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報道されない、米国・コロナ状況(1):規制ゼロでも、1mあたり新患数は日本の17.6%

規制全面撤廃(2022年3月)後のアメリカのコロナ状況

まずは数字で!:日米・新規感染者数比較

久しぶりに米国のコロナ状況をシェアさせていただきます。が、今回のトピックスのメインは「第○波が〜」というような話題ではありません。アメリカで現在、「コロナがー!」という話題をするのは、おそらくメディアくらいです。

アメリカは今年3月までに全ての州での、コロナ関連規制が解除されました。2022年8月現在、空港や航空機の中でのマスク着用義務も解除されています。アメリカに入国の際に求められていた、陰性証明やワクチン接種証明も、現在は必要ありません。ワクチン接種義務化関連については、別のコラムで詳細をシェアさせていただきたいと思いますが、報道で目立つのは軍関連の組織での義務化をめぐる裁判についてです。ですので、一般人がアメリカで生活する中では、コロナ対策は完全に個人に委ねられているというのが現状です。

さて、そんな感染対策が完全に個人に委ねられているアメリカと、日本との新規感染者数の比較(100万人あたりの新規感染者数の推移)が下記です。日本の100万人あたりの新規感染者数は、なんとアメリカの5.6倍。
(タイトルは、アメリカ視点ですのでアメリカ基準の数字を使っていますが、日本基準にした数字の方がわかりやすいかと思い、タイトルとは違う方法で比較しています)

100万人あたりの新規感染者数(数字は2022年8月11日時点)

  • 緑:日本:1.728人

  • 赤:アメリカ:304人

100万人あたりの新規感染者数の推移 Our World in Data

人口調整をしない実数ベースでの、新規感染者数比較でも、日本はアメリカの2.1倍。これはかなりショックです。

新規感染者数の推移 Our World in Data

新規感染者数について、日本が急増している理由の1つは検査数を増やしていることは確実に関係するかと思います。現在、使用されている各国のコロナ検査の感度や偽陽性等について調べていないため、具体的にこれ以上の言及はできませんが。
コロナ検査に限らず、どんな検査も検査を増やせばそれだけ陽性者数は必ず増えますこれは、311の後、問題の原発がある某県の子どもの甲状腺がんの発症が増えたことが問題になった際、某県医師会をはじめ一部の医学専門家は、発症者数の多さについて、”スクリーニング(検査)のしすぎ”を問題点としてあげています
・・・ということもありましたから。コロナについても、日本では現在、闇雲に検査数を増やそうとしていますが、ぜひこれらの一部の医学専門家がコロナ検査の推進政策について、どのようなお考えかは聞いてみたいところです。

生活者視点での、現在のアメリカのコロナ状況

さて、話題をアメリカのコロナに戻します。
グラフに出ている通り、コロナ感染者が完全にいなくなったわけではありません。日本の半分とはいえ、10万人は新規感染者としてデータには上がってきています。しかし、一般人にとって、コロナ感染はほぼインフルエンザ感染と同じような扱いかと思います。

特に、多くの州よりも1年早い、昨年3月にはマスク着用等の義務化が解除されていたテキサス州では、今年1月のオミクロン騒動のときにも、インフルエンザに対する脅威と同じような反応をする人の方が多かったように思います。

「おいおい、自由を主張しすぎるアメリカ人、大丈夫かよ?」と思う方もいらっしゃるかもしれません。確かに、パンデミック開始直後は、変な自由を叫ぶ人が多かったことで、感染爆発を起こしてしまったアメリカですが、今の状況はそれとは違います。コロナを軽くみているというわけではありません。そもそもインフルエンザや風邪だって、亡くなる人はいますし、予防は必要です。各自で行う予防策が完全に亡くなったというわけではありません。

ここで重要なのは、このコラムでは繰り返しお伝えしている、”マスク着用義務化解除”は、決して「マスクを着用してはいけない」ということではないということです。

マスクが必要だと考える人は、継続して着用しています。義務化があった頃と比べて特徴的なのが、現在使用されているマスクは、不織布マスクでもしっかり目のタイプかN 95で、布マスクは見かけません。だから、本当に必要だと考えている人のみが継続しているのだと思います。ただし、テキサスは屋外で密集するような場所はほぼありませんし、”とにかく暑い”ということもあり、屋外でマスクをしている人はまず見かけません。

■ご参考:アメリカでの布マスク使用は、CDCやファウチ博士の推奨でした。
something fishy(なんか臭う):米国のマスク・ポリシー

マスクをしていない人であっても、アルコール消毒は継続しているという人は多く見かけます。スーパーやレストランの入り口に設置されていた消毒薬は、そのまま置かれているところがほとんどですので、出入りに際して使う人、見かける度に消毒する人等もいますし、カートの手で触る部分の消毒を継続しているお店も多く見かけます。
携帯用のスプレーの容器にこだわり、おしゃれな小物の1つとして持ち歩く人もいます。自動車の中に置いておいて、人が多数集まる場所から戻ってきたときに車内で使うという人もいます。

