犯罪者の家族になるということ

犯罪者の家族になるということ

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刑事事件と住宅ローン

まさかこんなことになるなんて思いもしなかったから結婚してすぐに元夫名義で住宅ローンを組んでいた 私の父が連帯債務者になっていた 父は「元夫がローンを完済できるのか!?」としきりに言う お金のことは信用できる人だと思ってきたから 「大丈夫」 と父に言う ストレスフルなタイミングで言うんじゃないよ と今の私が客観的に父を見ている立場なら、父にそう伝える でも、つらいときに塩を塗るようなことを言うのがうちの親 迷惑をかけているから元夫にもそのことはきちんと話した

    • 離婚する?許す?

      判決後、日常を取り戻すべく元夫も私も求職活動 息子の保育園も決めなければ 自分の人生を今後どうしていくのか?と向き合うタイミングが来た 元夫の家族が私たちにかけた迷惑のお詫びに来るのか? その状況も私が自分のその先の人生を決める大きな要因だった でも、肝は「元夫と家族に戻れるか?」 一番好きな人と結婚して幸せだと思い、日々に感謝してきた それが、なんかおかしいな・・・と思いながらも日常を自分なりに大事にする元夫を信じてきた 家族になるって、親になるってこんなこ

      • お義父さんとのご縁が終わった日

        生命維持装置につながれ、生きながらえていたお義父さん 2か月弱その状態が続き、お別れの日が来た 亡くなった という連絡がきて、火葬は私たちも行こうと思えば行ける場所を選んでくれていた 久しぶりに会えたお義父さん 2人で一緒にご飯を食べに行ったこと 片手にお義父さん、片手は娘と手をつなぎ、電車に乗ってデパートに行ったこと 楽しくおしゃべりをたくさんしたこと 一緒に病院に行ったこと 私はただただお義父さんが大好きだった 離婚後すぐに息を引き取ったお義父さん

        • 義父のお見舞い

          判決が出るまでの間に介護施設に入居していた義父の容体が悪くなった。 意識不明で総合病院に運ばれた。 お見舞いに一人で行った 逮捕されるまでは週に1回は子供たちと義父のところに遊びに行っていた。 義父が大好きだった。 意思疎通が出来ていた時に 「生命維持のための装置はつけていらんよー、苦しいのは嫌だから」 と言っていた。 お見舞いに行ったとき、義父は生命維持装置をつけられていた。 すぐに看護師さんに聞いた。 「お義父さんはつらくないんですか?」 意識はない

          謝罪

          元夫が元の生活に戻り、私と子供たちは引っ越し先の生活になじもうとしていた。 私としては、親に迷惑をかけたので元夫の家族には親に頭を下げてもらいたかった。 父は自分が勝手にやったことだから と謝罪がなくても構わない、と言っていた。 もし、自分が元夫自身もしくはその家族だとしたら、迷惑をかけた嫁及び嫁の実家に謝罪に行かせてもらいたい!! とすぐに申し出ずにはいられなかったと思う。 今となっては謝罪があったかどうかはどうでもいいけれど、当時の自分にとっては、元夫と離婚す

          拘留されている人は判決後どうなる?

          犯罪行為をして警察に逮捕されると取り調べが長引く場合は警察署に身柄を拘束される。 取り調べが終わり、裁判にかけられることが確定している被疑者は保釈保証金を支払えば釈放され、裁判に出廷する際は必ず出廷しなければなりません。 が、保釈せずに身柄の拘束を解かずにいると、取り調べが終わると警察署の勾留施設から拘置所に移送される。 裁判の間は拘置所に拘留され、判決が出て執行猶予付きの判決だった場合は、判決の言い渡し後に判決を言い渡された犯人は裁判所から拘置所までバスで移動し、拘置

          拘留されている人は判決後どうなる?

          判決

          2010年末の強制わいせつ事件の判決が2011年の2月に出た 執行猶予5年、実刑2年半、保護観察半年だったように思う 執行猶予が目いっぱいついた とりあえず事件は一区切り 判決は出た そこからは2人の子供たちを抱えた自分がどう生きていくのか?という現実と向き合わなければならない 何を選択するのがベストなのか? 子供たちから父親を奪うことになるんじゃないか? 子供たちを自分1人の手で育てていくことはできるのか? 犯罪者と一緒に生活していく、という現実を自分が受

          判決の直前に

          判決が決まる10日ほど前に弁護士から私宛に電話がかかってきた。 「被害者側との示談が成立しました、書類手続きにお越し頂けますか?」 と。年配の先生憤っていたが、電話をくれたのは新人の若い弁護士さん。 その方は人の気持ちに配慮をして丁寧に話ができる人だった。 「やっと会話が成り立つ人と話が出来た、ありがとうございます」 とその時にその先生に伝えた。 大金を受け取って仕事をするのだから会話が成り立って当たり前のはず でも、国選弁護人も、元夫の会社から紹介された弁護士

