猫又堂

「僕」は虚構であり実在。 健康で文化的という最高難度の生活。文学部形而上学かぶれ社会学…

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「僕」は虚構であり実在。 健康で文化的という最高難度の生活。文学部形而上学かぶれ社会学専修卒業。 今はなもなきこんさるたんと。

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    猫又と僕の対話篇

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読書メモ:メン獄『コンサルティング会社完全サバイバルマニュアル』(文藝春秋)

※途中までです メモ(個人的解釈部分有〼)速さの担保 一つの作業ロットは2hにする 上司の意図とのズレを最小にし、手戻りの無駄を防ぐ 20分以上手が止まるようであればインプット等方法を切り替える。 タスクの完成形イメージがついた状態で手を付ける その仕事の目的は何か 必要なインプットとアウトプットは明確か 作業手順は明確か 提出前に誰の確認が必要なタスクか タイムラインと優先順位は明確か いつまでにどうなっていればよく、他のタスクとの優劣はどうか 当

    • 読書メモ:年森瑛『N/A』(文藝春秋)

      紹介文引用選評引用文藝界新人賞 芥川賞選考 感想雑記(ネタバレ含み〼) 読後感としては「面白い」と「はぁ」であった。  まず面白いと思った点について。自分の関心と相まってLGBTQに対する描き方に興味深さを感じた。まどかは親密な関係がよくわからないまま、うみちゃんと付き合っている。一方、うみちゃんはその様子を勝手にTwitterのアカウントで綴り、呟きは同じような境遇の人ーー同性愛者ーーの希望として多くのいいねを集めている。うみちゃんは勝手に同居などを考えて、勝手に「

      • 読書メモ:川添愛『言語学バーリ・トゥードーーAIは「絶対に押すなよ」を理解できるか』(東京大学出版会)

        メモ(個人的解釈部分有〼)04. 恋人〔は/が〕サンタクロース  「恋人はサンタクロース」と覚えがちな松任谷由実の曲だが、実際の題名は「恋人がサンタクロース」。ではなぜこのような誤用をしてしまうのか?  「A〔は/が〕B」という文章はコピュラ文と呼ぶらしい。コピュラ文における助詞の使い分けがこの章の問題である。「は」は旧情報、「が」は新情報につくというのは我々でも説明がしやすいが、実際にはそれだけでこの使い分けができているわけではない。  そこで、それぞれの助詞のコピュラ文

        • 変化が淋しいとか言って、僕はその目を全然見ていなかった〔月を見ていた/米津玄師〕

          米津玄師氏楽曲との出会いについて 出会いは「マトリョーシカ」(ハチ)だった。楽曲自体は2010年にアップされており、その頃自分は小学生だったのでおそらくリアルタイムでは聴いていない。しかし、中学生になったタイミングでボカロを知り、そこでこのどんちゃんした曲を知った。  その後、本名で活動していることを知り、いつからだろうかーー少なくとも『BOOTLEG』発売を心待ちにしていたことは覚えているから2016年より前だろうーー彼の楽曲を時々の拠り所にしてきた。言葉にすると嘘くさくな

        読書メモ:メン獄『コンサルティング会社完全サバイバルマニュアル』(文藝春秋)

        • 読書メモ:年森瑛『N/A』(文藝春秋)

        • 読書メモ:川添愛『言語学バーリ・トゥードーーAIは「絶対に押すなよ」を理解できるか』(東京大学出版会)

        • 変化が淋しいとか言って、僕はその目を全然見ていなかった〔月を見ていた/米津玄師〕

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        記事

          ryo(supercell) feat. 初音ミク/ODDS&ENDS 〔一人相撲と夢の中〕

          ※ 本投稿は歌詞解釈ではなく、一般市民の一人がどのようにこの曲を聴き入るかを書いたものです。 前口上 筆者はボカロの熱心なリスナーとは言い難い。大御所の有名曲は知っている程度。また、ボカロの歴史にも通じていない。  ただ、一楽曲として感じ入るところがあったため、筆をとる(いつでも、そういう身勝手な発露が僕の原稿なわけだが)。本稿で扱う楽曲から得た個人的発見を書き連ねるばかりの私的な文章です。(とはいえ、何か界隈常識からして間違いがあれば、それは全て筆者の責任です。) 疎外

          ryo(supercell) feat. 初音ミク/ODDS&ENDS 〔一人相撲と夢の中〕

          読書メモ:ゴース、ワインバーグ『ライト、ついてますかー問題発見の人間学』(共立出版)

