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【話題の英単語】”something fishy(なんか臭う)”:米国のマスク・ポリシー

アメリカのマスクポリシーの歴史

パンデミック以前のアメリカのオフィスで、風邪を引いてマスクをつけたことがあります。「アメリカでマスクを付けると奇異な目で見られるからやってはダメだ」というのは知っていましたが、オフィスのクーラーが効きすぎている中で、冷たい風と乾燥が咳を酷くするため、自分のデスクのみでこっそり着用。ちょっと視線を感じるなとは思っていたのですが、締め切りもあったので、集中してパソコンに向かっていると、親しい同僚の1人から小さな会議室に呼ばれました。「深刻な病気?じゃなければ、いますぐマスクは取った方がいいよ。ちょっとヤバいかも」。想像以上に、注目を浴び、いろいろ言われていたようです。同僚は「そうか、日本とアメリカの文化の違いだね!」と、必要以上に大きな声でフォローを入れてくれていました。

アメリカでは過去の感染症のパンデミック時にも、マスク着用は一切勧められていませんでした。

アメリカの過去のパンデミックでのマスクポリシー:            2004年:CDC(インフルエンザ流行時)医療機関以外でのマスク着用は、勧めない。インフルエンザへの曝露を防ぐために、合併症のリスクが高い人を含む無症候性の人が地域社会でマスクを使用することは、現時点では推奨できない」 2009年4月:CDC(H1N1「豚インフルエンザ」の流行時)H1N1が検出された地域でのフェイスマスクおよび呼吸器の使用に関する勧告」「コミュニティ環境におけるインフルエンザの制御に対するフェイスマスクの有効性に関する情報は極めて限られている。マスクの着用は、病人の世話をするときやその他の特定の状況下でのみ使用すべきである。混雑した環境で、マスクに頼ることは賢明ではない

とんでも・ドタバタ劇「マスク・ポリシー」

「私を批判するというのは、科学への冒涜だ!」とおっしゃるMr.科学、ファウチ博士と、実質彼の下にあるような疾病対策の権威機関、米国立疾病対策センター(CDC)。なのですが、彼らのマスクに関する政策をひと言で表すなら「どんでもドタバタ劇」。「科学、科学と言うけれど、果たしてどんな科学的な根拠に基づいているのか?」と、いろいろな所から疑問視されています。

これまでの彼らのマスク政策(2020年1月〜2020年8月)をシンプルにまとめると・・・・

「マスク不要」「マスクは危険」「マスク必要」「マスク義務化」「ダブルマスク推奨」「ワクチンでもマスク必要」「ワクチンでマスク不要」「ワクチンでもマスク必要」「マスク義務化はコミュニティ単位で」

最後は若干サジを投げた感がありますが、ファウチ博士やCDCを擁護する科学者によると、「パンデミックの多くの側面が政治的に扱われていることが、CDCの仕事を非常に難しくしている」「自分の考えを変えることは、有効であるだけでなく、望ましいことだと思います」「免疫と再感染に関する我々の知識は急速に変化しています」ためで、正当な政策転換だといいます。本当にそうでしょうか?検討していきたいと思います。

2001年1月〜3月:マスク不要期

C D Cのマスクポリシー(2020年1月〜3月):マスク不要期           1月30日:CDC「一般の人々のマスク着用は推奨していない
2月5日:CDC「一般の人々が外に出てマスクを買うべきだとは思わない。日常生活を送っている一般の人々は危険にさらされていない。また、医療従事者のためにマスクの確保が必要である」
2月5日:ファウチ博士(バーウェル元保健福祉長官に送った個人的なメール)「市販のマスクは非感染者の身を守るものではない(マスク着用は必要ない)」
2月12日:CDC「一般の人々にフェイスマスクの使用を推奨していないが、病気または入院を伴わない検査中の患者はや医療機関に入る前のマスク着用を推奨」
3月8日:ファウチ博士(番組「60ミニッツ」)「マスク着用は、パンデミックの渦中でちょっと気分が良くなるかもしれないし、飛沫くらいは防いでくれる。しかし、マスクを着用すると、ついマスクを触ってしまい、それが“予期せぬ結果を招く”こともある
3月10日:CDC「一般の人々が外に出てマスクを手に入れる時だとは全く思わない。マスクを購入する衝動と戦い、本当にそれらを必要とする人々のために確保するようにお願いする」