          被害者の方との示談

          11月の上旬に元夫は逮捕され、逮捕直後に示談交渉に弁護士が入ってくれたが、当初から一貫して 示談には応じる気は全くありません というのが被害者側の変わらぬ思いだった。 被害者側の気持ちが私には痛いほどよくわかった。 自分が逆の立場だったとして 「お金で解決しませんか?」 と打診をされても 「はぁ!?」 で、お金で解決するような問題じゃないでしょう!!そうじゃなくて反省してんの!?被害者側の人間性をなんだと思ってんの!? と思われて当然だ。同じように思っていた

          拘置所内のヒエラルキー

          現在はそうでもないらしいのですが、10年ほど前は拘置所内にヒエラルキーが存在したようだ。 元夫は性犯罪、拘置所には凶悪事件の容疑者や交通事故の加害者などもおり、当時はごちゃまぜに拘留されていたらしい。 女子供に危害を加える犯罪者は「弱いものいじめをするもの」と認識される。 傷害事件や窃盗などの加害者にとって「悪はステイタス」 男としてのステイタスを得るために犯罪行為をした人にっとって「弱い者いじめをするヤツ」は男の風上にもおけない存在。 「弱いものいじめをしたやつは

          拘置所内のヒエラルキー

          裁判がはじまった

          刑事事件の裁判は、軽犯罪なら2回か3回で判決が出る。 元夫の事件は3回目に判決が出る予定だと弁護士から聞かされた。 1回目の裁判は弁護士業界では「第一回」と言われ、こんな事件がありましたよ、という現状把握をするための場です。 第一回の裁判では検察官が事件の要点を抜粋して読み上げ、弁護側は内容に間違えがなければ「間違いない」相違点があれば「異議」を申し立てます。 情状証人として出廷していた父は裁判でそれまでに聞かされていなかった犯行の内容を法廷で聞かされることになりまし

          起訴されることが決定

          10日の勾留延長が2度あった後、起訴されることが決まった 被害者側が示談(お金で解決をすること)を受け入れてくれたら起訴(裁判にかけられること)を回避できるかもしれない、と弁護士から聞いていたが、被害者サイドが「示談に応じる気は一切ない」とおっしゃっているのも聞いていたので起訴は致し方ないと思った。 起訴されると「情状証人」として裁判に出頭するのか!? 裁判を傍聴しに行くのか? という2つの懸念があった。 当時、私の父が3歳の子供の育児をする私にこれ以上辛い思いをさ

          報道されずに済んだ

          事件3日後に連絡を取りたかった元夫の同僚でもある友人から電話があった その時に「来客のチャイムが鳴っても相手がだれかを確認するまでは絶対に出ない事!!」と釘をさしてくれた 「取材の記者に答えたことが報道されること」は一番避けたい現象だったので誰よりも一番的を得たアドバイスだった それを守って「誰が来たのか?」を必ず確認してから来客の対応をするようになった 「冤罪かも」とアドバイスしてくれる人たちもいることを話すと 「そんな無責任なことようゆうわ!!」 と怒ってくれ

          退社の手続き

          「起訴された」という事実を受けて元夫の勤務先から懲戒解雇の通知を受け取った。 退社の手続きを私が代理でしなければならなかった。 家に遭った制服等指定されたものをキャリーバッグに詰め込んで1時間電車にゆられて元夫の勤務先まで運んだ。 その道中にキャリーが倒れて人の手にあたってしまった。 すぐにお詫びを伝えたが、その方は手を使うお仕事をされていたようで何かあった時のために、と電話番号を聞かれた。 こんなに災いが続くのか・・・ これでもか!これでもか!と逆境が目の前に訪

          起訴される、ということ

          メディアでよく報じられている「起訴」という単語 起訴ってなに? 刑事事件を起こした人が裁判にかけられますよ という意味の単語です。 裁判にかけられると「有罪」なのか「無罪」なのかを争います 事件を起こしたことを認めている「認め」の事件の場合は「有罪か無罪か」よりも、「執行猶予がつくかどうか?」であったり「実刑(刑務所でお勤めをすること)の期間をより短くすること」に弁護側はコミットします。 元夫の事件は「認め」の事件で「起訴される」ことが決まりました 「起訴される

          起訴される、ということ

          「真実を知る」ということ

          元夫が逮捕されて約一週間後だったように思う 弁護士から「服の上から女子高生の身体を触った、ではなく、服の中に手を入れて直接胸を触ったと言っている」と聞いた。 「え!!そうなんですか・・・・」 のような返事をしたように思う。 確か「より罪を軽くするには」という話を弁護士からは持ちかけられたのだと思う。 あまり記憶がない・・・ 当初から「罪を軽くしたい」ということが一番の願いだったわけではない。 私の願いは「事実を知ること」そして「事実に応じた報いを元夫が受け、向き

          「真実を知る」ということ