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自分史上最高ソロキャンプのはじまり

もう慣れたもんである。
2020年の夏に雷鳥沢でソロキャンプデビューをしてから2年。
ソロキャンプは12回目らしい。
今、自分のnoteで確認をした。


そして、いつもの琵琶湖のほとりでのキャンプはもう5回目になる。
これも今確認した。
5回目なので、乗り換え案内アプリを使わずとも電車を乗り換えられるようになった。

RRRとゲバラ


琵琶湖のいつもの場所は予約しなくてもキャンプできるから、気楽に荷造りをして、本とタブレットを持って(もちろん新しい相棒のカメラGRも持って)滋賀県へ電車で向かう。
メルカリで安くで手に入れた本は、「きみはだれかのどうでもいい人」。
この本は、だいふくだるまさんが大阪を旅していた時に読まれていた本で、ひねくれ者の私が自戒も含めていつも思っている言葉がタイトルになってるなぁと思って気になっていた本である。
それを電車と琵琶湖のほとりで読もうと決めて持ってきたのだが、ブックカバーは、インド映画「RRR」のチラシを折って作った。
本の内容と全く違う世界観のカバーでそのギャップが気に入っている。
最近はめっきり電子書籍ばかりだが、時々買う古本やメルカリ経由の本は、映画館でもらってくるチラシをブックカバーにするのが、自分の中でのお気に入り。
気に入った映画だからと言ってブックカバーに合うとも限らないし、センスの良いチラシだからと言ってブックカバーとして優れたデザインだとは限らないことを学び、楽しんでいる。
自分のお気に入りが、持ち物の中にいくつも混ざっていると、心が弾む。
マグカップに貼られたゲバラもきっと弾んでいるはずである。



そして、降りた駅で自転車を借りて、琵琶湖に向けて40分ほどの道のりを自転車を漕いで出発。今回からは、初の「スマート駅リン」という、アプリで自転車を借りてアプリで鍵をかけてアプリでお金を引き落とすというスマートな仕組みに変わった。
スマートなことが好きなタイプだが、レンタサイクルのおじさんに、申し込み用紙を書いて渡したり小銭を払う必要がなくなったのは、ちょっと寂しい。

秋の田んぼの隙間を走るびわこ通りを、大きなバックパックを担いで自転車を漕いで琵琶湖へと進む。世界多分一周旅のために新調した二代目チャチャがかなりいい感じに背中にくっついてくれるので、さほど重さは感じない。
なかなかいいな、二代目チャチャ。

本日は12kgあるチャチャと会話しながら琵琶湖へと進んだ。
今回は一番荷物が少ないし軽い方である。修行を積んだ結果が身になってきている実感を、背中で感じた。
お気に入りの顔の柄のレジャーシートがベランダから飛んでいってしまい、仕方なく買って本日デビューのブルーのストライプのシート。


悪くないしおしゃれだが、華やかさに欠けるし、がちゃがちゃした世界観に欠ける。
自分が、がちゃがちゃした世界観を実は結構好んでいたことをこの時に知った。

ソロキャンプも12回目となれば、設営も手慣れたもので、ものの10分でほぼ完成したのだが、前々回のソロキャンプにて、暴風でテントが宙に舞った事件がここで起きていたこともあり、念入りに全てのペクをしっかりと斜めに打ち込み、ロープも引っ張って丁寧にテントを張った。
それでも15分くらいで終了。
なかなか腕を上げてきている自分に感心した。

さてさて。
いつもはここでいったんゴロンとなるのだが、その前に、米1合に水200ccを浸けたり、前室でちょっとした調理場作りを先にしておく。
ミニテーブルにポン子さんのふきんを敷く。

最初はこのテーブルにピッタリのサイズだったのに洗濯を繰り返し、随分縮んでしまった紫色と水色のおしゃれふきん。端が寸足らずなのもご愛嬌。
100均で買ったキキララのプチサイズのジッパー袋に色々と小分けして持ってきている自分の几帳面さにうっとりしながら、組み立てた椅子に座って「きみはだれかのどうでもいい人」の続きを読んでいたら、いい歳した大人の女性(と言っても20代)がキキララグッズを持つことがかなり意味ありげな物語のキーとなるアイテムとしてストーリーに出てきて驚いた。
キャラクターものが嫌いで、そういうファンシーグッズの一切を持たないで私は生きてきているが、私にとってのキキララがゲバラだったりこのカラフルなふきんだったりする訳で(まあゲバラもキャラクターではあるが)、そう思うとなんだか逆に、サイズだけで仕方なく選んで買ったキキララのプチ袋にも愛着が出てきたりもした。薄紫もなかなかおしゃれだし。
この小説はなかなか興味深くて入り込んでしまう。自分に重なるところも多い。