パンデミック以前のポリシーを引き継いで、マスク着用は推奨しないという風にされています。限られたマスクを、パンデミックの最前線で闘う医療関係者のために使うべきで一般の人が買うべきではないというのも理解できます。しかし、この時期、そもそも一般人が購入できるようなドラッグストア等でマスクを見かけることはありませんでした。ここは日本と少し事情が違い、マスクを付ける習慣のないアメリカですから、もともと店頭に山積みなんてことはなく、店の奥にポツンとコナーがあるくらい。たまに入荷されても1店舗で1個とか2個とかでした(あくまでもテキサス州の状況で、アジア系の多いカリフォルニア州はまた違うかもしれません)。「買うな」と言われなくても「買えない」状況だったわけです。

2020年3月〜4月:マスク推奨開始 

C D Cのマスクポリシー(2020年3月〜4月):マスク推奨開始               3月31日:ファウチ博士:「感染しているかどうかわからない人が、他の人への感染を防ぎたいと思ったら、マスクをするのが一番」                                                 4月3日:CDC「公の場に出かける必要があるときは、布製のフェイスカバーの着用が必要(2歳以上)」(意見変更の理由:最前線の医師たちを優先するため、一般のマスク着用を推奨しなかった。マスク不足の問題が緩和されてきたので、一般市民向けマスク着用の推奨開始した<ファウチ博士の後日談>)                                                                                                                        *3月〜5月緊急を要しない慢性疾患や歯科等の治療を行う病院の閉鎖・マスク(PPE)の確保状況は個々の医療機関により、COVID病棟の救急医でも、マスクを使い回しする必要のある人も。
・マスク(PPE)の購入は、COVID医療に携わる医療機関が優先され、一般の医療機関は購入不可能
・ドラッグストア等でマスクを見かけることはほぼなかった

3月31日、ファウチ博士が突然意見を変えました。(コロナ対応)医療関係者らのマスク不足が解消されたため、としていますが、注目していただきたいのは、2月5日に、ファウチ博士がバーウェル元保健福祉長官に送った個人的なメールです。これは情報公開請求により明らかにされた、ファウチ博士の大量な個人メールのうちの1つです。マスク着用は意味がないと友人に語っています。また、番組「60ミニッツ」では、意味がないどころか、マスク着用は返って危ないとまで言っているのです。

さらに、まだマスク不足は進行中でした。コロナの救急患者を見ている友人医師は、「防護服の下に着用するマスクは自分で調達しなければならないため(調達できなかったため)、レンジでチンしながら使い回ししている」と、仰天の対策を撮っていました。また、コロナ以外の医療機関で人事で働く友人や、調達部門にいる友人によると、医療機関であっても、コロナを扱っていない場合、マスクをはじめとするPPE(個人用防護具)は売ってもらえない状況だったと言います。そもそも緊急を要しない慢性疾患や歯科等の治療を行う多くの病院は閉鎖されていました。つまり緊急宣言が出された後から5月くらいまで、マスクに関わる状況は全く変わらず、マスク不足が解消されたと思い当たるような事象は一切ないのです。

実際のところ、当初、CDCの推奨するマスクには布マスクが入っていましたし、そもそも推奨されているものは、”フェイスカバリング”と表現されているものだったと記憶しています(サイトはアップデートされているため、確認できず)。日焼け対策のフェイスカバーやバンダナでも、とにかく顔を覆っていればなんでもよいというものでした。N 95等、ウイルス対策に特化したマスクを推奨するわけでなければ、パンデミック開始時に、マスクならぬフェイスカバリングの着用を推奨できたのではないでしょうか?

