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『気まぐれディスカバリー』半農半Xのショートエッセイ集

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東京・石川で多拠点勤務するデザイナーのちょっぴり早いスローライフ。複業のゲストハウス経営。地方コミュニティとの向き合い方。一口サイズのサバイバルナレッジ。 普段は忙しくて目にと… もっと読む
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2020年7月の記事一覧

夏のウマズラハギは肝がなくても身が旨い

夏のウマズラハギは肝がなくても身が旨い

なんだかんだこの2ヶ月ちょっとでたくさんの魚を自ら仕入れて料理してきましたが、個人的な味の好みでいうとカワハギが好きです。

カワハギというと、どこぞの中華料理バトル漫画でも有名なフォアグラに劣らない美味しい肝を持つ魚ですが、夏のカワハギは肝が痩せていることが多いので当たり外れがあります。夏のカワハギは肝が痩せてる代わりに身が美味しくなるので狙い目です。

皮が簡単に剥げるウマズラハギ(Thamn

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濃厚でクリーミーな毛ガニの味噌を食す

濃厚でクリーミーな毛ガニの味噌を食す

毛ガニなんて小さい頃に北海道にいった以来食べたことがなかったのですが、水産の生簀にたくさん蠢いていたので一目惚れして購入しました。

前回調理したワタリガニと同様で童心くすぐる造形をしています。大きいものは¥4000以上しますが小さいものは¥800とお手頃な価格で手に入りることがわかりました。橋立漁港のマルヤ水産さんいつもありがとうございます。

剛毛マッチョなケガニケガニ(Erimacrus i

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謎のプルプルした深海魚ノロゲンゲを捌く

謎のプルプルした深海魚ノロゲンゲを捌く

見た目にインパクトのあるゼラチン質に覆われた謎の魚を仕入れました。

その名を「ノロゲンゲ」。メイド・イン・アビスとかにでてきそうなファンタジー生物に見えますが、石川県ではそこそこ知名度のある魚です。

聞いただけで状態異常になりそうな名前の魚ですが調理次第ではそこそこ旨いので今日はこいつを研究します。

怪しげな名前
ノロゲンゲ(Bothrocara hollandi)はスズキ目ゲンゲ科に属する

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価格は手頃で味は高級なブリの幼魚 フクラギを捌く

価格は手頃で味は高級なブリの幼魚 フクラギを捌く

皆さんはフクラギという魚を知っていますか? 北陸三県ではこのサイズのブリの幼魚のことをフクラギと呼びます。ブリの成長過程の魚の名称は全国各地で異なるので知らない方も多いかもしれませんね。

出世魚の代表格であるブリですが脂のり方が違うので、同じ魚でも全く味が異なると言われています。

北陸はマグロのような赤身魚よりブリを縁起物として食す機会が多いので今回はこのフクラギを生態を捌きたいと思います。

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鱗まで食べられるらしい甘鯛を捌く

鱗まで食べられるらしい甘鯛を捌く

この時期(7月)以前からマルヤ水産さんに激推しされている甘鯛の紹介です。

料理のバリエーションは様々ですが甘鯛は料亭でも取り扱いが多く脂の乗った魚が多く仕入れられるため北陸では甘鯛の評価がすごく高いようです。

甘鯛と真鯛で同じ「鯛」でもかなり面構えが違うようですが、一体どんな魚なんでしょう。

配色豊かな魚アカアマダイ(Branchiostegus japonicus)はスズキ目キツネアマダイ

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メジマグロの美味しい部分だけで豪遊する

メジマグロの美味しい部分だけで豪遊する

運命のめぐり合わせか、奇跡的に定置網でメジマグロがかかったそうで、水産で特別に良い部位をおろしてもらいました!一匹まるごとだと消費しきれないので頭やカマの部分と脂の乗ったトロの部分の塊です。

寿司屋でもなかなかトロを食べる機会なんてなかったので改めてマグロの調理にチャレンジしたいと思います。

大人になれば本マグロ
メジマグロ(Thunnus orientalis)スズキ目サバ科に分類されるクロ

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南国の雰囲気が漂う シイラを豪快に捌く

南国の雰囲気が漂う シイラを豪快に捌く

こんな図鑑でしか見たことない魚を捌く日が来るとは思いませんでした... 。とは言えどこかで最近見たことあるな、と思ったら「あつまれどうぶつの森」で釣ってましたね。

