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カナワヌアイテ




高校入学したての頃、校内を散策していた時、喧嘩?を売られたことがあった。


菅原:勝負しなさい!ほら!


バスケットボールを手渡される。それも相手は女子だった。


菅原:一年でしょ?私も同じだから。勝った方が言うことをひとつ聞く。いいね?


今思うと、変な出会いだ。いきなり現れ、勝負を挑むなんて全く意味がわからない。けど…


菅原:お?いいね。じゃあ三本先取ね!


女子になら負けないと思い、勝負を受けた。


しかし、結果は惨敗。一度もゴールが決まらなかった。


菅原:わははは!我の勝ち也!


目の前でガッツポーズされると余計にムカつく。


悔しい気持ちを抑え、立ち去ろうとしたら…


菅原:待ちなさい!私が勝ったから、言うこと聞いてもらうから。よろしくね?池田〇〇君


これがバスケ部に入部したきっかけだった。




高校バスケに終わりを告げ、久しぶりにきた体育館。最後にここであることをしたい。


良いのか悪いのか、この体育館で勝負に負けた日から俺の生活は大きく変わった。バスケ部に入部し、仲間と出会い、沢山笑って、沢山泣いた。


だから、あの日、アイツに出会わなかったら、今の自分はいない。そう思えるほど大切なやつなんだ。


リングを眺め、ある事を決心すると


やがて、扉は開いた。


菅原:やぁ!やっぱり、体育館にいると思った。早く帰ろう!!


〇〇:咲月か…


菅原:咲月か…じゃないよ。私じゃいけないのか!


〇〇:そんなこと言ってないだろ…


菅原:で?なに黄昏てんの?


〇〇:……いや?別に…


菅原:隠すなって!まさか!寂しいのか?私と離れ離れになるのが…


〇〇:はぁ…せっかくの雰囲気が台無しだわ。


菅原:え〜どういう意味ですか〜


〇〇:…ほら。勝負…勝った方が言うことを聞くやつ。


菅原:え!?今!?バッシュ履いてないんだけど…


〇〇:そうだよ。良いだろ別に。俺も履いてないから、一緒だわ。


菅原:え…まぁ…うん。


〇〇:ルールはあの日と一緒で、3本先取な


菅原:それでいいけど。ちょっと待って…


〇〇:なに?


菅原:私が負けたらなにするの?



それは………












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