この後、推奨から義務化へと変わっていきます。

2020年10月〜2021年1月:マスク政治闘争

C D Cのマスクポリシー(2020年10月〜2021年1月):マスク政治闘争                                                                                                             10月19 日:CDC「航空機、電車、地下鉄、バス、タクシー、ライドシェア車両の全ての乗客に対し、マスク着用を強く勧告。空港や駅などの国内の交通拠点の利用の際は、マスクなどで顔を覆う(暫定ガイダンス)」                                             1月29日:CDC「全ての公共交通機関でマスク着用の義務化。飛行機や鉄道、バスなどのほか、空港や駅を含む」

正確な時期は分かりませんが、2020年の夏頃から、さまざまなコロナ対策をめぐる意見の相違があり、ファウチ博士はトランプ大統領と対立します。保守派の多くは”義務化”に反対しますから、10月に暫定となっていたガイダンスがバイデン政権発足後すぐに正式なガイダンス(義務化)となったものと思われます。念のため、保守派のいう”義務化反対”は、マスク着用そのもの、ワクチン接種そのものを反対しているわけではなく、”強制させること”を反対していることがほとんどです。

2021年2月:マスク迷走

C D Cのマスクポリシー(2021年2月):マスク迷走                                             2021年2月10日:CDC「マスク2枚を重ねて着用することは効果がある。1枚のマスクでも顔にフィットするよう着け方の工夫によりウイルスを防ぐ効果が高まる(実験結果に基づく)」

理化学研究所などのチームによる「新型コロナウイルス感染症対策の研究(スーパーコンピューター富岳による計算)」によると、「咳の飛沫を防ぐことに対してのマスクを2重にすることの効果はわずかで、1枚を顔に密着するようにつけるのとあまり変わらなかった」のだそうです。日本の科学VSアメリカの科学と言いたいところですが、マスク・ビギナーの多いアメリカでは、きちんと着用している人が日本に比べて圧倒的に少なく、それゆえの結果ではないかと思います。

ただ、なぜ突然、こんな発表をしたのかは謎です。新規感染者数は2021年1月から下降を始めていました。下記のグラフでは、だいたい今年1月11日ごろがピークでしょうか。感染が減少する中、さらにこれから暑い季節に向かっていくという時に、1枚でも暑いのになぜに2枚推奨・・・?

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2021年3月〜8月:マスクとワクチン  

C D Cのマスクポリシー(2021年3月〜8月):マスクとワクチン                                                3月8日:CDC「ワクチン接種後は、接種者同士の屋内での集いではマスク着用が不要」ほか発表 *未接種者、高齢者集合住宅在住者、重症化リスクの高い人と接触する際、また中・大規模集会の参加時にはマスクの着用が必要という制限付き 3月15日:ファウチ博士(テキサス州のマスク着用義務解除に対し)「マスク着用義務化の解除は危険
3月18日:ファウチ博士(ランド・ポール上院議員の「接種完了者はマスク着用を強要されるべきではない」に対し)「変異株のことを考慮に入れ、マスク着用は必要。英国や南アフリカで発見された変異体のような新しい変異体は、より広範囲に広がっており、以前の感染によって引き起こされた免疫反応を逃れる可能性がある」「再感染して大変なことになるかもしれない。それが、この種のインターチェンジの気になる点
5月13日:CDC(新ガイダンス)「ワクチン接種完了者は今後、屋内外や人数の規模にかかわらず、マスクを着用しなくてよい
ファウチ博士(CDCの新ガイダンスに対し)「非常に良い。私たちが“ある種のノーマル(パンデミック以前の日常)”に近づいているという感覚を得る必要がある
同所長のワレンスキー博士「エキサイティングで力強い瞬間
専門家のフォロー(180度違うガイダンスの変更に対し)「ワクチン接種の進展、患者数の減少、新しい科学的研究、他国の実例などから妥当な政策更」                                                                                                                        
*マスク着用を入店条件にしていたレストランやスーパー等で、ワクチン接種完了者はマスク着用不要とするところも。
*5月末より学校は夏季休暇に。飛行機の便数が足りなくなる自体が各地で発生。                
2021年7月9日:CDC(新ガイダンス)「完全にワクチンを接種した教師や生徒は、学校の建物内でマスク着用は不要」                                              *7月3~17日、マサチューセッツ州のバーンスタブル郡の町で開催された複数のイベントと大規模集会で、460人中74%がブレイクスルーケースとなるクラスターが発生
2021年7月21日:ファウチ博士(CNBCのインタビュー)「CDCの推奨は、ワクチンを接種していれば保護されており、屋内でも屋外でもマスクを着用する必要はない」「ワクチンは感染防御してくれるが、感染拡大地域では屋内での着用を再開させると、より高い予防となる」「マスクの義務化は(CDCではなく)コミュニティレベルで行うべき」
7月27日:CDC「デルタ株による感染増を受けて、感染拡大地域ではワクチン接種完了者であっても屋内ではマスク着用を再開」「幼稚園から高校までの学校では、すべてのスタッフと生徒にマスクの着用を義務付けるべき」「ワクチンを接種完了者でも、免疫システムが低下している家族や、予防接種を受けるには小さすぎる子供のそばにいるときには、顔を覆うものを着用すべき」

