平和な僕らの町で、ある日、イエローバスが衝突するという事故が起こった。ライオン公園で撮った覚えのない五人の写真を見つけた千斗たちは、意味ありげに逃げる白猫を追いかけて商店街まで行…
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#時計
「時間泥棒」第十三話
第九章『5…4…3…2…1…‼』
風を切って走る町の風景の色合いが、僕の横を通り過ぎるたびに混ざりあっていくようだった。感じるのは顔に当たる風の感触だけ。自分の呼吸も、周りの音も、まるで抜き取られてしまったように何も聞こえなかった。腕時計も沈黙したままだ。この瞬間がとても長く感じる。同じ一秒が、まるで違う長さの物差しで計った一秒みたいに長く……。
次に腕時計から聞こえたのは、うろたえたジョー