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PCT9条 出願人


(1)日本国特許庁が受理官庁であれば、出願人の一部が日本に住所と国籍を有していない場合でも、出願することができます

 日本国特許庁が受理官庁であれば、出願人の一部が日本に住所と国籍を有していない場合でも、出願することができます(PCT規則19.2)。

これは、日本国特許庁を受理官庁とする場合、少なくとも出願人の一人が日本国民あるいは日本に住所を有する外国人であれば出願することができるためです(PCT規則19.2)。

(2)締約国において現実かつ真正の工業上、または商業上の営業所を有する場合は「住所を有する」とみなされます

 法人を国民と擬制する規定(PCT規則18.1(b)(ii))に関連する規定ですが、締約国において現実かつ真正の工業上又は商業上の営業所を有することは、当該締約国において住所を有するものと擬制されます(PCT規則18.1(b)(i))。

(3)PCT締約国の居住者及び国民以外でも、パリ条約の締約国の居住者及び国民で、総会が決定した者はPCT出願をすることができます

 PCTはパリ条約の特別取極です。このため、パリ条約同盟国ですが、PCTに加盟していない国もあります。
このようなパリ条約同盟国の国民等であり、PCT未加盟国の国民等である者についても、総会の決定を受けられれば、PCT9条によりPCT出願が可能です。

・PCT9条 出願人

第九条 出願人
(1) 締約国の居住者及び国民は、国際出願をすることができる。
(2) 総会は、この条約の締約国ではないが工業所有権の保護に関するパリ条約の締約国であるいずれかの国の居住者及び国民に国際出願をすることを認めることを決定することができる。
(3) 住所及び国籍の概念並びに二人以上の出願人がある場合又は出願人がすべての指定国について同一でない場合におけるこれらの概念の適用については、規則に定める。

・PCT18規則 出願人

第十八規則 出願人
18.1 住所及び国籍
(a) 出願人が自ら居住者又は国民であると主張する締約国の居住者又は国民であるかどうかの問題は、(b)
及び(c)の規定に従うことを条件として、当該締約国の国内法令によるものとし、受理官庁が決定する。
(b) いかなる場合にも、
(ⅰ) 締約国において現実かつ真正の工業上又は商業上の営業所を有することは、当該締約国において住所を有するものとみなす。
(ⅱ) 締約国の国内法令に従つて設立された法人は、当該締約国の国民とみなす。
(c) 国際出願が受理官庁としての国際事務局にされた場合には、国際事務局は、実施細則に定めるところにより、関係締約国の国内官庁又はその関係締約国のために行動する国内官庁に対し、(a)の問題について決定を行うよう要請する。国際事務局は、出願人にその要請について通知する。出願人は、当該国内官庁に対して直接論拠を提出する機会を有する。当該国内官庁は、その問題について速やかに決定を行う。
18.2 削除
18.3 二人以上の出願人
二人以上の出願人がある場合において、出願人のうち少なくとも一人が第九条の規定に基づき国際出願をする資格を有するときは、国際出願をすることができる。
18.4 出願人についての国内法令に規定する要件に関する情報
(a)及び(b) 削除
(c) 国際事務局は、国内出願をする資格を有する者(発明者、発明者の承継人、発明の所有者その他の者)に関する各国の国内法令に関する情報を随時公表するものとし、指定国における国際出願の効果が、その指定国につき出願人として表示されている者がその指定国の国内法令に基づき国内出願をする資格を有する者であるかどうかによつて影響されることがある旨の警告を当該情報に付記する。


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