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あしたの小窓から。

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小窓のむこうに、ちいさな「あした」が見える。 ここでは音楽、教育、投資、霊性などについて、考えたり感じたりしたことをつれづれに綴っています。
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#歌うこと

その人にしかうたえない歌。

その人にしかうたえない歌。

昨日『TSUNAMI』のことを書いたけれど、

桑田さんが

見つめ合うと素直に おしゃべりできない

と書いたのとおなじように、人はひとりひとり、その人独自のキラーフレーズを持っているんじゃないかと思っている。

どうしてそう思うかというと、『listen.』のような場で集中して人の話をきいていると、それが聴こえてくるからだ。

その言葉だけ、まるで歌のようにひびく。
それはありふれた言葉の組み

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歌うように歌って。

歌うように歌って。

今日の「ほぼ日」のコラム「今日のダーリン」がすごくよかった。
(明日1月6日まで読めます。よかったらぜひ :-)

1歳2ヶ月のお孫さんのまだたどたどしい日本語を聞くイトイさん。
そこでこんなことを思う。

あっ、そうなのか、生まれたばかりの人は異邦人なのだ。
日本という土地にやってきた赤ん坊という異邦人が、
どうやって日本語をしゃべれるようになるかがわかった。

きっと、こうやって「でたらめ」と

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話すこと。語ること。そして歌うこと。

話すこと。語ること。そして歌うこと。

「話」というのはだいたい普通にあったことを言っている。「語り」になりますと筋が出てくる。そして「歌」のほうまでいってしまうと、普通の人間関係から離れてくる。

(略)

普通話をしているときよりも語りになったほうがちょっと自我のコントロールが弱まる。歌になるとますますーーこの歌というのはたんにだれかの歌を歌うというのではなくて、歌い上げるとか、そういう場合を考えるとわかると思います。このようにずう

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熱と冷え。

熱と冷え。

名古屋でのライブ『みんなのうた』が終わった。

東京でもそうだったけれど、信じられないほどの反響だった。

だから、まだ言葉にならないことの方が多い。

それでもいま、ヘロヘロながらも、はっきりと思っていることは「熱と冷え」のことだ。

一生懸命歌うと、熱が出る。
歌詞や意味や、だれのどんな歌かということよりも先に、僕らはその熱で交流しているような気がする。

そう感じる場面が、今日、何度もあった

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歌うでしかし。

歌うでしかし。

泣きたくなることも あるでしょう
それぐらい 本気で生きてたら
そういうとき ぼくはこうするよ
ララララ ラララララララ

ドーナツ屋の 角をまがって
きみのことを もっと知りたいな
ぼくのことを 愛してるんでしょう?
ナーナナ ラララララララ

唐突だけど むかし話
まあまあ いい感じ
そういう時を 積みかさねて
育まれる愛、かな

うたおう こころに
強靭な野草を
二人きりの ちいさな部屋に

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海の底で私たちは地続きである。

海の底で私たちは地続きである。

内田樹さんは、昔から好きな作家さんだったけれど、最近さらに自分の体験に接近してきた感覚がある。

鷲田清一さんとの共著『大人のいない国』(文春文庫、二〇一三年)

