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ツイッターのリツイートには、法的責任が発生するのか?

ツイッターの拡散機能、RT(リツイート)が法に縛られる未来が見え隠れしてる。その事態を解説すると同時に、【なぜ人はシェアするのか】といった動機の部分にも触れていく。

SNS史上最大の魅力であり強みの一つでもある【拡散力】を持つツイッター。
RT(リツイート)機能は、誰かのつぶやきに対してワンクリックするだけで、自身のフォローワーに共有することができる非常に有能なものである。

しかし、最近このRTを背景に、名誉棄損の訴訟が発生した。
この判決が今後のRTの概念を変えるかもしれない。
ツイッターユーザーの一員としては注目の裁判である。

事件の概要
(原告)元大阪府知事・橋本徹氏 VS(被告)ジャーナリスト・岩上安身
訴訟内容
 原告が被告による橋本氏批判のRTで名誉を傷つけられたとして
 慰謝料など110万円の損害賠償を請求。
判決(9月12日大阪地裁)
 被告は原告に33万円の支払いをする
裁判官の判断
 RTは、投稿内容に賛同する表現行為であり、名誉棄損に当たる

以下、岩上氏がRTしたツイート文面である。(画像はイメージ)
ここでポイントなのは岩上氏は、第三者のツイートにコメントを一切付けずにシェアした、ということだ。

岩上氏のツイッターアカウントには18万人のフォローワーがおり、情報発信の影響力を持つことは明らかである。彼が誰かのツイートをRTすることで、そのツイート内容は18万人とまではいかなくとも多くの人の目に触れる機会を創り出すことになる。

橋下氏は、岩上氏のRTは
フェイクニュースの拡散行為すなわちツイッターによる執拗な攻撃であるとして、提訴し
結果として第一審は勝訴となった。

今回の判決において、RTという行為一般を「賛同行為」としたのか、今回のケースにおいてのみ「賛同行為 」としたのか、現時点では明確になっていない。

しかし、今回の判決が確定し判例が存在することとなれば、RTに法的な責任が発生する。全世界のツイッターユーザーに影響を与えることとなるだろう。

いい意味でも、悪い意味でも、今のツイッターは無責任文化が根付いている。
しかし法律が介入するとなれば、今後のツイッターの文化も変化せざるを得ないだろう。

最後に

なぜ人はRTするのか?

について考察してみたい。

RTする行為とは、つまり情報を他人に共有するということである。人間がシェアする動機について考える。
ニューヨークタイムズの調査報告を基に簡単にまとめてみた。

①価値あるコンテンツだから
②自身の趣味や好みを周知させたいから
③周囲とつながりたい、交友関係を広げたいから
④組織やコミュニティの一員であることを実感するため
⑤自分の主張を表現するため
⑥承認欲求を満たすため

以上の動機が考えられるとすると、
ツイッターのRTは賛同表現である
という解釈で一括りにすることはできない。

SNS発信において、責任行為が伴うことは悪いことではないし
実際に無責任がゆえにブーメランのごとく炎上したり、自分の身を危険にさらすことになるかもしれないというリスクと常に隣り合わせであることを踏まえると、むしろいい機会なのかもしれない。

しかし、SNS特有の「気軽なコミュニケーションの場」としての存在意義が薄れてしまうのもまた違和感を覚える。
今後も訴訟は続くようなので、進展を見守りたい。

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