に復帰したんだ…。

でも何にもわからない~
だって、基本基礎を知らないんだもの…。

それでも容赦なくみんなも先生もcoucouさんを馬鹿にする…。
だからいつも立たされたり、居残りさせられた…。

今思えばいじめだよね~

人と違う、人より遅れている、人より知識が不足しているって差別を受けるんだね~

©NPО japan copyright association Hiroaki

2.coucouさん本に初チャレンジ~


その、coucouさんが本を書く?

coucouさんは、アンデルセンの童話とか、漫画の世界、絵本の世界の本しか読んだことはない。それはね、絵本は絵を見れば意味がわかるし、漫画はね、ふりがながあるから、漢字がわからなくても読めるんだもの…。

そのcoucouさんが本を書くんだよ~

嘘みたい…

それでも、豊澤会長が褒めてくれたこと、豊澤会長は数百冊の本を出している神さま~その神さまからのお墨付き、やらないわけにはいかないよね。
それにできるんだと勝手に思い込んだんだ~

今考えれば、恐ろしいこと…。
何も、知らないという恐ろしさ…。

でも、その日からcoucouさんは作家?気分になって数か月かけて本を完成させた。当時はパソコンなんて手に入らないし、ワープロの世界。(25年前)

でもcoucouさんの大欠陥であるローマ字がわからない…。
だから、原稿の手書き文字を友人に打ってもらった~

(恥ずかしい話だけれど、今でもローマ字はわからない、でもパソコンは日本語変換ができるので、たった今でも日本語で打ち込んでいるんだ。英文は無料の翻訳ソフトを利用している)

そして、原稿を豊澤会長にお見せして、生まれて初めての本の出版社に出向いた。そこは豊澤会長が数百冊出版している大手出版社だった…。


coucouさんは見上げればとても高いビルを所有している出版社に出向いたとき、ああ~こんな高い木の上に登るんだ、と感動していた~
そして、事務員さんに案内されて、アポイントを取った担当編集長とあった。

最初は豊澤会長の話で優しく盛り上がっていたんだけれど、coucouさんの原稿を半分ぐらい読んで、目の前に放り投げられた…。

え、放り投げたんだよ~
信じらんない~

そして、その編集長は、coucouさんに向かって凄い言葉を吐いた…。
coucouさんは生涯忘れられない言葉となった~

「いいですか、coucouさん。これはね、この原稿は本じゃあない!何よりも、この世界で生きようなんて思わないことだ…」と怒り出したんだ…。

なんで怒るの?

当時の言葉を再現してみた、だってね、忘れられないんだもの~
「簡単に言おう、これは本じゃあない、作品じゃあない。学生だってもう少しましだと思う。ただの作文だね。豊澤会長の紹介だから時間を空けてお会いしたんだけど、失礼だと思う…」

失礼?

あまりにも長すぎる罵倒なんで要約した~
これは、本ではない、作文。
学生の方がまし、あなたはね、この世界では無理…

(1)自己満足
(2)自分のことしか書いていない
(3)読む人のことを考えていない
(4)文章の意味がわからない、つながらない
(5)何を言いたいのか?何を伝えたいのか?がわからない
(6)説明不足、言葉不足
(7)誤字脱字、句読点、……が多すぎる
(8)誰を対象としているのかがわからない
(9)目的は?
(10)文脈もバラバラ
(11)です、ます、なのか?であるのか語尾もバラバラ
(12)何よりも大切な読んでくれる人の気持ちを無視している
(13)その他、ひとりよがり、読者不在、ああ書ききれない…

わお~

coucouさんはきっと、顔面は真っ赤ではなくて、蒼白だったと思う~
何よりもこの世界で生きるのは無理だということ、凄い絶望しかない…。

だって、その通りなんだもの…。


©NPО japan copyright association Hiroaki

3.絶望のcoucouさん

後に、この編集長の言葉がcoucouさんのバイブルとなった…。

coucouさんはね、帰りの電車の中で涙が止まらなかった…。

そして数日後、豊澤会長にこのことを報告しに出向いた…。
すると、
「おお~そうかあ~だけどなあ、coucouさんそんなことで諦めちゃあいけないよ~わしはな、この原稿は素晴らしいと感じているんだからな~」

coucouさんは、言われた13の言葉を伝えた…、すると。
はっはは、と大きな声で豊澤会長は笑った…。

「いいかい、coucouさん、出版社なんて星の数だけある。その出版社にあんたのことを見る目がなかっただけさ~気にする必要はない。coucouさん、日本の出版社がすべておんなじことを言ったら諦めてもいいが、たった一社のこと。縁がなかっただけさ~それにしてもこのcoucouさんの本の良さがわからないんだな~」

何という言葉だ~

また、褒められている…。

こんなにひどい言葉を浴びせられて、絶望と自信喪失のcoucouさんに対して、coucouさんの良さ?それに数百社、数千社も出版社が存在しているんだって…。

そうか、縁なんだ…。

そして、次の日からその原稿を改良して売り込みを続け始めた…。
でも、それでも50社を超えたが決まらない…。

そのたびに、豊澤会長はcoucouさんを褒め続ける…


ある日、豊澤会長はcoucouさんにある人を紹介してくれた。
それが現在の発明学会の会長となる若き日の中本繁実さんだった。(同級生)
中本さんは豊澤会長の秘蔵っ子の一人、この人もcoucouさんの運命を変えた一人なんだ。

