裁判がはじまった

刑事事件の裁判は、軽犯罪なら2回か3回で判決が出る。


元夫の事件は3回目に判決が出る予定だと弁護士から聞かされた。


1回目の裁判は弁護士業界では「第一回」と言われ、こんな事件がありましたよ、という現状把握をするための場です。


第一回の裁判では検察官が事件の要点を抜粋して読み上げ、弁護側は内容に間違えがなければ「間違いない」相違点があれば「異議」を申し立てます。


情状証人として出廷していた父は裁判でそれまでに聞かされていなかった犯行の内容を法廷で聞かされることになりました。


父は「裁判に出廷する」「法廷という非日常の場所」「知らなかった衝撃の事実を知る」というトリプルパンチで第一回の裁判に出廷した後、現実を受け止めきれずに元々高かった血圧が上がり、体調が悪くなってしまいました。


私をこれ以上辛い目に合わせたくない、守りたい


と思って頑張ってくれたことには感謝してもしても足りません。


ただ、現実を受け止めきれなくて母の前で私に何度か当たったことに対しては、父には余裕がなくてそうせざるを得なかったことはよくわかるけれど、その後両親から「しんどい、しんどい、裁判に行ったから」と後で何回も言われることは私にとってとても苦しい現実だった。


後でそんなことを言われるくらいなら自分で行けばよかった・・・


と思った。


元夫が被害者の女の子の手をつかんで自分の身体を触らせた


という事実は弁護士から聞いていなかった。


裁判で聞く前に私と父の耳に入れておいてほしかった。


私を傷つけないための配慮をしてくださったのだろうが、法廷で聞くくらいなら弁護士から犯行内容について説明を受けた時に全て話してほしかった。


どのタイミングで知るか?配慮はあるのか?


ものすごく重要だと思います。


ケアもなされないのに、そんな対応をするんだ・・・


残酷だなー・・・・・・・・


と思った。


そして、父から「言えなかったけど」と事実を私が聞いたのは判決の後


それまでの間、父と母のストレスによるきつい対応に私はやせ我慢をしていた。


父から実際の犯行の内容を聞いて、私は


「被害者の女の子、頑張ったね」


と言いました。


自分も暗闇で後ろから知らない学生につけられてタックルされたことがあるのでどれだけ怖いかを知っている。


電車の中で痴漢に遭って、何とかしたくても声が出ない恐怖を知っている


被害者の女の子は手をつかんで体を触らされたことで勇気のスイッチがONになったようで、駅員さんに元夫を頑張って引き渡したようだった。


私は法廷でその事実を聞かされても堪えることが出来たはずなのに・・・


と思った。


でも、もう誰を責めても仕方がない


幸せになろうと思って自分が最善だと思って選んだ相手が起こした事件


という事実を受け止めるしかなかった、受け入れることは出来ない事実であることも含めて受け止めて、下手くそでも精いっぱい動いてくれたり応援してくれる周りの人のために受け止めて瞬間瞬間最善を選んでいくことが精いっぱいだった。

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