にのらく茶園

瀬戸内の温暖な気候に恵まれた愛媛県内子町で、茶品種「べにふうき」を有機栽培で育てている…

にのらく茶園

瀬戸内の温暖な気候に恵まれた愛媛県内子町で、茶品種「べにふうき」を有機栽培で育てている茶農家です。土づくりから製茶、販売まで一貫して行っています。半世紀以上前の機械を相棒に、昔ながらの製法で美味しいお茶づくりに取り組んでいます。 https://ninoraku.com/

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  • 茶農家のつぶやき(仮)

    紅茶・緑茶のこと、べにふうきのこと、農業のこと、オーガニックのことなどをぼちぼちつぶやいています。

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デスクワーカー、茶農家になる

はじめまして。にのらく茶園のアズマコウスケです。愛媛県内子町という、知る人ぞ知る地域でべにふうきという品種の紅茶・緑茶を有機栽培で作っています。ひょんなことから…

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紅茶ができるまで

今回は、にのらくの紅茶がどのようにして作られるのかをご紹介したいと思います。 にのらく茶園では愛媛県内子町の山あいにある茶畑で収穫(摘採)した生葉すぐに近くの工…

にのらく茶園
2週間前
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6次産業化に取り組んでいます

現在テレビではお茶のCMを見ない日は無く、生活に溶け込んだ飲み物になっています。 ペットボトル茶等の緑茶飲料も年々市場規模が大きくなっていますが、その一方で茶農家…

にのらく茶園
2週間前
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土から始まるお茶づくり

紅茶や緑茶のもとになるチャノキは、野菜のように植えた年に収穫できるわけではありません。苗を植えてから収穫するまで、早くても3~4年! その間はひたすら雑草を取り除…

にのらく茶園
2週間前

紅茶と緑茶とウーロン茶

日本でよく飲まれているお茶というと緑茶、紅茶、ウーロン茶などがあるかと思います。 それぞれ香りも味も違って個性のあるお茶ですが、この3つは同じ葉から作られるのは…

にのらく茶園
2週間前
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オーガニックは美味しいのか?

紅茶と真剣に向き合うようになって改めて感じたのが、紅茶はかすかな香りや味わいの変化を楽しむ飲み物だということ。そしてそれが分かるようになると、ぐっと世界が広がる…

にのらく茶園
2週間前
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有機JASとは?

最近はオーガニック食品やオーガニックコットンの洋服など、オーガニックのものを手に入れやすい環境になっています。 オーガニック商品を手に取ったときに目にするのが下…

にのらく茶園
2週間前

農家から見た有機JASの課題

最近は加工品だけでなく野菜にも有機JASマークのついたものが見られるようになりましたが、実際に自分が農家になって有機JASに取り組む中で感じたことについてお話したいと…

にのらく茶園
2週間前

紅茶は世界一!?

みなさんはリラックスしたいとき、何を飲みますか?紅茶や緑茶でほっと一息、という方も多いかと思います。 同じようにリラックスしたい時に飲むものとしてコーヒーがあり…

にのらく茶園
2週間前

紅茶の歴史を少し、、、

世界では緑茶よりたくさん飲まれている紅茶ですが、その歴史の長さは緑茶に軍配が上がります。緑茶の起源については諸説ありますが、少なくとも紀元前には中国で飲まれてい…

にのらく茶園
2週間前
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ところでお茶ってなぁに?

現在、お茶は世界中でたくさん飲まれています。特に紅茶は水を除いて最も飲まれているドリンクと言われており、その他緑茶や麦茶、ルイボスティーやハーブティーなど多種多…

にのらく茶園
2週間前
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和紅茶とは?

最近は和紅茶が徐々に広まってきており、和紅茶専門店も増えてきています。日本生まれの茶品種を日本で栽培し、製茶された和紅茶は茶品種や栽培地域によって味わいが変わり…

にのらく茶園
2週間前
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紅茶と水の話

おいしい水で作ったら紅茶もおいしくなるはず!と思ってミネラルウォーターを使っていませんか?今回は紅茶と水のお話です。 私たちが日々何気なく飲んでいる水道水。地域…

にのらく茶園
2週間前
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お茶の保管方法について

「茶葉の保管はどうしたらいいですか?」と聞かれたときは「まずしっかり袋を閉じて、直射日光と湿気を避け、お部屋の中の涼しいところで保管してください。冷蔵庫でなくて…

にのらく茶園
2週間前
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お茶はどれくらい日持ちする?

