義父のお見舞い

判決が出るまでの間に介護施設に入居していた義父の容体が悪くなった。


意識不明で総合病院に運ばれた。


お見舞いに一人で行った


逮捕されるまでは週に1回は子供たちと義父のところに遊びに行っていた。


義父が大好きだった。


意思疎通が出来ていた時に


「生命維持のための装置はつけていらんよー、苦しいのは嫌だから」


と言っていた。


お見舞いに行ったとき、義父は生命維持装置をつけられていた。


すぐに看護師さんに聞いた。


「お義父さんはつらくないんですか?」


意識はないから痛みや辛さはないですよ、と言われた。


意識もなく、ベッドに寝て装置をつけられて生きながらえている


そんな状態だった。


「お義父さん・・・・・・・」


とつぶやくことしかできなかった私の声にお義父さんの目から涙がこぼれた。


すごく不思議だった。


看護師さんは何かを感じ取っておられたようで


「よかったね、やっとわかってくれるひとがきてくれたね」


のようなニュアンスのことを言っていた記憶がうっすらある。


言葉で説明するのは難しい、とても不思議な時間だった。


不思議と、「何かしないと!!」と思う自分がいなかった。


お義父さんとのご縁が静かにゆっくり終わろうとしている・・・・・


そんな感じだった。


ご縁が終わろうとしている、それはお義父さんとのご縁だけでない。


自分をしんどくさせていたものとのご縁が一気に終了されていくような感じだった。

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