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『君たちはどう生きるか』の映画感想まとめ

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『君たちはどう生きるか』についてのすてきな映画感想をまとめるマガジンです。 #君たちはどう生きるか
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2023年8月の記事一覧

夏の映画感想文。

ジブリ映画『君たちはどう生きるか』を観てきた。 記憶が定かなうちに、感想を書いておこうと思う。 以下ネタバレ注意です。 戦争での火災で母を亡くした主人公の眞人。 眞人は父と2人で疎開先へ移り住むことになる。 そこで母にそっくりな新しい母親(夏子)を父から紹介される。その女性はすでに身籠っており、なんと母親の妹だという。 お屋敷での生活が始まると、眞人はアオサギという変な鳥にちょっかいを出される。 この鳥がなぜかめちゃくちゃ煽ってくる。眞人が腹を立てるのも仕方ない。 この

君たちはどう生きるかにおける感想(ネタバレ無し)

これは評価が人によって相当分かれているそうです。 ある人が【芸術作品】を映画にしたものだ! と云う人がおりまして、まさしくその通りだと思いました。 人によって捉え方が全然変わると思うし、観た人何人か集めて、感想会も面白いかもしれない。 また、これまでのジブリとは別物という氣がしました。 宮崎駿監督の苗字も変わっているらしく、きっと意味があるのだと思いますね! 分からない人でも創造力は高まる氣がします。 っというよりか、宮崎駿監督ご自身も分からないって云っているので

何もかもうまくいかない1日を送った俺と君たちは、どう生きるか。

朝起きた瞬間に異変に気付いた。 体と心がうまく働いていない。 村上春樹風に言うなら、「頭の中にレタスが詰まった感じ」。ミスチル風に言うなら、「うまく心が開けないんだ。ぎこちなくて。」 ぼうっとした頭で、ルーティンのバナナとヨーグルトを流し込み、死んだ目でyoutubeを流し見し、朝の割には、うだるような暑さに辟易しながら一歩踏み出した。 俺の愛車(チャリ)の異変に気付いた。 ・・・前輪パンクしてやがる。 最悪の気分で、自転車屋まで自転車を押した。帰りにそのまま修理

地球儀を回すように

 この前は、とりあえず映画を観た後に思ったことを書いた。少し時間が経った後に、また考えるようになった。本当に根も葉もない面白くない映画ならこうはならないし、忘れ去られてしまうだろう。そこに、ジブリが創り上げてきた、宮崎駿さんの力があるんだと思う。  分かりにくいとされる物語(ストーリー)の構造について。大枠はシンプルで、亡き母を忘れられない少年と新たな母(母の妹)、そして腹違いで生まれる兄弟、分かってくれない父。つまりは個人を取り巻く家、家族の諸問題を昇華して解決に向かい、

映画『君たちはどう生きるか』は、わたしだけのために作られたっぽくね?

閃きに近い感覚で良い予感がしたから、『君たちはどう生きるか』をふらっと観てきた。仕事帰り、一杯のつもりで飲み屋に行くようなフランクさで席に座ったが、ムズくて、なかなか手強かったな。でも、かなり興味深かった。難解だったし、だからこそ何回も観たいと、久しぶりに思える作品だった。一人で観て良かったな~。帰りの車の中で、脳内会議を行なって、感想を箇条書きにして、ざっくり洗い出せたから。でも、友だちと行っても良かったかもしれない。みんなであーだこーだ言って、そうだよねって共感したり、そ

君たちはどう生きるか(著:吉野源三郎) 読書感想文

……あれ?読んだら素直に感動できたぞ!? 大学の恩師から再読を勧められ、えーあんなつまらない小説をまた読むの?と最初は正直イヤイヤだったが、まず文庫の最後に所収されている丸山眞男の〈『君たちはどう生きるか』をめぐる回想〉を読んでみろと言われ、読んでみるとなんとまあ感動的な吉野源三郎への弔辞になっており、『君たちはどう生きるか』を読むにあたってのポイントを見事に抑えた名文であった。これで記憶の中ではただの説教くさいつまらない小説だったこの本を読みたくなる強い興味を得た。 ちな

感性の瑞々しさについて考える

82歳の宮崎駿監督が作ったハッとさせられるアニメ映画「君たちはどう生きるか」の観客動員数が約361万人を記録 71歳のさくまあきら先生の桃鉄~昭和 平成 令和も定番!~が累計出荷本数400万本を記録、今も新作を制作中 70歳の Craig Newmark (Craigslistの創業者)は10億ドル近くある自己資産のほぼ全てを慈善事業(退役軍人サポートや、対Fake news関係の慈善団体)に寄付する意向を表明して忙しく活動中 61歳のトムクルーズがこれまで観た映画の中

『君生き』〜眞人は母を愛していなかった!?〜 (無修正ver.)

