北 祐樹 / Gaia Vision代表

株式会社Gaia Vision 代表取締役社長。東京大学生産技術研究所 特任研究員。環境学博士(テーマ:爆弾低気圧と波浪・海洋の相互作用)。 専門分野は、波浪 / 爆弾低気圧 / 海洋混合層 / 河川洪水あたり。テニスが好きです。

北 祐樹 / Gaia Vision代表

株式会社Gaia Vision 代表取締役社長。東京大学生産技術研究所 特任研究員。環境学博士(テーマ:爆弾低気圧と波浪・海洋の相互作用)。 専門分野は、波浪 / 爆弾低気圧 / 海洋混合層 / 河川洪水あたり。テニスが好きです。

    マガジン

    • ベンチャーシード期に役立つ資料

    • 【和訳・抜粋】IPCC第6次評価報告書テクニカルサマリー

      気候変動に関する政府間パネル(IPCC)が2022年2月28日に第6次評価報告書(AR6)WG2報告書「影響・適応・脆弱性」を公表しました。 WG2のテクニカルサマリーの中から、各章・各節の太字になっている部分だけを抜粋して和訳しました(基本的に最初の一文だけ)。皆さんの理解の助けになれば幸いです。 (あくまで非公式の解説としてお読みいただき、正確な内容は英文の報告書本体を参照して下さい)

    • 持続可能エネルギー戦略

      日本にとって持続可能なエネルギー源・使い方は何なのか、様々な観点から考察します。

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    「株式会社Gaia Vision」を設立しました

    この9月、株式会社Gaia Visionを設立し、私 北祐樹が代表取締役に就任しました。東京大学発、気候科学を専門とする、日本初のベンチャー企業です。「地球と社会を科学で見通し、人の持続可能な幸せを実現する」ために、これから邁進していきます。 気象・海洋の研究を続けていた自分が起業するという決断をした理由は、自分の目標の実現のためには、起業が最適な手段だったからです。自分が小学生の頃から目指し続けてきた目標は、「環境問題を解決すること」です。変な小学生でしたが、なぜそんな事

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      • 【和訳・抜粋】IPCC第6次評価報告書第2作業部会のテクニカルサマリー:Eセクション

        前回記事からの続きとして、この記事では最後のEセクション「気候変動に強い開発(Climate Resilient Development)」を紹介します。 注意事項:この記事はあくまで非公式の解説としてお読みいただき、正確な内容は英文の報告書本体を参照して下さい。 Eセクション「気候変動に強い開発」TS.E.1 気候変動に強い開発は、持続可能な開発を支援するために、温室効果ガスの緩和と適応の選択肢を実行する。温暖化が加速し、1.5℃以上の温暖化で連鎖的な影響と複合的なリス

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        • 【和訳・抜粋】IPCC第6次評価報告書第2作業部会のテクニカルサマリー:Dセクション

          前回記事からの続きとして、この記事ではDセクション「適応策の解決への寄与(Contribution of Adaptation to Solutions)」を紹介します。 注意事項:この記事はあくまで非公式の解説としてお読みいただき、正確な内容は英文の報告書本体を参照して下さい。 TS.D: 適応策の解決への寄与Introduction このセクションでは、気候変動への適応を取り上げ、それに関する我々の知識がAR5以降どのように進歩したかを説明する。まず、適応の全体的な進

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          • 【和訳・抜粋】IPCC第6次評価報告書第2作業部会のテクニカルサマリー:Cセクション

            前回記事からの続きとして、この記事ではCセクション「予測される影響とリスク(Projected Impacts and Risks)」を紹介します。 注意事項:この記事はあくまで非公式の解説としてお読みいただき、正確な内容は英文の報告書本体を参照して下さい。 Cセクション「予測される影響とリスク」Introduction このセクションでは、気候変動の程度が異なる場合の将来の影響とリスクを特定する。その結果、地域とセクターを横断して130以上の主要なリスクが発見された。こ

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            【和訳・抜粋】IPCC第6次評価報告書第2作業部会のテクニカルサマリー:A~Bセクション

            気候変動に関する政府間パネル(IPCC)が2月28日に第6次評価報告書(AR6)WG2報告書「影響・適応・脆弱性」を公表しました。政策決定者向け要約(SPM)は環境省などから和訳・説明が即日出されており、メディア各社も発表すぐ報道をしました。 一方で、報道されているのはSPMの内容がほとんどで、IPCCから公表されたのは4000ページ近くの報告書本体やAnnex、テクニカルサマリーなどがあります。270人の著者が34,000以上の文献を引用し、62,000件以上の査読コメン

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            地域から見た気候変動と、次の社会に向けた小さな行動

            先週末、和歌山県那智勝浦町の色川という村に行ってきました。大学の先輩(Tさん)がそこで農業を営んでおり、気候変動の影響を聞くため、という名目で行ってきましたが、半分は遊びです。色川の中でも、口色川という集落にあるTさんのご自宅に2晩泊めて頂き、そこで多くの体験をしてきました。 那智勝浦町は、和歌山県の東側に位置しています。自分の生まれは和歌山県和歌山市ですが、和歌山市側からはこの那智勝浦はとても遠く、海岸線沿いのローカル鉄道で3時間半ほどかかります。この町には那智の滝という

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            科学は気候変動に揺れる社会に解答を示せるのか?