は、もともとこの記事で「大人になること」について考えたことから手に取ったものだった。

けれど、実際に響いたところは、むしろ「きくこと」や「うたうこと」に関わる箇所だった。長くなるが、備忘録として抜き書きしておく。 

 人々がその「か

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もろ手を挙げては。

もろ手を挙げては。

幼稚園か小学校の、だいぶ小さかった頃に、わきの下をくすぐって、ふざけあったことがある。

だれかが腕を挙げたスキをついて、こちょこちょっとやる。
あれは本当にくすぐったくて、身をよじって逃げまわったものだ。

ひょんなことから、そのことを思い出した。

僕が手がけている「あなたのうた」の第一期が満席になったのだ。

昨日、曲をお渡しした土屋友理さんがフェイスブックで紹介してくれて、今朝起きたら「お

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歌とともにシーラカンスの棲む場所へ。

歌とともにシーラカンスの棲む場所へ。

今日は「あなたのうた」第一期の、お一人目の歌をお届けに行った。

「あなたのうた」は、十五分お話を聞かせていただいて、そこからあなただけの、世界に二つとない歌をつくる、という仕事だ。

歌の披露は基本的にオンラインで行っているけれど、近くに住んでいたり、旅費を負担いただけたりしたときには、直接ギターを抱えてお伺いしている。

今日は、午前中に一回目のお披露目をした。
小学校の遠足にぶつかって、子ど

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ゴールデンウィークからの予告です。

ゴールデンウィークからの予告です。

ゴールデンウィークからの仕事で、会場としてお世話になる西念寺さんから

「行事のフライヤーがあるとご案内しやすいんですけど」

とリクエストをもらった。

「行事って言い方いいな」と思いつつ、市販のソフトでつくってみたら、あらびっくり、ずいぶんたくさんできてしまった。

お寺の中で配る用だけどもったいないので、それぞれのイベントの予告をしがてら、ここでもご紹介。

まずは、来週4月28日(日曜日)

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叫べという。

叫べという。

「叫べ」という この確かな心を

という曲が Radwimps にあるが、僕は今日ちょっと叫びたい気分だった。

でも、うちはマンションで、しかも壁が薄い。
だから思いっきり叫ぶことなんてできない。
島国日本の住宅事情は、叫ぶことには向いていない。

そうは言っても、日常の中で叫びたいことってある。
暴れたいことも、なんなら殴ってやりたいって思うことも、ありますよね。僕だけですか。

そういうもの

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すきな歌の話がしたいな。

すきな歌の話がしたいな。

こないだ、西念寺で場をひらいたとき、突然、歌の話になった。

中島みゆきの初期の曲に「真直な線」というのがあって、その歌詞が話題になったのだ。

真直な線を引いてごらん
真直な線なんて引けやしないよ
真直な定規をたどらなきゃね

どういう意味だろう?と思って、その曲を持っていた人がスマホで流してみんなで聴いた。

昭和のにおいがぷんぷんした。
「真直な定規をたどる」の意味はわからなかったけれど、な

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いきいきとする。

いきいきとする。

昨日、「面食い」の話をしてましてね、

僕自身、自分のことを「面食い」だと思ってきたのですが、どうもそれは雑誌に載るような美人ばかりを追っかけてきたわけではなかったらしい。

それよりも人が時に見せる、ハッとするほどいきいきとした表情を捉えて「かわいい」とか「きれい」と言っていたことが判明。

それはいつも、突然に起こるんです。
一時間目と二時間目のあいだだとか、放課後ちらっと見た部活動の最中だと

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『魂うた®︎』のすきなとこ。

『魂うた®︎』のすきなとこ。

昨日ひらいたワークショップで、参加した人に『魂うた(魂と繋がる歌の唄い方)』の話をしたら、すごく久しぶりにやりたい気持ちがよみがえった。

人にお金を払って来てもらう。
そのことを思うと『魂うた』の案内はどうしても「その場を通じて、どういういいことがあるか」という話になりやすい。

温泉でいうと「薬効」。
ラドンとか硫黄が入っていて、疲れがとれるとか、肩こりがなおるとかそういうことね。

『魂うた

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火の鳥

火の鳥

人間は、生きているうちに生まれ変わることができるのだろうか。

手塚治虫の『火の鳥』は、黎明編からはじまり、鳳凰編、太陽編、宇宙編、ギリシャ・ローマ編など様々な地域、時代の人類の営みを追っていく。

何度読んでも、作者手塚の想像力の凄まじさに舌を巻く。いまだにこれほどのスケールを持つ作品にお目にかかったことがない。

登場人物の中で唯一、火の鳥だけが「人智を超えた存在」としてすべての時代を行き来す

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