彼もcoucouさんの原稿を見て、面白いと言ってくれた~
(彼もすでに数十冊の本を出版していた先輩)

そして、数えられないけれど100社近くになって出版社から出版依頼がついに来たんだ…。

そして、初めての出版契約までこぎ付けたけれど、ここから大事件となる…

なんと、世間知らず~

なんと、人生ってこんなにも厳しいの~

⑤次回続く(読んでね~)


©NPО japan copyright association Hiroaki



故豊澤豊雄会長

豊澤会長の言葉より

4.五木寛之先生のほめ方練習法

人をほめると心がよろこぶ、すると脳細胞が良薬ホルモンを出すから記憶力や発想力がよくなる。ではどうすれば、ほめられるか、その練習法をみつけた。

それは小説界でも有名な五木寛之先生が「歓ぶ」という題で書いている(生きるヒント角川文庫)それがほめる練習法として、すばらしいヒントを与えている。

人も自分も歓ぶということは、ほめられることである。

そこで先生の言をかりて引用させてもらう。

「‥‥昔、ある女性作家と対談したとき、その人が面白いことを言いました。

“私、寝る前に鏡にむかって自分のあらゆる部分を、ひとつひとつ触って、ほめてあげることにしてるんです。”指なら指、肩なら肩、おなかならおなかに、やさしく触って、”きょう1日、とてもよくしてくれたわね、えらいわ、”とほめてやるんです。するとさわった部分の細胞が皮膚の下でプチプチって音をたてて、よろこんでいるのがわかるんですよ」

この作家の、こんな言葉を妙に実感をもって聞くことができました。皮膚がプチプチとよろこぶ、なんて非科学的な表現も、それほど不自然ではないんです。

ひょっとしたら本当によろこんで生き生きとしているのかも知れません。

この作家が若く美しいのはそのためだ、と感じられました。

肉体が、ほめられることによって変化するなど、常識ではありません。しかし人間の心がありようで、人の抗体や免疫作用が変化することも事実らしいです」これを読んで私はすごく感心したので他の方にも目を通してみた。先生は、「ほめる」ことを「よろこび」という言葉で表現していた。そこで、ここでは「ほめる」という言葉にかえて参考にしよう。

「…以前、1日一回、ほめようと考えたことがありました。そして手帳に書くことにきめました。そのために新しい日付入りの手帳を買いこんだのです。さて、あらためて、一日一回ほめようと意識すると、なかなかむつかしいものなんですね。

しかし日がたつにつれて少しずつ慣れてきました。

あまり上手に、ほめようとするから戸惑うのだと、わかってきたのです。

そこでたわいないことも、ほめることにしました。

「きょう新幹線にのった富士山が正面に見えた。ああ美しい」とほめます

「デパートで買ったボールペン値段が安いのによくかける、すばらしい」

「このネクタイ手ざわりがとてもよい」

「小松空港で、ます寿司をたべた、うまい、うまいと料理人をほめた」

などなど、それくらいなら誰でも一日に何回もほめることができる。

先生はさらに言葉をつづけて、

「こんな風に、その気になってほめようと思っていると、ほめ言葉はむこうからやってくるのです。

ほめようという心の触手を大きくひろげて、まちかまえていることが、大事なんですね。

すると、するといつのまにか手帳にかききれないほど、かききれないほどみつかるようになってきました。食べることや、物質的なことばかりではなく、ことばかりではなくもう少し上品で文化的な、ほめ方も、次第にみつかるようになってきたのです。

ほめるというのも一つの習慣なんじゃないですか、なんじゃないですか、

努力してほめているうち、てほめているうち、何でもないことの中に美しさやよさが、よさがみつかるようになるんです。こうして凡ての物の美点や長所を見つけて、ほめる人生の方が、

自分にとっても周囲にとっても、とってもありがたいことですから…」

これを読んで、私はすごく先生を尊敬する気がおきた。

先生は一日に何十回も、もよろこんでいるから良薬ホルモンが出て、あんなにすばらしい小説がかけるのだと思った。

われわれも、先生をまねて、まねてひとつ努力してほめて、ほめて自分の頭をよくしたいものである。

5.私のほめ方。練習法


わたしも70、80になると、だんだん物忘れする。とくに、原稿を書きながら、たえず字引きをひかねばならぬ。これは時間もうくし、思考が中断される。そこでつい、

「ワープロで漢字を見るのと、字引きをひくのと、どちらが早いか」

などと思う。しかしワープロは一年以上練習がいるという。それでは、間に合わぬ。

そこで、いますぐできるのは、良薬ホルモンを出すことである。

すると、脳がハッキリして、忘れていた漢字を思い出すはずである。

一番、手っとり早い快感の刺激は、食事をほめることである。

朝、みそ汁を一杯、口にする。そのとき、

「ああうまい上手にできている」

と、わざと声を出してほめる。すると、快感がわいて心地よいから、良薬ホルモンが出て記憶力はかえってくる。

会社ではパートの人が3時にコーヒーを出してくれる。いままで、何とも思わずのんでいたが、最近は、

「ああ、うまい、いつも3時がまちどおしい」

と声に出していう。

すると、自分も気持ちがよい、コーヒーを入れているパートの人もよろこぶ。するとパートの人も良薬ホルモンが出るので頭がよくなっている。こうして私は、食事と飲物を口にするごとに「ああうまい」とほめることにした。