夏は水出し紅茶が美味しい季節。緑茶も煮出した後で冷やすとすっきり飲みやすくなりますね。ある程度多めに作り、冷蔵庫で保管される方も多いかと思います。でも家で作った…

にのらく茶園
2週間前

メチル化カテキンとは?

べにふうき緑茶を見かけたとき、必ずといっていいほど目にする「メチル化カテキン」。最近は「ガレート型カテキン」と呼ばれることもありますが、どんな成分なんでしょうか…

にのらく茶園
2週間前
デスクワーカー、茶農家になる

デスクワーカー、茶農家になる

はじめまして。にのらく茶園のアズマコウスケです。愛媛県内子町という、知る人ぞ知る地域でべにふうきという品種の紅茶・緑茶を有機栽培で作っています。ひょんなことから44歳で茶農家を継ぐことになり、今年(2024年)で4年目になります。noteでは農業やお茶に関する記事の他、にのらく茶園をお取扱いいただいているお店の紹介などをしていきたいと思っています。

最近は若い方の新規就農が話題になったりしていま

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紅茶ができるまで

紅茶ができるまで

今回は、にのらくの紅茶がどのようにして作られるのかをご紹介したいと思います。

にのらく茶園では愛媛県内子町の山あいにある茶畑で収穫(摘採)した生葉すぐに近くの工房に運び、自分たちで製茶しています。

にのらく茶園では毎年春・夏・秋の3回、オーソドックス製法といわれる昔ながらの製法で昔ながらの機械を使って紅茶を作っています。

茶畑で摘んだときは青々としていた生葉が、どのような工程を経て黒っぽい乾

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6次産業化に取り組んでいます

6次産業化に取り組んでいます

現在テレビではお茶のCMを見ない日は無く、生活に溶け込んだ飲み物になっています。

ペットボトル茶等の緑茶飲料も年々市場規模が大きくなっていますが、その一方で茶農家の廃業が後を絶たないのです。

農林水産省の統計では平成12年から27年の間でなんと半分以下に!その主な原因は買い取り価格の下落と後継者不足。

特に小規模農家は生活も苦しく跡継ぎも見つからず、茶園の継続を諦める方が多くおられます。

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土から始まるお茶づくり

土から始まるお茶づくり

紅茶や緑茶のもとになるチャノキは、野菜のように植えた年に収穫できるわけではありません。苗を植えてから収穫するまで、早くても3~4年!

その間はひたすら雑草を取り除き、病気や害虫、イノシシ等からチャノキを守り続けます。丁寧に気持ちを込めて手入れしていても、元気な苗もあれば枯れてしまうものもあります。

チャノキが大きく育つ要素としてとても大きなものが土。他の作物でも同じですね。いい土をつくるため、

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紅茶と緑茶とウーロン茶

紅茶と緑茶とウーロン茶

日本でよく飲まれているお茶というと緑茶、紅茶、ウーロン茶などがあるかと思います。

それぞれ香りも味も違って個性のあるお茶ですが、この3つは同じ葉から作られるのは意外と知られていません。

緑茶も紅茶もウーロン茶も元は「チャノキ(カメリア・シネンシス)」という植物の葉。

その摘み取った葉(生葉:なまは と呼びます)をどのように加工していくのかによって、紅茶になったり緑茶になったりするのです。

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オーガニックは美味しいのか?

オーガニックは美味しいのか?

紅茶と真剣に向き合うようになって改めて感じたのが、紅茶はかすかな香りや味わいの変化を楽しむ飲み物だということ。そしてそれが分かるようになると、ぐっと世界が広がること。

薄味の和食で素材の味を楽しむのに少し似ていますね。紅茶好きの方の味覚は比較的敏感なのかもしれません。

そんな紅茶好きの方に、ぜひにのらく茶園の紅茶「妖精の火香」を飲んでいただきたいと思います。飲んだ後に口内に残るえぐ味の少なさを

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有機JASとは?

有機JASとは?

最近はオーガニック食品やオーガニックコットンの洋服など、オーガニックのものを手に入れやすい環境になっています。

オーガニック商品を手に取ったときに目にするのが下のようなマーク。これは有機JASという認証を得た印です。

JASとは日本の農林水産製品について全国的に統一して定められた規格で、成分や性能などの規格を満たした商品にJASマークを付けることができます。

有機JASマークは大雑把にいうと

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農家から見た有機JASの課題

農家から見た有機JASの課題

最近は加工品だけでなく野菜にも有機JASマークのついたものが見られるようになりましたが、実際に自分が農家になって有機JASに取り組む中で感じたことについてお話したいと思います。

にのらく茶園は開園当初から有機JAS認証を取得していますが、有機JASのマークが無いものはオーガニックでない、なんてことはありません。

認証無しでもまじめに有機農業に取り組んでおられる農家さんはたくさんおられます。その

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紅茶は世界一!?

