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あしたの小窓から。

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小窓のむこうに、ちいさな「あした」が見える。 ここでは音楽、教育、投資、霊性などについて、考えたり感じたりしたことをつれづれに綴っています。
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#あなたのうた

こころの天気図。

こころの天気図。

生きれば生きるほど、「こころ」の力はすごいものだなと圧倒される。
怒り、悲しみ、寂しさ、空しさ、そのほかにも数限りなくある、名付けようのない「こころ」の変化にいつも人は振り回される。その反応に駆られて、一生を棒に振る人だっている。

それは気象によく似ている。「気分が晴れる」「心が曇る」などと言ったりもするが、じっさい、人の内界には空の天気と同じような気象がうごめいているように思える。

豪雨や台

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そこに「マルス」をみる。

そこに「マルス」をみる。

いま観ている『ベルサイユのばら』の後半、主人公、オスカル・フランソワが画家に肖像画を描かせるシーンがある。

オスカルは自室の椅子に静かに座っている。
画家はオスカルをじっと見つめながら、色を決め、絵筆を進める。

できた画は、軍神マルスの姿をし、白馬に乗ったオスカルの肖像であった。画家は「お気に召さなければ、持ち帰って宝物にしますが」というが、オスカルもまわりの人たちも大変満足だと返す。

この

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時には仕事の話を。

時には仕事の話を。

フェイスブックで紹介されたり、問い合わせが入ったりしたので、久しぶりに自営の仕事(㐧二音楽室)のことを文章にした。

書いたのは、次のようなことだ。

『あなたのうた』は、15分間「未二観」(みにかん)のかたちでお話をうかがい、そこから曲をおつくりする㐧二音楽室の主力事業、そして今後、ライフワークになる気がする仕事です。

最近、『あなたのうた』は記念写真みたいなもんじゃないかとよく考えます。写真

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ぼくの家、わたしの家。

ぼくの家、わたしの家。

面白い話をきいた。
家を建てる時に、むかしは「肘から手首まで」というように家主の身体の長さを単位にしたのだという。家の修繕ができないからというのがその理由らしい。

それを聞いて、一人ひとりの身長や腕の長さを基準にした家が建ち並んでいる光景を想像した。まちまちの、いびつな高さのでこぼこな街並み。すごくいい。

身体が物差しというのもいいなと思った。牛乳をいっぱい飲むとか補助手段もあるけれど、基本的

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その人にしかうたえない歌。

その人にしかうたえない歌。

昨日『TSUNAMI』のことを書いたけれど、

桑田さんが

見つめ合うと素直に おしゃべりできない

と書いたのとおなじように、人はひとりひとり、その人独自のキラーフレーズを持っているんじゃないかと思っている。

どうしてそう思うかというと、『listen.』のような場で集中して人の話をきいていると、それが聴こえてくるからだ。

その言葉だけ、まるで歌のようにひびく。
それはありふれた言葉の組み

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どっぱーん、ざっぱーん。

どっぱーん、ざっぱーん。

昨日も未二観とおしゃべりで過ごす『listen.』をした。

やっぱりすごく面白かった。

普通に会話するより、最初に「未二観」をはさんだ方がいい感じがする。
それはなんでだろう、と考えてみた。

ストロークが長い。普通の会話は「キャッチボール」に例えられるように、しゃべって、聞いて、しゃべって、聞いてが繰り返される。ワンツーとしゃべって、ワンツーと返すという感じのストロークだ。けんかなどの応酬に

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聞くことのヤバみ。

聞くことのヤバみ。

「相手を理解する」方法はだいたい次の3つに分けられます。

1つ目は、相手の年齢・職業・地位・学歴・健康状態など、「本人や第三者から得られた情報・データを理解する方法」です。履歴書やカルテを読むような感じで、客観的ではありますが、どうしても表面的な理解に留まってしまいます。