これで1日何十回か快感がわく。すると何十回か、良薬ホルモンが出る。

すると不思議なものである。字引きを引くことが段々と少なくなった。


あなたもひとつやってごらんよ。年をとると共に、記憶力がましてくるのが、ふしぎである。

飲食物でほめることをおぼえた私は、もっと外にも、ほめるものがあるにちがいないと思う。

ある朝、庭に出た。梅の花が咲いている。何年にもなるが、いまだ、それに感心したことはない。しかしほめようと思っている私の心は、梅の美しさを見つけて、

「ああきれいだー、梅は一輪が美しい」と声を出していう。

すると、たしかに梅の花は桜とちがった美しさがある。すると、快感がわく。

一回だけでは少ないので、朝の散歩に近所の庭をのぞく。するとどこでも、たいてい梅の花が咲いている。これにびっくりする。今までみえなかった物が見えたのであるそして、垣根ごしに、

「ああきれいだ、紅梅がとてもよい」

などと、 声を出していう。すると気持ちがよい。香りまでやってくる。

5軒も梅の花があったので、5回快感がわく。それだけ老化は防げている。

それが23日つづくと、奥さんが窓をあけて、

「どうぞ一枝おもち下さい」

という。

それが緑で、いままで、20年も、ものを言ったことのない、たくさんの隣人とのきあいもできた。そして、何を見ても、「きれいだ、うつくしい」と声に出してほめることにした。

すると世の中、いかに、きれいなものが多いかも、この年になってわかった。

え軒向うの音楽の先生の庭に、柿の木がある。見事になっている。

「ああきれい、おいしそうだ」

と言ってほめると、この先生、わざわざ渋を抜いた柿をもってきてくれた。こうして私は、自分の記憶力を、とりもどすと共に、沢山の人々にも、良薬ホルモンを出させているのだと思って、人生楽しくなる。


⑤続く(次回も続くコラボ作品)25年ぶりに蘇る~


©NPО japan copyright association 

coucouさんです~
みなさん、ごきげんよう~

先日、友人がこのnoteを読んでくれて、ある助言をくれた~
それはね、褒めることは素晴らしいけれど、相手による。その相手によって褒めたら怒る人もいるんだという。

確かに、褒められて不快な人もいるよね~

でもね、褒めるってただ何でも褒めるだけでは友人のように人を傷つける場合だってあるよね。
例えば、とても悩んでいたり、苦しんでいる相手にたとえ本当のことで褒めたとしても、その時の気持ちによってはその人を傷つける場合もある。

だから、ちゃんと相手の様子、気持ちも考えながら褒めないとだめだよね~

つまり、配慮だと思う気がする~

それに、ただ褒めればいいってもんじゃあないよね~
そんなのcoucouさんだって遠慮するよ~

だけどね、褒め言葉は悪いもんじゃあないんだよ~
褒め方が間違えているだけさ~

心から、相手のことを思い、優しく愛情がなければ簡単には届くもんじゃあないよね。だから、誰に対しても、どんなことに対してもただ褒めればいい、ってわけじゃあない気がする~

また、こんな場合もあるよね~
coucouさんが心から思って、褒めたことに対して、
「いや~それは違うよ~」
「そんなことないよ~」
「嫌味だね…」
「無理だよ…」
「できない…」
なんて、言葉は褒めた人を否定することになる。
だから、褒められる人も素直になる必要がある気がする。

だって、褒めてくれる人は好意のある人、思ってくれている人なんだからね。嫌いな人を褒めるなんて戦略的な匂いがするし、そんな太鼓持ちみたいな褒め方なんて相手に届くわけがないよね。

だからね、褒める人も、褒められる人も、感謝しかない気がするんだ。たとえ、照れくさくとも、恥ずかしくとも「ありがとう」って、受け入れて、肯定してあげることが褒め言葉の大切なことだよね。

褒めてくれてありがとう~
褒めさせてくれてありがとう~

そんな誉め上手、褒められ上手って素敵じゃあない~
だってね、お互いが喜びあって、幸せ合うんだもの~

そう、それが「誉め言葉研究会」の規約なんだよ~
そう、もう、みんな会員で、これを読んでくれた人は全員合格、卒業なんだからね~

素晴らしき、哉、褒め言葉さん~




coucouさんのホームページだよ~みてね~

 
Production / copyright©NPО japan copyright coucou associationphotograph©NPО japan copyright association Hiroaki
Character design©NPО japan copyright association Hikaru

 







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