止むを得ず感染してしまった場合は、必要な対応をするでしょうし、雑談の中から、感染懸念がある人は公の場を避けようとしている感はあります。この辺が一般人のコロナの扱いがインフルと同じ扱いだと思える理由です。

重症化率は、アメリカの方が以前高い?の謎

日米・新規死亡者数比較

下記のグラフは、100万人あたりの新規死亡者数の推移です。現在はほぼ同じくらいです。日本がアメリカを抜いたのは、8月10日のことでしたが、共に死亡者は100万人あたり1.5人くらいとなっていて、2020年と比べると、ウイルスが弱毒化したと言えるのではないでしょうか

■2022年8月11日時点での100万人あたりの新規死亡者数

緑:日本:1.40
赤:アメリカ:1.61

100万人あたりの新規死亡者数

報道では、変異によって、感染力が強まっていることばかりが強調されていますが、変異をする中で、ウイルスは感染力を高める一方、弱毒化するというのは、定説ではなかったのでしょうか?

コロナに関しては、なぜかこれまで”定説”とされていたことーー例えば自然免疫や獲得免疫の効果ーーが完全否定される傾向にあります。が、今回はテーマがアメリカのコロナなので、ここで言いたいことは一旦飲み込むこととします。

再びアメリカのコロナ状況に戻り、念のため、実数での死亡者数も確認してみます。

■2022年8月11日時点での新規死亡者数(実数、7日平均)

緑:日本:472.57
赤:アメリカ:200.43

実数ベースでの新規死亡者の推移

実数ベースですと、アメリカは、日本の約2倍です。新規感染者数(実数ベース)は、日本の約2分の1倍ですから、アメリカでは、日本の半分しかいない感染者の間で2倍も多くの方が亡くなっているということになります。
この原因について、考えられるのは次の3つです。

❶アメリカ人と医療機関との距離感

アメリカでは風邪を引いても基本的には病院に行きません。行ったところで、薬が処方されるわけでもなく、高熱が続く場合にも「薬局に行って市販の解熱剤を」と言われるだけです。これだけのメッセージをありがたく頂くだけで、医療保険が使えても1万円前後します。だから、基本的には自宅療養で治します。ここはアメリカに来たばかりのときに、「子どものケアをどうしよう?」といろいろ調べたのですが、”抗生物質は風邪に効かないどころか、本当に必要なときに効かなくなる”という説明に納得できたので、自宅療養にしています。
ただし、アメリカのアメリカ人とは違うのは、東洋医学的なケアも同時に行っていることです。免疫を高め、消化に良い食事にしたり、うがいやアロマ等も、様子をみながら加えています。

インフルの場合にも、日本では”インフルにはタミフル”という印象がありますが、アメリカでは必ずしも病院に行くわけでもなければ、必ずタミフルを服用するわけではありません。薬局で購入できますが、日本の3、4倍くらいしたと思います。
ちなみに、タミフルは、日本が世界のタミフルの8割を使用しているという話もありますから、医療費の高さだけがアメリカ人がタミフルを使用しない理由ではないようです。

とはいえ、国民皆保険があり、少なくとも初診は安価に受けることができる日本と、医療保険を使用してもなお異常に高額とされるアメリカと比較した際には、高額な医療費が習慣的に、アメリカ人を医療期間から遠ざけているという現実はあるかと思います。

❷アメリカのコロナ治療の問題点

コロナの治療に関しては・・・。
私はコロナの治療薬として、イベルメクチン の効果を信じていますし、実際に、コロナ感染した夫に効いたと思っています。しかし、アメリカではファウチ博士をはじめ、CDCやFDAは不可解なアンチPRでこの薬の効果の確認、そして、普及に反対を唱えてきました。

”マスク着用は危険”発言と、イベルメクチン反対の謎 (ファウチ研究)
85%の死亡は早期治療で助けられた (コロナファシズムVSテキサス医師) 
判決に背いてまで、イベルメクチンを処方しなかった医師 (米国コロナ事件簿)
イベルメクチンをめぐる不可解な裁判 (米国コロナ事件簿)

未曾有のパンデミックの渦中に、本来ならば優先されるべき、既存薬の承認外使用について、とことん否定され続けたのは、何もイベルメクチン だけではありません。コロナ治療に使えるとされた既存薬はとことん否定され、それを推進した医師は徹底的に排除されてきました。

米国コロナファシズムVSテキサス医師 
早期治療の推進者は陰謀論者!?(ヒドロキシクロロキン)
患者を救うために必要なもの(アメリカの保険制度) 
既存薬へのメディアの印象操作 (ヒドロキシクロロキン)
データではなく、人を診る(ブデソニドを主成分とした喘息薬)

では、コロナ専用に開発された新薬、特にFDAで承認された期待の新薬の使用具合についてはどうか?といえば、アメリカの医療業界の、コロナ治療に対する関心度といえば、現政権が心配するくらい・・・・の残念なものでした。
コロナ治療法に無関心の医療関係者 (アメリカのコロナ事情)