紅茶は世界一!?

みなさんはリラックスしたいとき、何を飲みますか?紅茶や緑茶でほっと一息、という方も多いかと思います。

同じようにリラックスしたい時に飲むものとしてコーヒーがありますね。日本ではカフェ等でもコーヒーがメインで、紅茶はメニューも少なめ。紅茶専門店もそれほど多くはありません。また緑茶と比べても紅茶の消費量は少なくなっています。べにふうき農家としては少し悲しい現状です、、、

しかし世界に目を向けてみる

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紅茶の歴史を少し、、、

紅茶の歴史を少し、、、

世界では緑茶よりたくさん飲まれている紅茶ですが、その歴史の長さは緑茶に軍配が上がります。緑茶の起源については諸説ありますが、少なくとも紀元前には中国で飲まれていたようです。

ただ、当時は今のように飲み物としてではなく薬のような扱いで、上流階級の人だけが手に入るものでした。この頃からお茶の効能は知られていたんですね。唐の時代になるとお茶は飲み物として中国国内に広まっていきます。世界最古のお茶の本と

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ところでお茶ってなぁに?

ところでお茶ってなぁに?

現在、お茶は世界中でたくさん飲まれています。特に紅茶は水を除いて最も飲まれているドリンクと言われており、その他緑茶や麦茶、ルイボスティーやハーブティーなど多種多様なお茶が生活に溶け込んでいます。

では、お茶の定義は何なのかというと、一般的には「チャノキ」という植物の葉から作られた飲み物を指します。チャノキはツバキ科ツバキ属の常緑樹で、椿やサザンカの仲間になります。学名はカメリア・シネンシス(Ca

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和紅茶とは?

和紅茶とは?

最近は和紅茶が徐々に広まってきており、和紅茶専門店も増えてきています。日本生まれの茶品種を日本で栽培し、製茶された和紅茶は茶品種や栽培地域によって味わいが変わり、様々な個性を楽しむことができます。

広まりを見せている一方、和紅茶は美味しくないという方もいらっしゃいます。もちろん味の好みはありますが、茶品種も味を大きく左右します。

別のページでも書いていますが、紅茶も緑茶も同じ木(チャノキ)から

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紅茶と水の話

紅茶と水の話

おいしい水で作ったら紅茶もおいしくなるはず!と思ってミネラルウォーターを使っていませんか?今回は紅茶と水のお話です。

私たちが日々何気なく飲んでいる水道水。地域によって差はありますが、日本の水道水は軟水の場合が多いです。

カルシウムやマグネシウムの含有量が少ない軟水はクセが少ないため、和食など素材の味を楽しむ料理に適していると言われていますが、それは紅茶にとっても同じなんです。

軟水で淹れる

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お茶の保管方法について

お茶の保管方法について

「茶葉の保管はどうしたらいいですか?」と聞かれたときは「まずしっかり袋を閉じて、直射日光と湿気を避け、お部屋の中の涼しいところで保管してください。冷蔵庫でなくても大丈夫です」とお伝えしています。

低い温度の方が劣化しにくいということで冷蔵庫に入れる方もいらっしゃいますが、それは基本的に不要です。ここでは茶葉が劣化する原因についてお話したいと思います。

劣化の原因は色々ありますが、基本的に茶葉は

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お茶はどれくらい日持ちする?

お茶はどれくらい日持ちする?

夏は水出し紅茶が美味しい季節。緑茶も煮出した後で冷やすとすっきり飲みやすくなりますね。ある程度多めに作り、冷蔵庫で保管される方も多いかと思います。でも家で作った無添加のお茶は傷みも気になるもの。では実際にどれくらい日持ちするのでしょう?

基本的には冷蔵庫に入れ、2~3日で飲み切るのが安全といわれています。特にとろみやぬめりが出てきたり、表面に膜やカビのようなものが見えたら傷んでいるサインなので飲

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メチル化カテキンとは?

メチル化カテキンとは?

べにふうき緑茶を見かけたとき、必ずといっていいほど目にする「メチル化カテキン」。最近は「ガレート型カテキン」と呼ばれることもありますが、どんな成分なんでしょうか?

カテキンといえばお茶に含まれる成分として有名ですが、その中でもメチル化カテキンはお茶の品種によって含有量が大きく変わります。特に含有量の多い品種といわれるのがべにふうきで、中でもべにふうき緑茶に多く含まれる成分です。

べにふうきは紅

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