しかし、読み進めていくうちに胸が痛くなってきたので中断して、そろそろ米を炊くことにした。
米を炊きながら、玉ねぎやウィンナーを軽く炒めてステーキの添え物の準備をした。
今回は同時進行で夕食までも作ってしまう作戦で、家から切ってきた野菜を大きい方のメスティンに入れて下茹でを済ませることにした。具が多すぎたので半分はタッパーに入れて明日の朝食用にして保冷バッグにしまった。

全てが滑らかに、段取り良く進む。
米も炊き上がり、蒸らしタイムの間にステーキを焼いた。


私は段取りが良い一方で、大きさや量の感覚がバグを起こしているらしく、今回もはみ出し系の牛肉を選んでしまい焼くのに苦労し、最終的に折り畳んで焼いた。
本当は緑の野菜を買えばいいことは分かっているが、セブンイレブンで買ったカボチャサラダをチョイス。カボチャの皮は緑だし、ハロウィンシーズンだから許すことにした。
全てを添えたopinelのウッドプレートにステーキをカットしてドン。
炊き上がった1合のごはんをメスティンのままワイルドにいただいちゃうもんね。
ステーキソースは玉ねぎだけに絡めてもう一度炒め直し、ステーキはタケルのにんにく旨塩の味付けのみで勝負。
私のこれまでのソロキャンプで培った経験と知識、勘を頼りに、自分史上最高のキャンプ飯が出来上がった。まあ焼いただけではあるが、それでも。
また、出来上がりだけでなく、それまでの流れも完璧だった。一人キッチンスタジアムin琵琶湖であった。
汁物を省略したのも、米と肉に集中するための策。ウィンナーがいつものようにジョンソンヴィルじゃないことだけがマイナスポイントだが、シンプルなアルトバイエルンが欲しい日もある。ケチャップを忘れたが、ステーキソースのおこぼれで事足りた。
ささっと写真を撮り、いただきます開始。
今回は霜降りステーキではなく赤身の食べ応えのあるステーキにしたが、それが大正解だった。米の進むこと進むこと。肉が終わってからのごはんは、小分けで持ってきていた例の昔の職場の先輩の高知土産の磯のりをたっぷりつけて食べたので、一人分1合でちょうど良かった。
量もパーフェクト。
私は完全にソロキャンパーとしてのステージが上がったことを確信した。

(これはiPhone)

段取りが良いと、私は異様に自己肯定感が上がる。
無駄な時間を短縮できたおかげで、ただ無駄に過ごす時間を作れるから。
私の中では、この文章に矛盾はない。
旅のスタイルもこれで定着してきている。
万が一、準備した段取りがうまくいかない時はそれはそれで、その工程や回り道を楽しむから、結局のところ成功しかないのだけど。

しゃもじについた米粒をゆっくり一粒ずつ全部食べちゃいながら見る琵琶湖と沈みゆく夕日。
こんな贅沢な時間を私は他に知らない。
空の色の移り変わりに見惚れながら、時々GRで撮影しつつ、本の続きを読んだり、タブレットで見ようと思って楽しみにしていたけど結局つまらなかった映画を見たりした。
ゆっくり、ひたすらのんびりと無駄に過ごした。

(これはiPhone)

夜になり寒くなってくる直前にメリノウールのタイツとインナーを着込んでダウンを羽織る。まんまとその後に冷え込み始めて、夜に勝った気がした。

何故だかなんとなく、今回のソロキャンプがこれまでの集大成のような感覚がある。
長旅に出るので、おそらくこれが2022年の日本でのソロキャンプ納めとなる。
しばらくは琵琶湖にも来られないから、ゆっくり堪能したい。

そして、寒い夜に食べる熱々の夕食タイムへ。
ディナーは、スペインのアンダルシアからやってきた素敵なお方から、夏に彦根で頂いた物の出番である。

プチェロって何?は次回!

さて、夜ごはんはどうなることやら。
楽しみでしかない。
続く…


(黒のメスティンはかっこいいからお気に入り)


以下は琵琶湖ソロキャンプの思い出↓

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