ラスピ

映画、ラグビー、翻訳小説、インディポップ好き。

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ミッドナイト・イン・パリ

冒頭のパリの風景が素晴らしい。特に雨のパリの景色などは、水しぶきや雨の匂いや、肌寒さが体感できそうなほどのリアルさを感じました。 雨のパリをいかに素晴らしく見せるかが、実はかなり重要なのですが、この映像の流れはさすが。 婚約者の家族と一緒にパリに旅行に来ていた脚本家のギルは、真夜中の鐘の音とともに、憧れの1920年代の世界にタイムスリップします。 そこで彼を待ち受けていたのは、フィッツジェラルドであり、ヘミングウェイであり、ピカソであり、黄金期を代表するアートのレジェンド

    • ラストディール 美術商と名前を失くした肖像

      老いぼれ爺さんにドップリ感情移入して、オークションからラストまでずっと刺さりまくりました。 美術商の老いぼれ爺さんオラヴィの元に、生意気なクソガキが、学校の課題である「職業体験」をクリアするために押しかけてきます。娘の子供です。 娘に押し切られた形で仕方なく引き受けたものの、オラヴィはウェルカム度ゼロで、ガキのオットーもやる気ナッシングです。 ある日オークションの下見に行ったところ、オラヴィは署名の無い1つの肖像画に目をつけます。それをソ連のレーピンの作品だと確信します

      • アスファルト

        フランスのどこかの郊外。 どん詰まりの掃き溜め団地に流れ着いた冴えない人たちの群像劇。華麗なるパリとは大違いです。ミッドナイトインパリと続けてみると、出だしの落差がすごい。 地味。ひたすらに地味。 序盤はほとんど台詞がありません。 そして、こんな団地とはまるで接点がなさそうな宇宙飛行士の映像が唐突に挟まれます。 で、飛行士が聴いてる音楽が80年代のアリソンモイエのカバー曲。こんな選曲とかも含めて雰囲気とか間とかが、かなりカウリスマキっぽくて彼の作品が好きなら間違いなくアタリ

        • 今夜、列車は走る

          アルゼンチンと言われても、ほとんどの人はタンゴとサッカー以外思い浮かびません。他にはファナモリーナとかフォークランド紛争とか度重なるデフォルトといったところでしょうか。ロス・プーマスと答える奇特な人もいるかもしれませんが。。。 政府の民営化政策によって、鉄道が廃線となり多くの鉄道マンたちが職を失います。 痛みを伴う改革です。(訳 儲けたい人達のために弱者が痛い目にあうこと) 1人は正式な通告の前にこめかみを撃ち抜き自殺します。 超不景気で治安も悪いアルゼンチンで職を失っ

        ミッドナイト・イン・パリ

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        記事

          一年振りのトップリーグ観戦。トヨタvs HONDA

          トップリーグ第3節トヨタvs HONDAの試合を観戦してきました. この日は、リードに代わってフーパーが先発。そして期待の吉田杏も先発出場しました。 外国人選手に関しては、特別枠やアジア枠や日本人扱い等の措置があまりにも多くて、各チームの状況がいまいちよく分かりませんが、トヨタはリード、フーパー、ルルーの3人のうち2人しか出場できないので、ルルーを外すわけにはいかないとなると、どうしてもリードかフーパーのどちらかということになります。贅沢な悩みです。 前半はトヨタが攻勢をか

          一年振りのトップリーグ観戦。トヨタvs HONDA

          おとなの事情

          3組の夫婦と1人の独身男の7人が集まり、身の毛もよだつ恐ろしいゲームを始めます。 全員がテーブルに携帯電話を置き、届いたメッセージをみんなに晒し、電話がかかってきたら相手に知らせずにスピーカーで話さなければならないという地獄のようなゲームです。 これをドヤ顔で提案した女性はまさに悪魔ですが、彼女がこれを提案した理由も後半明らかになります。 ただでさえ危険極まりないのに、節操のないイタリア人(偏見??)が集まって、こんなことをしたら、無事に済むはずがありません。 サッカ

          おとなの事情

          【不定期】ラグビートップリーグ第2節雑感

          東芝vsクボタクボタは、昨年のリクルートが凄まじかったし、メンバーだけ見たらクボタの方が強そうだと思いましたが、まさかまさかの圧勝劇でした。東芝は前節のトヨタ戦で後半追い上げて接戦を演じていたので、それほど悪い仕上がり具合ではないと思っていたのですが、これほどの大差は正直驚きました。クボタはメンバーも揃っているのでかなり要注意です。 ドコモvsNEC基本的にスルーするカードなんですがが、ペレナラ見たさで見てしまいました。 もうさすがとしか言いようがありません。まさに八面六臂

          【不定期】ラグビートップリーグ第2節雑感

          ザ・プレイス 運命の交差点

          星新一のショートショートのような設定です。どんな望みでも叶えてくれる男が、ザ・プレイスというカフェの奥に陣取ってます。そこに多くの人が訪ねてきます。視力を取り戻したい盲目の男、息子を癌から救いたいと願う男、アルツハイマーの夫を抱えるお婆さん等々。。 望みを叶えるためには男の提示する条件をクリアしなければなりません。その条件というのが、女性を犯すとか、他人の子供を殺すとか、爆弾を商業施設に仕掛けるとか、、とんでもないにも程があるレベルです。 ここに来る人たちは、欲望を満たそ