『君たちはどう生きるか』を巡る様々な言説、「炎に巻かれて焼け死んだ母を助けられなかった息子(主人公)のトラウマ」が当然のように前提されてるけど、あまりにも注意力と慎重さが足りないのではないか? 意味論的な解釈に進む手前で映像を虚心に読む限り、これらはけっして自明の要素とは言えない。 そもそも「トラウマとはなにか」「人が病む/治るとはどういうことか」など、一度でも真剣に考えたことがあるのだろうか? 批評うんぬん以前に、人間としての軽薄さ・軽はずみさが他人事ながら心配に思われてく

「君たちはどう生きるか」を考える

今思えば、宮「崎」駿が、宮「﨑」駿に表記変更された事実は、この作品のテーマを見事に暗示していたのだろう。 宮﨑駿の事実上最後の作品とされる「君たちはどう生きるか」は度重なる「引退宣言」の果てに、本気で彼が「長編映画制作」を自分のアニメーション人生を総決算することで「終わらせる」ことに決めたのだろう。(ただし、これまでも宮崎は、これで終わりと言いながら、「(構想が)降りてくるときは降りてくる」と言いながら都度引退を撤回してきたのも事実である。よってこれが最後だとは誰も言い切れ

【吉田の火祭り】『君たちはどう生きるか』ヒミのモデルはコノハナサクヤヒメ?

恥ずかしながら、日本三大奇祭の存在を初めて知った。諏訪の御柱祭、秋田のなまはげ紫灯まつりに、今回行った「吉田の火祭り」。 私はどうも「吉田火祭りとは重要無形文化財で、江戸時代には云々」みたいな概要の説明から入りたくなってしまう性分なのだが、今回は思い切ってそこはすっ飛ばし、個人の感想として祭りの魅力を伝えたいと思う。 『君たちはどう生きるか』に触れるのは記事の最後にした。今回のメインはあくまで祭りである。 吉田の火祭り さて、「吉田の火祭り」は富士山のふもと、富士吉田

それぞれの感受性で。

7月に「君たちはどう生きるか」を映画館で見ました。ネタバレや分析をせずにただ感じたことだけ書いてみます。(ですが、これから見る予定の方はあえて読まなくていい気がします!書いておいてなんですが!笑) 🔥🔥🔥 なんの前情報もなく映画館に行き、上映中は駆け抜けて、観終わった時には放心。そんな感じだった。 いくつかのシーンとセリフが強く残って、本編が終わって主題歌が流れた時に、歌詞の一節が心に刺さって、涙が止まらなくなったり、した。 細かな点は全く理解が追いつかない。でもその分

「君たちはどう生きるか」前提知識ゼロ考察

 遅れ馳せながら「君たちはどう生きるか」を鑑賞してきた。前評判は絶賛と非難の二極化と聞いており、すでに観てきた友人たちも言を左右にしてのらりくらりと感想を避けたがるので、正直なところ不安な気持ちでスクリーンに臨んだ。  私個人としては大変面白く鑑賞できた。一方で酷評する気持ちもよくわかった。この点については以下詳しく考察していきたい。 ネタバレ注意 当然のことながら、ここから先は「君たちはどう生きるか」本編のネタバレが全般的に含まれている。まだ鑑賞していない方はここで引き返

ジブリ「君たちはどう生きるか」について

最初に、この作品を見て即座に完璧には解釈できないと感じた。 僕の生きる人生の中にまだわからないことがあると与えてくれたことによって、未知な自分自身の余地を考えさせてくれる提案の1つに出会えて本当に良かったと思う。 冒頭のぬるぬる動くアニメーション。 ジブリはぬるぬる動くには動くのはわかっていたけど、え!こんなにぬるぬる動くことある?と思うぐらい人間がまるで軟体生物になったかのように異常にぬるぬるだった。 冒頭実際にああいう状況に至った時に、気持ちが先に動いた時にぬるぬる動き

君たちはどう生きるか

君たちはどう生きるか 観てきました。 ジブリ大好きにんげんとしてはまず 『最高』の感想です。 好きなものやひとはただひたすらに好きになっていく私なので自分からいろんな表現方法に答えを見つけていくというか。 答えがないのもおもろ!って感じで。 とにかく宮崎駿の見ている世界、感じている世界が詰め込まれた作品なのではないかと私的には思いました。(たぶんそうであってほしい私のエゴも若干入るけど)