ワクチン接種完了者をめぐるマスク・ポリシーの迷走ぶりが続いており、かなり混乱が生じています。これは「パンデミックの多くの側面が政治的に扱われていることが、CDCの仕事を非常に難しくしている」ためでしょうか?マスク・ポリシーに科学的な根拠はなく、単なる政治的な判断だという部分には賛成しますが、自分たちの仕事を難しくしているのは、むしろCDCの方で、科学に基づいて判断していれば、こんなめちゃくちゃなことにはならなかったと思います。

免疫と再感染に関する我々の知識は急速に変化しています」だから、この政策転換は妥当だということですが、”コロナは変異しやすいウイルスである”というのは、今回のパンデミックで初めてわかったことではないですし、科学者でなくても知っている一般的な科学知識です。ファウチ博士自身も、「変異株のことを考慮に入れ、マスク着用は必要」「再感染して大変なことになるかもしれない。それが、この種のインターチェンジの気になる点」から、ワクチン接種後もマスク着用は必要だと言っていたはずです。

それが突然、「ワクチンを打ちさえすれば何でもできる(パンデミック以前の生活が送れるようになる)」というような印象操作が行われるようになっていきました。プロパガンダの主導者は、CDCやファウチ博士かもしれないし、他のところかもしれません。ただ、接種済みの友人の話を聞いていても、「ワクチンを打てば全てが元通りになる」と信じている人は少なくありませんでした。アメリカにデルタ株が上陸したのは、5月20日のこと。この時、報道でも「従来型よりも感染力が強いとはっきり言っています。ファウチ博士自身も「新しい変異株にはワクチンが効かないものがある」と発言しているにも関わらず、です。

ファウチ博士の「私たちが“ある種のノーマル(パンデミック以前の日常)”に近づいているという感覚を得る必要がある」。それはその通りです。しかし、だからと言って、ブレイクスルーが考えられる中、マスク着用は不要としたのは、大失策以外、評価のしようがありません。CDC所長のワレンスキー博士の「エキサイティングで力強い瞬間」という言葉も、ワクチンを打ちさえすれば感染しないと勘違いさせるには十分な表現です。

ワクチンを接種した人から、「今まで我慢してきたこと」を謳歌するような空気がありました。特に、5月の新ガイダンスの後、アメリカでは長い長い夏休みが始まりました。国内外、飛行機を使った旅行に出る友人がたくさんいました。中には2ヶ月間の夏休み中に、3回の海外旅行をしたというご家族も。マスクなしのパーティ、会合も再開されました。

その結果、マサチューセッツ州で起こったような、デルタ感染の74%が接種完了者というクラスターも起こりました。これは完全に印象操作の被害です。それでもなお、「自分の考えを変えることは、有効であるだけでなく、望ましいことだと思います」と、政策転換を正当化する科学者がいるのですから、科学の権威の求心力はすごいものです。

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ワクチン接種は12月13日から段階的に開始されました。1月以降の感染者が減少続けているのはそのためと言われています。6月の1ヶ月間がボトムで、ここでゆっくりとベクトルの向きが下から上で方向転換してしまっています。CDCがワクチン接種完了者のマスクは不要としたのが5月13日、その後、最初のデルタ株がアメリカで確認されたのは、同月20日です。ただし、先に感染拡大したイギリスのデータがありましたから、デルタの感染力が強いこと、ワクチン効果が落ちているようなことは上陸前に分かっていたことです。

ファウチ博士やCDCは、ブレイクスルーケースや感染者増の責任を未接種者に押し付けてこようとします。「未接種者がウイルスを広めている」「未接種者の間で感染が広がるから、ブレイクスルーする変異が生まれるんだ」等。本当に?科学(事実)に基づいた検討をしましょう。