次回コラムと重なるテーマとなるものとなりますが、アメリカでのコロナ被害は、コロナ政策のまずさに問題があったとする指摘はあり、議論は続いています。治療薬についての議論よりも何よりも、”ワクチンこそがコロナ・パンデミックを収束させる唯一無二の救世主であり、ワクチン接種推進しか対策がない”というような偏った政策を行ってきたのが、アメリカの現政権、CDC、そしてファウチ博士です。

7月10日以降の感染爆増要因を探る  (アメリカのコロナ事情)   
【Vol.2】感染爆発の原因を探る  (アメリカのコロナ事情)

因果関係が数字ですっきり説明できるようなことではありませんが、これらのアメリカのコロナ治療・対策が”(日本と比べ)感染者半分でも、死亡者は2倍”という残念な結果と無関係とはいえないかと思います。

❸死亡者数に影響を与えうる、アメリカの社会問題

コロナの重症化要因の1つに、”肥満”が挙げられていました。肥満の問題を抱えるアメリカでは、もともと重症化リスクが高い人が多いと考えられます。

”南部で感染が拡大している”は本当か?  (アメリカのコロナ事情)

さらに、肥満の問題がアメリカでなかなか難しくなっている1つの要因が、”無自覚な対象者”の存在です。

子どもの肥満とコロナ死、アメリカ人の反応(アメリカのコロナ事情)

日本でも、”どこまでがポッチャリか?”とか、”どこからがメタボか?”みたいな議論はあります。それに自分が所属する集団や環境によっても、このラインが変わることがあります。例えば、一般的には標準体型だったとしても、バレリーナやモデルのコミュニティの中では、相対的に細くは見えなくなることがありますが、その反対の事象も起こりうることもーーつまり、肥満の問題がある人が多いコミュニティの中では、自らの肥満問題に気が付きにくいか、もしくは過小評価しがちにあるのです。

本来、重症化しやすい人は、通常以上の対策を行うか、感染が疑われたときにより迅速な対応が求められます。しかし、自分がその対象者(重症化しやすい)という自覚がなければ、一層の危機感を持って対応することができなくなってしまいます。

先ほど、アメリカの異常なほどに高額な医療費の問題が市民と医療機関の距離を作っていると、指摘しました。この問題は何も貧困層だけが対象となるようなレベルではなく、標準的な家庭であっても医療費で破産に直面するほどのレベルです。とはいえ、より大きな影響があるのは貧困層であることを考えると、現政権発足後、テキサスをはじめとする南部州を混乱させ続けている、国境問題も無関係とはいえません。

テキサスの国境問題 
不法移民問題は感染症と無関係か? (アメリカのコロナ事情)
米国・テキサスからの不法移民便、第2便もDCに無事到着(2022年4月)

過酷な環境下での生活を強いられていたり、医療を受ける十分な資金と情報を持ち合わせていない人にとって、医療機関はさらに遠い存在となります。そのことから、不法移民が感染した場合、重症化する人が多いのではないか?ということは容易に推測できます(この点についての情報は公開されていません)。

米国・テキサスからの不法移民便、第2便もDCに無事到着”の記事から進展があったこととしてシェアさせていただきますと、今年7月、ニューヨーク州のホームレス収容施設が対応しきれなくなったという、同州がテキサスを批判する報道もありました。DCに到着した不法移民の一部が自主的にニューヨークに移動し、溢れているというのです。
しかし、「対応しきれないほど、押しかけられて困った」と言われても、DCからニューヨークに向かった不法移民は、DCに到着した不法移民の一部です。そもそもテキサスからDCに向かった不法移民も、本人がDC行きを希望した場合のみであり、テキサスに侵入した人の一部。もっといえば、テキサスに不法侵入したとされる人の数以外はあくまで国境で捕まった人の数であり、それ以外のかなりの数が国境警備をすり抜けてアメリカのどこかに消えているわけです。さらに・・・テキサス州だけでなく、アリゾナ州等、他の国境州でも被害が出ているわけですから・・・・。

国境州から遠く、保護施設入居の競争が境州よりは激しくない州ですら、保護施設が対応しきれないほどの不法移民が押し寄せているというのがアメリカの現状です。保護施設に入っていない不法移民の数の方が大多数であることを考えると・・・、これらの人々がコロナになった場合、アメリカ人でも躊躇するような高額の医療費を払って医療機関を受診するとは到底考えられません。

不法移民の問題というのは、不法に侵入された国だけでなく、出国された国にも悪影響がありますが、不法移民となった本人にとっても、不幸せな結果を招くリスクが小さくありません。これを放置している政権に厳しい目が向けられているのは、当然のことかと思います。

不法移民とコロナの関係は、現政権が自らの不法移民(ウェルカム)政策を推進し続けるために、関係性はないと断言され続けていますが、テキサンとしては、「ないわけがない」と、思うのです。

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