拘置所内のヒエラルキー

現在はそうでもないらしいのですが、10年ほど前は拘置所内にヒエラルキーが存在したようだ。


元夫は性犯罪、拘置所には凶悪事件の容疑者や交通事故の加害者などもおり、当時はごちゃまぜに拘留されていたらしい。


女子供に危害を加える犯罪者は「弱いものいじめをするもの」と認識される。


傷害事件や窃盗などの加害者にとって「悪はステイタス」


男としてのステイタスを得るために犯罪行為をした人にっとって「弱い者いじめをするヤツ」は男の風上にもおけない存在。


「弱いものいじめをしたやつはこらしめたれ」という変な正義感が働くようで、性犯罪者や子供に危害を加えた被疑者は拘置所内でいじめのターゲットになる。


2020年には、性犯罪者等いじめの対象になるであろう被疑者は他の被疑者とは隔離されて拘留されていたようだ。


性犯罪者=ピンク


と呼ばれているそうです。


元夫が拘留されていたのは10年前、同じ房の人にいじめられたそうです。


トイレ(便器内)を手で洗え、等


自業自得といえば自業自得です。


その説明を元夫が私にしたときに


「今まではいじめる側やったけど、拘置所に入って初めていじめられる側を体験した」


と言っていました。


「それは被害者の女の子の痛みだよね」


と諭すように返事をしましたが、いじめる側・・・・?


私が知る限りでは周りの人にやさしく、人の悪口を言うようなこともない人に見えていました。



「知らんでもいいこともある」


結婚して間もないころ元夫に言われたことがあります。


「知らんでもいいこと」が「いじめる側」と一致する何かが過去にあったのでしょう。


「知らんでもいいこと」を私に話さずに結婚し、子供を育ててきた。


話してほしかった・・・


知ったうえで人生の大切な結婚という選択をしたかった。


私にも幸せになる権利はあったはず・・・・


どうして元夫もその家族も事件が起こるまで、「痴漢行為は初めてではない」という事実を知っていて教えてくれなかったんだろう・・・


私と子供たちにとってあまりにも残酷なのではないか・・・・


背負うものが大きすぎる・・・・・


結局私は事件をきっかけに十字架を背負ったような気分になり、その十字架を完全に下せるまで11年かかった。


元夫が自分のやったこととして背負えばよくて、私と子供たちはそれぞれに自分の人生にベストを尽くせばいい


そんな風に思えるまで長い年月が私には必要だった。

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