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【米国コロナ】7月10日以降の感染爆増要因を探る

感染爆増の要因として考えられるもの

1)ワクチン完了者を対象としたマスクポリシーの緩和(5月13日)      2)学校の夏季休業(5月〜8月*時期は州や学区によって異なる)     3)飛行機を使った旅行者増                        4)デルタ株の拡大                            5)ワクチン未接種者の責任  

上から順番に私が可能性があると思っているもの、一番下は、CDCやファウチ博士をはじめとするワクチン推進派が言っている原因です。今回はこの(5)について文系的なアプローチにより、検証してみたいと思います。

ワクチン接種率が上がっていく中、感染者数が増える矛盾

CDCはワクチンの有効性等を示すデータとして、部分的な統計は出していますが、私の調べた限り、イギリスやイスラエルのように、国全体的としてのデータは出していません。ワクチン接種者にマスク着用の必要性を訴える際には、”デルタ感染の74%はワクチン完了者”というデータを使用したり、ワクチン接種の必要性を訴える際には、”未接種者の感染者数は完了者の2倍以上”というデータを出してきます。ともにある地域での限定された期間でのデータです。科学の権威が短期間(1ヶ月以内)に相反するデータを用いて政策提言してくるのですから、混乱の原因はCDCにありますし、実際のワクチンの効果というのがよくわからないのが現状です(マルコ・ルビオ上院議員をはじめとした議員団が、政府のコロナ政策の信頼を回復するため、CDCの立て直しを図る法律に取り組んでいるようです)。

そんなデータがない中なので、かえって文系アプローチが使えるようにも思います。なぜなら、接種スピードが落ちたにしても、接種者数は増えている中、”ワクチン未接種者の間で、感染拡大している”というのは論理的におかしいと思うからです。

グラフの形から推測できること

下記はCDCの出している新規患者数(青)とワクチン接種率(緑)のデータをグラフ化し、重ね合わせたものです。あくまで相関関係を雰囲気ためのもので、雑な作りであることは見逃してください。

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グラフの波の形から、ワクチンの導入により、新規感染者は減ったのかなということは推測できます。接種スピードは確かに5月以降、緩やかになっています。しかし、当然ながら、スピードは落ちても、人数としては増え続けています。新規感染者が最も少なかった5月までと、感染拡大した7月までとで、このワクチン接種者が増えていく(未接種者が減っていく)というベクトルの方向に変更はありません。このグラフの形を見ても、感染増の原因を未接種者とするのは無理がある気がするのです。

そこでお試しで入れてみたのが、ワクチンの効果を6ヶ月と仮定して、”効果が切れた合計人数のグラフ(赤)です。具体的には接種が開始された12月14日からのデータを、6ヶ月後の6月14日に開始日を移動させたものです。なぜなら、感染減から拡大の間に、ワクチン接種者増(未接種者減)に与える影響として考えられる要素に、ワクチンが有効とされる期間の期限があったからです。

こちらもあくまでグラフの形(雰囲気)だけ見てくださいね。

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何となくですよ、何となく、相関性があるように見えませんか?

そこでこれらのデータを使って、エクセルで相関関係を調べてみました。

ワクチン接種ステイタスと新規感染者数との相関関係

グラフに使用したデータを使って、エクセルで相関関係を調べてみました。結果は下記の通りです。

A)2020年12月14日〜2021年6月13日(6ヶ月経過以前)のワクチン接種者数と新規感染者数との相関関係:-0.8054

B)2021年6月14日〜9月12日(6ヶ月経過以降)のワクチン接種後6ヶ月経過者数と新規感染者数との相関関係:0.8219

C)2020年12月14日〜2021年9月12日(全期間)のワクチン有効者数(全ワクチン接種者から6ヶ月経過者の数を引いたもの)と新規感染者数との相関関係:ー0.490

AとBには相関関係が見られ、Cは相関関係があるかもね、くらいの感じでしょうか。Aは当然かと思います。ワクチン接種者と新規関係者の間に負の相関関係がないならば、ワクチンなんてやめてしまえ!っていうことになってしまいます。問題はここからです。当初、BよりもCの方が相関関係が強いという結果が出るだろうと考えていたからです。ワクチン接種開始から6ヶ月経つ、6月14日以降は、新規接種者の数から6ヶ月経過者を引いて、”有効なワクチンステイタスにある人の合計”という数字を用いたからです。

もちろん、7月以降の感染拡大の理由は、上記にあげた(1)〜(4)の可能性(夏休み、マスク・ポリシーの変更、旅行増、デルタ株増)はどれも少なからず影響していることかと思いますので、BにしてもCにしても、絶対的な相関関係が現れるとは思っていません。ただ、CよりもBの方が相関関係があるということは、単純に”ワクチンが効いている状態”よりも、”有効性が弱まった状態”の方がコロナ感染に影響するという風にとれてしまいます。

繰り返しになりますが、私は研究者ではないので、この先のアプローチはわかりませんし、ここまでのアプローチについても正確かどうかはわかりません。ただ、ここで頭に浮かんでくるのは、大阪大学の研究(新型コロナウイルス感染を増強する抗体を発見)です。コロナウイルスに感染すると感染を防御する中和抗体ばかりでなく、感染性を高める感染増強抗体が産生されていることが発見されたというものです。同じことはコロナ・ワクチンでも起こるということで、感染増強抗体の産生を誘導しないワクチン開発が重要とされていました。

この研究をもとにしたネット上のディスカッションの中で、中和抗体は時間と共に減っていく一方で、感染増強抗体が残ってしまった場合、抗体を持っている人の方が重症化しやすくなる(ADE)という指摘がありました。コロナワクチンとADEの懸念は、ワクチン反対派の科学者が当初より指摘していたことでもあります。実際、イスラエルでは、ワクチン接種完了者の方が感染数でも重症化すうで、未接種者よりも多いという話も聞きます(私自身一時情報にあたれていませんのであくまで伝聞調)。そして、このグラフ。

最後に

私はワクチン反対派というわけではなく、判断するための正しい情報がほしいと考えています。本件は、この先のデータ(アメリカ全土でのワクチン接種有無別感染者と重傷者数)がないため、尻切れトンボのようになってしまい、すみません。マルコ・ルビオ上院議員たちのグループにぜひ頑張っていただき、CDCが信頼回復できるような情報提供を始めることを切に祈っています。






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