            プリンストン大学の真鍋淑郎先生が、2021年のノーベル物理学賞を受賞されました。本当におめでとうございます!気候科学の分野では初めての受賞で、気象・海洋学分野を研究していた自分の周りの研究者も歓喜しています。僭越ながら、眞鍋先生と、同時に物理学賞を受賞したKlaus Hasselmann博士の研究を簡単にご紹介します。 1967年に眞鍋先生が発表された論文は、「Thermal Equilibrium of the Atmosphere with a Given Distri

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            データで見る気候変動 〜行動に結びつけるための理解〜

            最近いくつか、気候変動のデータを可視化するツールや図を作成した。Twitterで思っていたより多くの反響を頂いたので、可視化することの影響力はとても大きいと実感している。 このWebGISは、日本の最近40年の気候(気温や降水量)のデータをインタラクティブに可視化できるツールだ。観測値とシミュレーションデータを両方用意したのは、それぞれ以下のような特徴があって表現できる内容が異なるからだ。 観測:精度が高いが観測できないところはわからない。 シミュレーション:精度が落ちる

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            研究と社会の橋渡し ~気候変動へのより良い選択のために~

            僕は小さい頃から科学者になりたくて勉強して、大学に来て無事に博士号を取ったわけだが、今は研究者だけを続けようと思っていない。研究は続けたいが、研究成果を活かして社会を良くしていきたいという思いが強くなったからだ。 元々気象の研究をしようと思った理由は、研究することで自然災害から社会や自然を守ることができると思ったからだ。気候変動が地球規模の課題になって数十年、気温は上がり極端な現象は増え、社会や自然は傷ついていく。現象を理解して正しい対処を行えば、被害を未然に防げると考え、

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            気候変動による痛みを誰が負うのか?

            日本各地で、世界各地で様々な気象災害が猛威を奮っている。アメリカ・カナダ西部における50℃を超える猛暑、東海・関東地方における豪雨による洪水・土砂災害、ドイツ西部における豪雨による洪水・・・ この1ヶ月で発生した気象災害を挙げただけでも、被害者は数百人に上る。数十年前から地球温暖化が様々な気象災害を激甚化させることは危惧されていたが、まさにそのとおりの世界が出来上がりつつある。温室効果ガスを減らそうと様々な工夫がされてきたが、生半可な工夫では全く効果がなく、世界の温室効果ガ

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            気候変動により、人が傷つかない世界へ 〜29歳になりました〜

            6月17日、29回目の誕生日を迎えることとなりました。 これまで自分は何を目指し、何になりたいのかわからなかった。なんとなく、やりたいことをやりたいように、でも何がやりたいのかいまいちわからないまま前に進んできた。 それが少しずつ、形を持ち始めてきた。それと同時に、何がやりたいのかわからなかった自分はその環境の中で生きようと最適解を探し続け、自分を知らず知らずのうちに偽って、やりたいことをやっているのだと言い聞かせ、無理やり納得させていた。 現実ばかり見ていてはだめだ。

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            防災・減災の新時代と気候変動

            豪雨や台風、地震や火山噴火など、ほぼすべての自然災害の可能性を持つ災害大国日本において、どのような防砂・減災、そして国土強靭化を進めていくかについて、内閣府から「防災・減災、国土強靱化新時代の実現のための提言」が5月25日に発表された。 気候変動に取り組む自分が興味を惹かれた部分と、提言を読んで考えたことを書いてみることにした。 地下構造物を含む都市空間のデジタルツインとシミュレータを構築し、 現在・未来の被災状況を推定・可視化する。 真に深刻な災害の多くは現実的に待

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            気候変動と経済学 〜研究と社会のダイナミズム〜

            ウィリアム・ノードハウス教授の著書「気候カジノ」を読んだ。 イェール大学のノードハウス氏は、気候変動と経済学を統合モデルを確立し、2018年にノーベル経済学賞を受賞した。気候変動への企業や金融機関の関心が高まっている今、気候変動と現実社会が生きていくための考え方を知りたいと思い、この本を読むことに至った。 ノードハウス氏らが研究開発した統合評価モデルは、気候モデルと経済モデルを統合して計算できるコンピュータシミュレーションのプログラムコードだ。気候モデルは、大気や海洋の物

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            「気候リスク」という新たな概念とルール

            「気候リスク(Climate Risk)」という新しい概念が生まれ、世界でルール整備が進んでいる。言うまでもなく、地球温暖化および気候変動の重大さの理解が、研究界だけでなく政治やビジネスの分野で進み、気候変動に対応するための共通概念として作られたものだ。 「気候リスク」は、「物理リスク」と「移行リスク」に分けられる(場合によっては、賠償責任リスク、というのもある)。そして、ネガティブなものとポジティブなものに分けられる。ポジティブなものは「機会」と呼べるが、ここではまとめて

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            気候と共に変化する社会のあり方

            気候変動に対する社会からの関心が徐々に高まっている。ニュースの中で気候や二酸化炭素について触れられない日は、もはや見つけることが難しい。様々なセクターが気候変動に対応することを宣言するのはとても良いことだが、実態としてどれほどの部分が変化することが必要だろうか。 ビル・ゲイツが2月に出版した「How to Avoid a Climate Disaster」を今読んでいるところだが、その中では二酸化炭素を始めとする温室効果ガスを本当に削減するために、どれほど多くの変化が必要か

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            「人の生きる姿」を見せてくれたシン・エヴァンゲリオン劇場版

            「シン・エヴァンゲリオン劇場版」を見てきた。 ***ネタバレを含みますので、ご注意下さい。*** いろんな感想がネット上にはあるが、ずっと自然や環境を対象に研究をしてきた性なのか、自然なものに心惹かれてしまう。前半に描写されていた、第三村でのシンジたちの生活の様子は、まるで今の人類の未来の一つの可能性を描いているようで印象的だった。人の業によって世界中が荒廃し、人類の住める地域はわずか。まるでナウシカの世界を見ているようだ。昭和を思い起こさせるような農業を中心にしたライフ

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