近距離 … 五百城:いや〜あぶなかったわ〜 〇〇:重い…背中に体重を乗せんな… 五百城:いいじゃん。別に… 〇〇:アホか…寝坊しといて学校に間に合わないからって自転車にまで乗せてんだから、ちょっとは遠慮しろ 五百城:へいへい。わかりましたよ〜けちんぼ〇〇さん。 〇〇:よしわかった。 五百城:へ?何がわかったの? その瞬間から奇声のような声が聞こえたと登校中の生徒は言っていたらしい。 ペダルを漕ぎまくって速度を上げた〇〇 それにビビって大声を上げていた茉央
ため息をついて目を瞑る。今日は全く仕事に集中できていなく、ミス連発で色々な人に迷惑をかけていた事に反省中。 「アルさん…はい」 『…なにこれ?』 「俺からのプレゼント。エナドリ」 『私…飲めないから。君が飲みなさい』 「えぇ…可愛い後輩からのプレゼント、受け取ってくれないんですか?寂しいです…」 『おい…自分で言うな。まぁ…でも…確かにね。一応貰っておくわ。ありがとう』 仕方なく鞄にしまった。 『所で…さっきお願いしたコピー出来てる?』 「はい。これっすよね
別れ際はいつも寂しい② 遅刻しないようにとセットしたはずのタイマーは鳴らず、茉央さんとの待ち合わせに寝坊をかましていた。 「茉央さんごめんなさい。今起きました」と送信すると数秒で既読がつき『ごめんなさい。私もです』とお互い様の状況に笑ってしまう。結局1時間後の集合となり慌てることなく出掛ける準備を始めた。 … 待ち合わせ場所に到着するも、茉央さんの姿はない。立っている間に吹く風はやけに寒く感じる。まるで心に隙間が空いている感じ。 『〇〇君〜おまたせ〜』 遠くからで
別れ際、いつも喉から血の味がする。 本当はもっと一緒に居たいけど… 「なぁ…〇〇…いつものして?」 最後はハグをして別れていく。 一緒に居たいの入れない それは… … サークル飲み会で居酒屋に来ている。今日は女子大の子と合同で、周りは皆んな息巻いていた。 女子大の人達が到着し、皆んな席に着く中、一人の子と目が合う。恥ずかしくてすぐ逸らしてしまったが、本当は少し可愛いなと思っていた。 そして、飲み会が始まると僕は少しして、席の端へ移動する。元々人数合わせ要員な
「…これ使ってください」 差し出されたハンカチを振り払った。 忘れもしない日 あの時から私は恋に落ちていた。 … 川崎:和?今日はどこ遊びに行く? 井上:桜ごめん。今日は用事があるんだ 川崎:え…珍しくない?喧嘩? 井上:まぁ…そんなとこ。 川崎:なら、私も加勢するよ。 井上:いや違うんだ。そういうのじゃなくて 川崎:なに…まさか…男? 井上:い、いやいや!そういうわけじゃない。違うんだ 川崎:そっか…なら、アルノでも誘ってこよ 井上:おう。じゃあ
「なんでこんな事になったの…」心の中で呟く川崎桜 普通に学校から家まで帰っていたはずなのに、気がつくと視界が真っ暗。口をテープで塞がれ、手は縄で縛られていた。 「〇〇のやつこれで、本当に来るんですか?」 「大丈夫だ。なんせ、こいつが彼女だからな。助けに来るだろう」 耳だけは何もされてなかったので、川崎桜は今の会話をちゃんと聴いていた。しかし、〇〇は川崎桜の彼氏じゃない。同級生一ノ瀬美空の幼馴染なのだ。 「ってか、もし来なかったら、この女どうします?」 「そりゃあ決
仕事も終わり、疲れを癒すべくコンビニへ 缶ビール片手に歩いていたら、橋に腰掛けている人を見かけた。 「めっちゃ綺麗な人だなぁ」と田舎くさい町には似合わないほど、綺麗に僕の目には映っていた。 そんな綺麗な人に釘付けになっていると僕はあることに気づく。 橋の下は川になっていて、落ちたら危険だと感じ、声をかけることにした。 … 〇〇:そこにいたら危ないですよ!! 賀喜:なんですか… 〇〇:いや、その、落ちたら危なくないですか? 賀喜:他人に声かける方が危ないと思いま
井上:〇〇は本当にバスケ馬鹿だよね 〇〇:なんだよ。いきなり 井上:だって…体育館で声かけたのに…無視したから 〇〇:それは謝ったじゃん。 井上:悲しかったな… 〇〇:なに… 井上:暑い中待ったから、喉を潤したいな… 〇〇:まさか… 井上:冷たくて、甘いやつが食べたいな… 〇〇:はぁ…しょうがないな…コンビニ行くぞ 井上:いぇい!レッツゴー! 自転車の後ろに乗りながら、はしゃいでしまう。 私と〇〇は幼馴染 幼稚園から高校までずっと同じだから、隣にいる
