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PCT14条 国際出願の欠陥


(1)国際出願の形式的な要件

 国際出願の形式的な要件は、
①規則の定めるところによる署名があるか、
②出願人に関する所定の記載があるか、
③発明の名称の記載があるあるか、
④要約が含まれているか、
⑤所定の様式上の要件が規則に定める程度にまで満たされているか、
の5個です(PCT14条(1)(a))。

 仮に、これらの要件(PCT14条(1)(a))が満たされていない場合、受理官庁は出願人への所定期間内の補充を求め、補充がされない場合は国際出願は取下擬制になります(PCT14条(1)(b))。

※正確には、取下擬制とみなされ、受理官庁は、その旨を宣言します(PCT14条(1)(b))。

 また、PCTでは、国際出願時に要約が無く、その後、要約を提出したとしても、国際出願日は繰り下がりません。見方を変えると、要約の提出は国際出願日には影響しません(PCT14条)。

一方、国際出願時に含まれていなかった図面を、国際出願日後に提出すると、図面の到達日が国際出願日になります(出願日が繰り下がります)(PCT14条)。一方、それ以外の場合は、その図面への言及がないものとみなされます(PCT14条(2))。

(2)複数人で出願する場合、願書には代表者の署名だけではダメです

複数の出願人がいる場合は、願書にする署名は代表者の署名だけではダメで、すべての出願人の署名が必要です(PCT規則4.15)。

・PCT14条

第十四条 国際出願の欠陥
(1)(a) 受理官庁は、国際出願に次のいずれかの欠陥が含まれていないかどうかを点検する。
(ⅰ) 規則の定めるところによる署名がないこと。
(ⅱ) 出願人に関する所定の記載がないこと。
(ⅲ) 発明の名称の記載がないこと。
(ⅳ) 要約が含まれていないこと。
(ⅴ) 所定の様式上の要件が規則に定める程度にまで満たされていないこと。
(b) 受理官庁は、(a)のいずれかの欠陥を発見した場合には、出願人に対し所定の期間内に国際出願の補充をすることを求める。補充をしなかつた場合には、その国際出願は、取り下げられたものとみなし、受理官庁は、その旨を宣言する。
(2) 国際出願が実際にはその国際出願に含まれていない図面に言及している場合には、受理官庁は、出願人にその旨を通知するものとし、出願人は、所定の期間内にその図面を提出することができる。出願人が所定の期間内にその図面を提出した場合には、受理官庁がその図面を受理した日を国際出願日とする。その他の場合には、その図面への言及は、ないものとみなす。
(3)(a) 第三条(4)(ⅳ)にいう所定の手数料が所定の期間内に又はいずれの指定国についても第四条(2)にいう所定の手数料が所定の期間内に支払われていないと受理官庁が認めた場合には、国際出願は、取り下げられたものとみなし、受理官庁は、その旨を宣言する。
(b) 第四条(2)にいう所定の手数料が所定の期間内に一又は二以上の指定国について支払われているがすべての指定国については支払われていないと受理官庁が認めた場合には、その手数料が所定の期間内に支払われていない指定国の指定は、取り下げられたものとみなし、受理官庁は、その旨を宣言する。
(4) 受理官庁が、国際出願日を認めた後所定の期間内に、当該国際出願が第十一条(1)(ⅰ)から(ⅲ)までに掲げるいずれかの要件をその国際出願日において満たしていなかつたと認定した場合には、当該国際出願は、取り下げられたものとみなし、受理官庁は、その旨を宣言する。

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