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同じ床の上(8)老婆の妖精
・障子の張り替え、
・ベランダの掃除、
・網戸張り替え業者の手配、
・床のワックスがけ、
・庭の物置の整理、
「にみりにやってもらう事」
と題され、冒頭に並んだ項目を書いたメモが、私が座る席の食卓に置かれてありました。
母の字です。
「お願いします」とか「よろしく」なんて柔らかな言葉はどこにもなーーい!
淡々と並ぶ項目。
こんなにも事務的かつ、無機質なメモ書きに、ため息をつきながらも一生懸
同じ床の上(4) “古民家 カフェ”と毒舌王
西の窓から形のいい山が見えて、東の窓からも山が見えて、北の窓からも山。南の窓は…やっぱ山。
そんなどどど田舎の実家で、難しい性格の母と同居し、ちょっと病みかけたわたし。
迷ったり、辛くなったり、でも、たまに娘が遊びに来てくれるのが救いやった。
娘は、大学の寮で生活をしている。
超ミニミニコンパクトなお部屋だけど、仲間と楽しくやってるみたいだ。
単身で関西に暮らす夫も、週末に
この、どどど田舎
同じ床の上(2)雨の日に窓を開けると家は湿気るの?
実家の部屋を整理してた。
真夏にしてはよく雨が降り、蒸し暑い日だった。
夏休みの夫が手伝ってくれて、
粗大ゴミをふたりで担ぐ。慣れない仕事は余計に汗が出る。
その上、クーラーのない部屋での作業、窓を全開にして少しの風をも欲した。
廊下からスタスタと早い足音がする。それが近づいて来たと思った瞬間、
81歳の超ジコチューな
実母が部屋に入り、窓に向かって猪突猛進する。
そして
バシンっ!
同じ床の上(1)・クサッた足と箱ティッシュ
自己中、自己愛、巨大自信。
周囲の人間関係、関係ない。
そんなふうに生きられたら、ある意味うらやましい。
そんなうらやましい生き方をする81歳の実母と同じ床の上での同居の日々を灰汁(アク)と嫌味と少しの愛で綴る。
1話
〈クサッた足と箱ティッシュ〉
30年前の箱ティッシュが出てきた。
実母は、30年近く、一人暮らしだった。一人のわりに部屋数の多いこのウチで、捨てずに溜まっていく不用品をあっ