高校入学したての頃、校内を散策していた時、喧嘩?を売られたことがあった。 菅原:勝負しなさい!ほら! バスケットボールを手渡される。それも相手は女子だった。 菅原:一年でしょ?私も同じだから。勝った方が言うことをひとつ聞く。いいね? 今思うと、変な出会いだ。いきなり現れ、勝負を挑むなんて全く意味がわからない。けど… 菅原:お?いいね。じゃあ三本先取ね! 女子になら負けないと思い、勝負を受けた。 しかし、結果は惨敗。一度もゴールが決まらなかった。 菅原:わははは
井上:ねぇ…先生、疲れたんだけど 〇〇:…なに言ってんの?さっき休憩したばっかりじゃないか… 放課後の教室で、本日提出期限の課題を取り組んでいる井上とそれを見張る〇〇先生。 井上:もう勉強飽きた。やりたくない 〇〇:あのなぁ… 井上:先生、お願い!今回の課題は見逃して! 〇〇:いいわけないでしょ。口を動かしてる暇があるなら、手を動かしなさい。 井上:もぉ!ケチ!鬼!悪魔! 口を尖らせ、駄々をこねる子供みたいだ。 これを見かねた〇〇先生はため息をつく 〇〇:
今日はいろはと映画館へ 「この作品を見たいです」と提案され、今日に至るが、実は一緒に出掛けるのは久しぶり。 日曜日は大体お互いの家を行き来することが多かったし、遊ぶとなればお金が掛かる まだ学生の僕達には、毎回外に出て遊ぶほどお金に余裕がないから、たまにの外出は貴重な時間 だから、今日は楽しみすぎて、あまり眠れずにいた 「〇〇君…手を繋いでもいいですか?」 思わぬ提案に目を丸くする 「嫌ですか?」 息をつかせぬ質問に、そんなことはないと首を横に振ると、それに応
目が覚める 違和感がして スマホを手に取った。 "9:12" 眠気は一瞬で吹っ飛ぶ しかし、ここで慌てたら元も子もない 学校に遅刻するなんて滅多に出来ることじゃないし ここは前向きに考えて もう一度布団を頭からかぶった。 … 「社長出勤とは随分と偉くなったね」 「なんでこんな所にいるんだよ…」 遅刻したことを煽ってくる同級生の賀喜。わざわざそれを言うためだけに職員室の前で待機していたと思うと腹立たしい 「寝坊?」 「いや…睡眠の前借り」 「なにそ
井上君から来た連絡に 既読をつけずにスマホを閉じる "家来ない?" 最近こういった誘いが増えていた この前ネカフェに行った時も 「ちょっと!」 「どこ触ってるの!」 「いいじゃん別に」 二人っきりになればすぐ胸を触ってきたり そういう行為に持ってきたがる 断っても「付き合ってるからいいじゃん」の一点張り 私の気持ちなどどうでもいいみたい 誰かに相談したいけれど 友達にするには気まずいし 家族になんてもってのほか 誰かいい人いないかなと思いながら
「〇〇君〜」 「お待たせしました」 目の前で敬礼のポーズをしながら登場したいろはにドキッとする 「そのコート初めて見たかも」 「そうなんです!」 「この日のために買ってもらったやつなので!」 嬉しそうに微笑むいろはを見て 自分の方へと抱き寄せる 「〇〇君…みんなに見られて」 「恥ずかしいです…」 困った様子を見せられたら 余計に意地悪したくなる 「いろは…」 「はい?」 こっちを見上げた瞬間 唇を奪った 「好きだよ」 思いを伝え もう一度唇
"ごめん" "彼女がいるんだ" 齋藤君に告げられた瞬間 自転車の後ろの席から飛び降りて とにかく走った 呼び止められたような気がしたけど 無視して走った 家に到着してすぐに部屋へと向かう 息が詰まって苦しいけど 今はそれどころじゃない 告白が失敗した事実から 目を背けたくて 今はただ… … 「咲月お待たせ」 「遅いよ…」 息を切らしているから 走ってきたんだろう 「めっちゃ冷えた」 「どうしてくれんの?」 なんてちょっと意地悪してみたり
彼女と久しぶりに過ごす休日 なのに… 「〇〇君?」 「なんか元気ないですね?」 「そんなことないよ…」 痛いところをつかれてしまって 苦し紛れに笑うしかなかった 彼女との時間を大切にせねばと ある提案をいろはにしてみた 「今度の週末どっかいかない?」 「最近遊べてなかったし」 お互いに学校が違うと会う日は限られてくる 環境が変われば生活リズムが変わっていく 「本当ですか!?」 「行きたいです!」 「〇〇君と遊びたいです!」 無邪気に笑ういろはを