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霧の中の少女

イタリアのサスペンス映画。
閉塞的な小さな町で、女子生徒が行方不明になります。立ち込める重い雰囲気はツインピークスやキリングを彷彿とさせます。

刑事が精神科医に尋問され、その回想としてストーリーが語られます。刑事のワイシャツには血がついています。

この刑事ヴォーゲルが、とんでもない男で、言ってみれば冤罪メーカーのような刑事です。物的証拠が見つからない場合は、マスコミを使った大々的なキャンペーンで印象操作を図ります。

かなり前に、「侵入社員」という間の抜けたタイトルの産業スパイ小説がありましたが、そのうち「印象捜査」というヤラカシも出てくるかもしれません。

教師のマルディーニが、最重要容疑者として浮上し、ヴォーゲルの印象操作によって窮地に陥ります。窮地ではありますが、「偽りなき者」のように、狭いコミュニティーの仲間たちから容赦ない仕打ちを受ける描写はあまりありません。

犯人は誰かというよりも、マルディーニが冤罪を押し付けられているのかどうかという所が焦点となります。

憎々しげなヴォーゲル刑事と、かわいそうな被害者っぽいマルディーニ。名前はマルディーニですが、風貌はピルロです。どうでもいいですが、、。

途中からサラッと時系列を組み替えてきます。重要な時系列に関しては、ヒゲを剃った後か前かで判断させたりしています。それほど難解ってわけでもありませんが、敢えて不親切にしている節があり、油断すると置いていかれます。

冤罪か否かという部分にフォーカスしながらも、それは全体像の第一フェーズに過ぎず、後半になって次から次へとキラーパスが飛んできます。

さすがファンタジスタ。。。独り言です。


7.5

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