2つ目は、自分の「準拠枠」で相手を理解する方法です。準拠枠とは、自分の経験や価値観、知識、思考などの枠のことで、日常的には

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話すとわかる。

話すとわかる。

昨日の

ともつながるかもしれないけれど、本当に「話すとわかる」ことって多い。

今日もこんなことがあった。

僕は『あなたのうた』の披露のために、豊田市に行った。

演奏が終わって、歌詞のある部分について「ここはどういう意味?」と尋ねられた。

その時には「わからない」と答えたけれど、しばらくおしゃべりを続けるうちに、ふっと「こういうことかもしれない」と思いついた。

その解釈は、こじつけと言わ

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面白がる人。

面白がる人。

昨日、こんな動画を紹介してもらって驚いた。

『あなたのうた』の参加者、木村公紀子さんが、ダンサーの Tomoko Miyata さんに依頼して踊ってもらったという。

驚いたし、うれしかった。
できた曲を歌ったり聴いたりすることはあっても、こんなふうに楽しんでもらえるとは、想像していなかったからだ。

『あなたのうた』は、15分聞かせてもらったお話から、世界に二つとない、その人だけの歌をおつくり

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「理解」が向こうからやって来た。

「理解」が向こうからやって来た。

あられもない何かをあらわにする覚悟は、あらわれたありのままの姿をそのまま受け容れ寿ぐ責任と裏表だと思っています。

音と言葉で剥くも剥がすもこちらの力加減しだいですが、やり過ぎても、やらな過ぎても魔法が効かないのを知っている以上、逆に手加減が許されないわけです。

偽善と虚飾で魂が満たされないから、刃物振るってるんですし。やるならとことん、ありったけの愛で。斬り込みましょうよ。応援しとります❤️

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こころを支える、ひみつのアンセム。

こころを支える、ひみつのアンセム。

先日のライブ『みんなのうた』で見事な歌声を披露してくださった中島小百合さんが、『あなたのうた』の紹介文を書いてくれました。

***

突然ですが私たちの心には層があって、
ふだん他人に見せるのは表面のほう。

そして大切な想いは、むやみに人目に触れない
奥のほうに隠してあります。

どの層にもその人の「ほんとう」は
含まれているのですが、奥のほうへ行くにつれて
「ほんとう」の純度が高くなっていき

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伴奏冥利。

伴奏冥利。

ライブ『みんなのうた』は、文化の日の3日に終わったのだけれど、参加した方が次々に感想をアップしてくれたので、余韻が消えないままでいる。

その中に「言葉にならない」「言語化不能」というコメントがあって、そうだよなぁと思いながら読んだ。

たった三時間とは思えないほど、いろんなことがあったから。

そんな中でも、僕自身は『あなたのうた』を頼んでくださったご本人が歌うコーナーで、伴奏をした手ごたえが忘

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あそんでくれて、ありがとう。

あそんでくれて、ありがとう。

ライブ『みんなのうた』が終わった。

完全燃焼。
いま、帰りの電車の中でこれを書いているが、携帯も僕もバッテリーが切れかけている。

すごい時間だった。
「これは音楽のライブだったんだろうか」と思いたくなるくらいの。

歌って、しゃべって、唄ってもらって。
ただそれだけのはずなのに、もっとたくさんのことが起きた感じがする。

「ご本人さん登場」ということで唄ってもらった四人の歌も本当によかった。伴

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ライブってなんだろう。

ライブってなんだろう。

昨日も書いたけど、ライブが明日に迫っている。

いまは名古屋の自宅にいて、布団では奥さんが寝ている。いい天気だ。
ライブ前日の綿密なリハーサル、はしていないどころか、さっきまで僕も寝ていた。

僕のひらくライブは、ふつうの音楽ライブと違う。
ステージの上に立って、たくさん照明が当たって、お客さんがワーッとなるようなライブにはならない。

ステージはなく平場で、お客さんと同じ目線で、顔が見える人数で

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