思考の浮力

思考の地下室に潜り込み、静かに蓋を開ける。そこには何が存在するのだろうか。

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「もののけ姫」を読み解く

世の中は理不尽に溢れている。 自然災害や事件・事故。家庭や学校が崩壊し、テロや戦争が勃発する。こうして世界は緩やかに破滅への道を歩んでいるのだろうか。 人として生まれ、この混沌とした世界で生き抜いていくことは、早計サバイバルの様相を呈しているが… 「それでも生きていくべきだ。いや、この世は生きていく価値があるにちがいない」 「もののけ姫」で提示された「生きろ」というコピーが、今になって胸に迫ってくる。 物語の舞台は室町時代。 宮崎駿によると、太古の時代から人は争い

    • 「君たちはどう生きるか」を考える

      今思えば、宮「崎」駿が、宮「﨑」駿に表記変更された事実は、この作品のテーマを見事に暗示していたのだろう。 宮﨑駿の事実上最後の作品とされる「君たちはどう生きるか」は度重なる「引退宣言」の果てに、本気で彼が「長編映画制作」を自分のアニメーション人生を総決算することで「終わらせる」ことに決めたのだろう。(ただし、これまでも宮崎は、これで終わりと言いながら、「(構想が)降りてくるときは降りてくる」と言いながら都度引退を撤回してきたのも事実である。よってこれが最後だとは誰も言い切れ

    「もののけ姫」を読み解く