興味本位でいつもの加賀市橋立漁港のマルヤ水産さんで、「面白い魚いたら仕入れよろしく!」とお伝えしたら秒速で実現してしまいましたよ。この魚はシイラです。

実は怖い名前の由来シイラ(Coryphaena hippurus)は、スズキ目シ

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北陸の名物ノドグロを捌く

北陸の名物ノドグロを捌く

誰が呼んだか金沢名物ノドグロ、北陸3県を中心に日本海側の特産物として有名ですが。僕の小さい頃は全く知名度がなかった魚です。

誰もが知るテニスプレイヤーの錦織選手の発言をキッカケにブームに日がついたとも聞きますが実際のところ地物の高級魚を販促する流れは当時のメディアに散見されましたね。御託はいいからうまいものはうまい!それでいいですね。

喉どころか腹まで黒い正式名称はアカムツ(Doederlei

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立身出世を願って スズキを捌く

立身出世を願って スズキを捌く

僕の住んでるところではスズキは出世魚で、名前の由来からも大変縁起の良い魚です。石川県は霊峰白山から流れる清水が海にかけて流れていくので沿岸部ではスズキ釣りも盛んにおこなわれています。

子供のころは親戚のおじさんがよく釣り上げたスズキをお土産に届けてくれた思い出の魚です。今回はこいつを刺盛りにします。

清らかでタフな出世魚スズキ(Lateolabrax japonicus) は、スズキ目に属する

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ミズタコを調理したら よくマンガでみるような姿焼きになった

ミズタコを調理したら よくマンガでみるような姿焼きになった

今回は出オチですがタコ焼きを作ろうとしてミズタコを一杯まるごと買ったものの、UXデザイン系の業務が忙しすぎて調理機会を逃し消費期限ギリギリになってしまいました。

そんな鮮度ギリギリのミズタコに調理は初チャレンジでざわつきますが、勇気を振り絞ってやって参る。

世界最大のタコミズタコ(Enteroctopus dofleini)はマダコ科に属するタコの一種で、実は世界最大のタコです。ミズダコの名は

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キレイなしましま クルマエビの丸焼き

キレイなしましま クルマエビの丸焼き

前回は甘エビことホッコクアカエビを紹介しましたが、石川県で美味しい海老といえばクルマエビも負けていません。石川県では通称ハルエビと呼ばれる本種は、刺し身にしてもフライにしてもとっても美味しいエビです。

生息環境の変化などで天然物の数が減り、養殖物が当たり前のようになっていますが、養殖ににかかるコスト自体がとても高く、活けで出荷され養殖物であっても天然物と大差がなく高級食材として扱われています。

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"あつ森"に登場したムシを見つけにいく Part1

"あつ森"に登場したムシを見つけにいく Part1

人間とふれあうコトが難しいご時世なので、「いっそのこと昆虫でいいんじゃね?」と思い立ち、北陸出身の昆虫マニアのメッカである「石川県ふれあい昆虫館」にいってきました。

タイトルの通り「あつまれどうぶつの森」に登場する80種類のムシを順番に見つけるチャレンジです。今回はひとまず野生で見つけにくい生きているヤツ縛りです。

石川県ふれあい昆虫館とは
ふれあい昆虫館は世界の珍しい昆虫の標本や、生きている

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荒ぶるワタリガニをトマトパスタにする

荒ぶるワタリガニをトマトパスタにする

今日は黒崎BASEで学生アルバイトのオリエンテーションをおこなっていました。どうせなら買い出しも一緒に行こうと思い、マルヤ水産に直行。

すると安全のためとは言え、コメントに困る縛られ方をしたワタリガニに出会いました。

先カニ代表ガザミ(Portunus trituberculatus)は、エビ目・カニ下目・ワタリガニ科に分類されるカニ。食用として代表的なカニで一般的には「ワタリガニ」とも称され

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