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青春物語④

彼女と久しぶりに過ごす休日

なのに…

「〇〇君?」

「なんか元気ないですね?」

「そんなことないよ…」

痛いところをつかれてしまって

苦し紛れに笑うしかなかった

彼女との時間を大切にせねばと

ある提案をいろはにしてみた

「今度の週末どっかいかない?」

「最近遊べてなかったし」

お互いに学校が違うと会う日は限られてくる

環境が変われば生活リズムが変わっていく

「本当ですか!?」

「行きたいです!」

「〇〇君と遊びたいです!」


無邪気に笑ういろはを見て

どこか菅原の姿が重なる

「…いろは」

「もうちょい寄っていい?」

肩に身を寄せ

手を握り合わせた

優しさに甘えて

重なる影と重ならない想いから

目を逸らした。



いろはが見えなくなるまで手を振る

自転車を漕ぎながら

背中が軽い

さっきまでいろはを乗せていたせいか

それとも…

信号待ちの時間を潰すため

スマホを取り出した

"今まで送り迎えありがとうございました"

"明日からは一人で行きます"

信号が赤から青へ

ペダルを強く踏み

息が止まるほど早く漕いだ。

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