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#雨の日の午前3時

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古性のちと佐田真人のゆるい共同マガジン。 10日に1度、お互い交代でお題を出しあい同じテーマでショートショートを書いています。 24:02に更新。 やさしい時間をとどけます。
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#佐田真人

【雨の日5日目】暮らせる街と暮らせない街

旅人 佐田真人と古性のちが送る、雨の音のように穏やかな時間を届ける、ゆるいラジオ。幸せな話・恋愛の話・たまに仕事の話など。2018年1月-3月までは交換日記のような感じで文章の交換をしていました。普段ブログやSNSには書かない(書けない)ふたりのゆるい空気を音声に乗せ、そのままお届けします。眠れない夜にそっと耳を傾けてくれたら。第5回目のテーマは「暮らせ

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【雨の日4日目】なぜ、ぼくらは旅をするのか

旅人 佐田真人と古性のちが送る、雨の音のように穏やかな時間を届ける、ゆるいラジオ。幸せな話・恋愛の話・たまに仕事の話など。2018年1月-3月までは交換日記のような感じで文章の交換をしていました。普段ブログやSNSには書かない(書けない)ふたりのゆるい空気を音声に乗せ、そのままお届けします。眠れない夜にそっと耳を傾けてくれたら。第4回目のテーマは「なぜ

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【雨の日3日目】仲良くなる人、知人で終わる人

旅人 佐田真人と古性のちが送る、雨の音のように穏やかな時間を届ける、ゆるいラジオ。幸せな話・恋愛の話・たまに仕事の話など。2018年1月-3月までは交換日記のような感じで文章の交換をしていました。普段ブログやSNSには書かない(書けない)ふたりのゆるい空気を音声に乗せ、そのままお届けします。眠れない夜にそっと耳を傾けてくれたら。第3回目のテーマは「仲

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【雨の日2日目】今年どうする?拠点系の話

旅人 佐田真人と古性のちが送る、雨の音のように穏やかな時間を届ける、ゆるいラジオ。幸せな話・恋愛の話・たまに仕事の話など。2018年1月-3月までは交換日記のような感じで文章の交換をしていました。普段ブログやSNSには書かない(書けない)ふたりのゆるい空気を音声に乗せ、そのままお届けします。眠れない夜にそっと耳を傾けてくれたら。第2回目のテーマは「今年

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【雨の日1日目】雨の日の午前3時のこれまでとこれから

旅人 佐田真人と古性のちが送る、雨の音のように穏やかな時間を届ける、ゆるいラジオ。幸せな話・恋愛の話・たまに仕事の話など。2018年1月-3月までは交換日記のような感じで文章の交換をしていました。

普段ブログやSNSには書かない(書けない)ふたりのゆるい空気を音声に乗せ、そのままお届けします。眠れない夜にそっと耳を傾けてくれたら。第1回目の

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90日間の「雨の日の午前3時」を終えて

90日間の「雨の日の午前3時」を終えて

ひょんなことから始まった、古性のちさんとの共同マガジン、「雨の日の午前3時」。

雨が好きなこと、晴れではない、時間的にいうと日没、深夜。色でいうと薄い淡い青。曜日でいうと水曜日。

ふたりのイメージをお互い出し合ったときに、自然と出てきた名前だった気がする。

この名前やイメージが、とても気に入っている。あわよくばバンド名にしたい(たぶん曲調が限られてくる)。

そんな共同マガジンも気づけば3ヶ

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眠れない夜と、その同士たち

眠れない夜と、その同士たち

(今週のテーマ:眠れない夜)

「いまその商品は売り切れてまして...」

コンビニの店員さんが申し訳なさそうにそう伝える。なんとなくそうだと思っていたが、ここまで安眠グッズが売り切れてるとは思わなかった。どれだけ東京の人は眠れないのだろう。ちょっとした同士がすぐ近くにいると思うと、すこし嬉しくなった。



もう何日も眠れない日が続くと、眠れない自分がおかしいんじゃなくて、夜は眠らないといけな

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とある夜の出来事

とある夜の出来事

(今週の共通テーマ:眠れぬ夜)

ふと、体に触れた温度が変わったような気がして、目が覚めた。
ここはどこなのか、自分が何をしていたのか。頭が混乱している。頭上に広がった薄っすらと見える天井には、少し、古めかしい傘の付いた電球が付いていて、ゆらゆらと揺れたかと思うと見知らぬ声がした。

「おや。起こしてしまった?」
声の主の、姿は見えない。

「大丈夫。何も心配しなくて良いよ」
かわりにもう1度だけ

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ぼくができるまで

ぼくができるまで

(共通の書き出し:多分、トングのようなもので挟まれている)

今回は出だしを書き出し小説名作集「猫は挫折を経て丸くなった」から抜粋し、物語をつくっています。



多分、トングのようなもので挟まれている。

まったく身動きが取れない状態だったが、今日はとても目覚めがよかった。目覚めたのはほんの少しまえのことだが、随分と前から、この日を待ち望んでいたように感じる。

一刻も早くこの喜びをだれかと分

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淡い先祖返り

淡い先祖返り

(共通の書き出し:多分、トングのようなもので挟まれている )

*今回は出だしを書き出し小説名作集「猫は挫折を経て丸くなった」から抜粋し、物語をつくっています。



多分、トングのようなもので挟まれている。
そんな感覚が走ったのは、授業が終わった後の事だった。
するどい、だけれど我慢できなくはないような、そんな違和感。
自分の体に集中し、その発症もとを手でたどっていると、「起立」と掛け声がかか

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はじめまして、今日という日

はじめまして、今日という日

(今週の共有テーマ:朝ごはん)

半熟たまごの目玉焼き
短冊切りのまっかなトマト
こんがり焼け目のさくさくパンに
マーガリンがひとつ。

ほっこり湯気たつ紅茶を注げば
わたしの今日が幕をあける。

ねむりから覚めたばかりのおなかの中に
あつい あまい すっぱい にがいが
次々に、われさきに、やってくる。

何重も、何重も、層のようにかさなって
次第におおきなオーケストラをかなで出す。

「たのしか

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理想の朝ごはん

理想の朝ごはん

(今週のテーマ:朝ごはん)



会議のための資料を急ぎで作る。

「明日の朝一でも間に合うだろう」と昨夜帰ってしまった結果が、いまのこの状況だ。

「こうなることは想像できただろう!」と問われると、想像できたに決まってる。できたとしても帰りたくなることだってあるはずだ。

そんなことを頭の片隅で考えながら、ラップトップのキーボードを指先立てて叩いている。

マルチタスクと呼ばれるものが大の苦手

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生きていくと決めた街

(今週の共通テーマ:くつ下)



「靴下を売るお店をひらいちゃいました」なんてあの人が聞いたら、どんな顔をするだろうか。
少なくとも「おめでとう!」と言っている顔は、まったく想像ができない。
だけれど、たぶんあからさまに怒りはしないだろう。そんな、感情がおおきな波のように表に出るひとではないから。

カラン…とベルが鳴る音がして顔を見上げると、地元の女子高生らしきふたり組が、店のなかにはいって

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穴のあいたくつ下

穴のあいたくつ下

(今週のテーマ:くつ下)



今日のテーマは「くつ下」ときた。

だれかが出すテーマは、自分がかすりもしないものだから面白い、と同時にこう思う。

「難しい…!」

自分が思いもつかない方向から飛んでくるテーマは、あまり深く考えたことがないものばかりだ。

テーマをもらってからすこし考えてみる。そのときのイメージをメモして、時間を置いて再度考えてみる。

大抵はその段階で話が膨らみそうなきっか

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