まず、感染しない限り、体内でウイルスは増えませんから、ウイルスを広めているのは、感染者です。感染者のウイルス量ですが、イギリス公共保健庁やマサチューセッツ州のレポートをはじめ、さまざまなデータから、ワクチン接種の有無を問わず、ウイルス量は同じとされています。

ブレイクスルーする変異株についてですが、感染者のウイルス量が同じということは、同じだけ体内で生産されている=生産された数だけ変異する確率はあるとされているので、なぜ一方的に未接種者がブレイクスルー株を生んだと思えるのか知りたいです。むしろ、ブレイクスルーが起こるプロセスを考えると、特定の抗体に対する攻略として生まれる変異ですから、接種者の体内で生まれた変異と考える方が自然のようにも思うのですが(最後の一文は、科学的事実ではなく、私の意見です)。

科学の権威の呪縛

医師である友人の1人が「接種完了者が陽性で、何で未接種者が陰性なの!?」と、ややヒステリックに不満を漏らしたことがありました。教会の集まりで、長時間同室で過ごした3組の家族のうち、1組がコロナを発症したため、残り2組がPCR検査を受けたところ、そのような結果が出たとのことでした。友人のことは大好きですが、正直な心の声は「大丈夫?」。そもそもファイザーの治験データ(下の表)でも、21,720人のワクチン接種者のうち、8人は感染しています。その一方で、プラセボ(未接種)でも21,566人(21,728-162)が感染しなかったされています。

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陽性反応が出てしまった人は上記の表の8人みたいなもので、陰性だった人はプラセボ郡の21,566人ようなものだった・・・特に不思議な点はありません。

そもそもワクチンが免疫の全てではなく、私たちの身体には自然免疫という素晴らしい機能が備わっています。ワクチンの効果を上回るほど、発症した人の持つウイルスがかなり強力だったにも関わらず、陰性反応だった人の持つ自然免疫がそれをさらに上回るパワーだったのかもしれません。だからといって、ワクチンが不要とは思いません。ただ、接種完了者が陽性で、未接種者が陰性ということは、そこまでエキサイトするようなことではないかと思います。

医師なのにそんなことを忘れてしまうほどの、ワクチン絶対説が今のアメリカにはあります。医師ゆえに、科学の権威の呪縛から逃れられないのかもしれません。

そして、接種完了者が陽性になった1番の理由は、油断だと思います。それは何も陽性になった人の責任だと言っているわけではありません。「ワクチン打ったなら、もう大丈夫ですよ」と言われているのだから、マスクをはじめ、感染予防を十分に行っていなかったはずです。一方、いろいろ考えがあって、ワクチンをまだ打っていない場合、現在一番推奨されている方法を実行しないという自覚もあり、そのほかの感染対策はより一層慎重になるはずです。

にも関わらず、陰性だった未接種者がズルしているかのような、何となく責められるような言い方をされるのは、誰かが行っているかもしれない分断政策が奏功しているのではないかとさえ思ってしまいます。そういうわけで、あえて本人には言いませんが、CDCのマスク・ポリシーがおかしかったのは、昨年の春から分かっていたことです。それに、マスク不要のガイダンスが出た際にも、同じCDCが出しているトラベル・レコメンデーションの方では、ワクチン接種者がレベル4(感染拡大国)に行く際に必要なマスク着用は推奨のまま据え置かれていました。先の友人らにも、そろそろCDCを闇雲に信じるのではなく、自分を守るためには自分で考えてみた方がいいよと思います。だって、本当、いろいろぷんぷん臭ってますもん。

いずれにしても、感染増やクラスターを起こした原因は、CDCとファウチ博士のマスク・ポリシー劇場にあることは断言できるかと思います。

Something fishy

ちなみに、”fishy”という単語を最近よく見かけたのは、例のFDA承認の件です。心に生じるモヤモヤ感を、smellとか、weirdとかを使って表現していたのですが、こういう言い方もあるんだと思って、今回使ってみました。

今回のような感じで、制作やコメント発表時期と、コロナの状況等を考えると、科学を元にした政策とはとても思えません。Something fishyなのです。

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