          ザ・プレイス 運命の交差点

          マイ・ボディガード

          原作小説のクイネル「燃える男」は、今まで読んだ中でも上位に入るほど好きな小説だったので、この映画が公開された時は異常な期待を持って見に行きました。 どう考えたって映画向きの話だし、つまらなくなるわけがないと思っていたのですが、見てビックリ、原作と全く違うストーリーになっていて、がっかりしてしまいました。 で、原作の呪縛も解け、改めてフラットな視点で見てみようかと思って再見しました。やはり、原作との比較は避けようがありませんでしたが、内容の違いに不満タラタラで不当な低評価をし

          マイ・ボディガード

          Alone

          砂漠で地雷を踏んでしまい、救助が来るまでの52時間を、ひたすら立ち往生して耐え続ける拷問的映画。 兵士が砂漠の真ん中で地雷を踏んだ事に気付き、一歩も動けなくなります。その後すぐに相棒が地雷の餌食になります。 無線で救助要請しますが、「ちょっと忙しくて52時間ぐらいかかるけど、待てる?」 みたいな酷すぎる返事が返ってきます。 無理無理。 しかし、耐えるしかありません。 ほぼほぼ脱水症状になる中で、謎のアラブ人が近づいてきて哲学を語り始めたり、獣が襲ってきたり、テロリス

          霧の中の少女

          イタリアのサスペンス映画。 閉塞的な小さな町で、女子生徒が行方不明になります。立ち込める重い雰囲気はツインピークスやキリングを彷彿とさせます。 刑事が精神科医に尋問され、その回想としてストーリーが語られます。刑事のワイシャツには血がついています。 この刑事ヴォーゲルが、とんでもない男で、言ってみれば冤罪メーカーのような刑事です。物的証拠が見つからない場合は、マスコミを使った大々的なキャンペーンで印象操作を図ります。 かなり前に、「侵入社員」という間の抜けたタイトルの産業

          霧の中の少女

          世界侵略ロサンゼルス決戦

          全く期待せずに深夜に観た映画特有の謎の面白さ。 いきなり全世界が宇宙人に侵攻されるパニックアクション映画なんていうと、秒でスルーしかねないですが、意外にも面白かった。 概ね評価点が低いのは、この手の映画に高得点をつけるのは躊躇われるという理由が大きいからだと思われます。5点満点だと、多分0.5点くらいは、なんとなく差し引かれている可能性が非常に高いのでは。 もちろん、大いに期待して観るとガッカリするかもしれませんが、このタイトルの映画をそれほどの期待感をもって観ようとす

          世界侵略ロサンゼルス決戦

          趣味紹介

          自己紹介みたいなものは1番最初にやるものですが、そんな事はすっかり頭の中から消えていたので、今回、中途半端なタイミングではありますが、自己紹介っぽいものを書いてみます。 自己紹介というよりも、これから書いていく予定である、映画と小説と音楽とスポーツの趣向についてです。とりあえず去年見た映画と小説と音楽についてリストアップしたものを最後に纏めてみました。 映画は、月に1〜2本見る程度の完全なライト層でしたが、コロナを機に一気に鑑賞量が増えました。最近は週末に映画を見ないと気

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          「残された者」

          北極で墜落事故に遭い、1人でサバイバルする超辛い話。 無人島でサバイバルみたいな話は結構あるような気もするし、無人島で何か1つだけ持っていけるとしたら何ですか?なんて設問はごくごく当たり前のように使われるし、なんならそんな状況も結構楽しそうです。 しかし、そこで想定するのは南の島です。海があって気候も快適なら、なんとなく何とかなりそうな気がしないでもない。しかし、それがクソ寒い北極だとしたら、これはもう考えたくもない地獄です。 墜落した小型飛行機の中で過ごし、食べるものは

          「残された者」

          「9人の翻訳家 囚われたベストセラー」

          これは構成が絶妙でした。ある程度早い段階で犯人が明かされ、Who,How, Whyの順で真相が解き明かされていきます。 時系列の配置によって、予期せぬ未来が提示され、見る側の興味をその方向に誘導する演出もうまい。 で、肝心のトリックですが、素晴らしいと思いますが、はっきりってToo Muchでした。 ジェフリーディーヴァー的などんでん返しに次ぐどんでん返しって感じですが、大きなトリックが、どんでん返しのためのどんでん返しになっていて、その程度の目的でそこまでする必要ある??

          「9人の翻訳家 囚われたベストセラー」

          「アラン・デュカス 宮廷のレストラン」

          キャッチコピーが、 「今宵、ヴェルサイユ宮殿に、あなたの席をご用意しました。」 今宵。。。 いきなりナンですが、フランス料理にはあまり興味はありません。 気取った人達が、たいして味もわからないくせに、したり顔で「うーん、美味しい」とか言いながら偉そうに食べるものという印象が強いし、大体、なんだかよくわからない野菜が芸術的に盛り付けられていたところで、たいして食欲もわきません。 それに、それほど繊細な舌を持ち合わせているわけではないので、そこまで丁寧で凝った味付けや盛り

          「アラン・デュカス 宮廷のレストラン」