          ※筆者の名前は「ドナルド・C・ゴース、ジェラルド・M・ワインバーグ」が正確。表題が長くなりすぎるため割愛。 メモ(個人的解釈部分有〼)問題を定義をしなさい 問題の本質は何か それは誰の問題か 「誰」によって、同一事象でも「問題」は変わる 問題とは望まれた事柄と認識された事柄との間の相違である。 幻の問題は本物の問題 せんべい布団で寝づらいのは「問題」だが、ふわふわの羽毛布団で寝づらいのは「幻の問題」で、それこそが解くべき問い 彼らの求める解決方法が、真の問題と

          読書メモ:ゴース、ワインバーグ『ライト、ついてますかー問題発見の人間学』(共立出版)

          読書メモ:森一樹『ふりかえり読本 学び編ーー経験を力に変えるふりかえり』(BOOTH)

          個人的注目ポイントメモ一旦は一人でのふりかえりが必要なので、ひとりでのふりかえりに注目 ふりかえりとは ふりかえりは後ろ向きなものではない 「過去の行動を見直し、未来の行動を決定する」という、未来をより良くしていくための前向きな活動(8) 経験学習サイクルを用いる 70:20:10=経験:観察学習やアドバイス:書籍や研修 から学ぶ 具体的経験→内省的省察→抽象的概念化→積極的実践→具体的経験… 内省的省察は、何を意図してどんなことを行い、その結果何が生まれたのか

          読書メモ:森一樹『ふりかえり読本 学び編ーー経験を力に変えるふりかえり』(BOOTH)

          読書メモ:香西秀信『論より詭弁ーー反論理的思考のすすめ』(光文社)

          個人的注目ポイントメモ序章 論理的思考批判 そもそも論理学はレトリック(説得の技法)に内包されるもの つまり、レトリック自体は論理なしでも(論理的でなくとも)成立する 「自分の尻尾が切られてしまい、同胞も同じになって欲しいがために『尻尾はない方が論理的に都合が良い』と主張する狐」の言を検討すべきか 第一章 言葉で何かを表現することは詭弁である 言葉で表現してしまった時点で事実とは異なってしまう 「事実」は並んでいない↔︎言葉は並んでいる 「あそこのピザは美味しい

          読書メモ:香西秀信『論より詭弁ーー反論理的思考のすすめ』(光文社)

          読書メモ:山田詠美『ぼくは勉強ができない』(新潮社)

          注目ポイントメモセックスだぜ、おい、ぼくが注意されてるのは。あのセックスなんだぜ。  この本を殊に愛する人は多いように感じる。それはやはり、主人公時田秀美が格好いいからだろう。 時田秀美は父親がいない。これはこの本で重要ではないが重要なことだ。恋多き母と恋多き祖父と住み、ショット・バーで働く年上の桃子さんとお付き合いする秀美は、幼い頃から父がいないことを基準にものを言われてきた。それが、それを含めた様々なことをクールに見る秀美をつくったのだろう。彼にとって父がいないことは重

          読書メモ:山田詠美『ぼくは勉強ができない』(新潮社)

          読書メモ:斎藤幸平『ぼくはウーバーで捻挫し、山でシカと闘い、水俣で泣いた』(KADOKAWA)

          注目ポイントメモウーバーイーツで配達してみた 自由と、自己責任と 本書を書く経緯での一文。 非常に共感。「シラケつつ、ノる」ことの重要性を『フェミニズムってなんですか』でも痛感した。すぐに社会を変えることはできなくとも、変えていかなくていいわけではない。 ゆえに、ウーバーの配達員の立場は弱くなってしまう。 最近考えていたことと合致。去れと言われて簡単に去れるのであれば、問題はないのだ。問題のある待遇をする組織は淘汰されるはずだから。しかし、そうではない現実につけ込んでいる

          読書メモ:斎藤幸平『ぼくはウーバーで捻挫し、山でシカと闘い、水俣で泣いた』(KADOKAWA)

          読書メモ:清水晶子『フェミニズムって何ですか?』(文藝春秋)

          フェミニズムとはそもそも「フェミニストは一人一派」と言われるほどなので、1つの答えを提示することは難しい 女性の生の可能性の拡大を求める思想や営み 改革の対象は社会/文化/制度であると認識すること あえて空気を読もうとせずに、おかしいことをおかしいと思う(言う)こと 女性は波風を立てるべきではないという社会により、感情も抑圧されている場合がある フェミニズムはあらゆる女性たちのものであると認めること 女性といっても経験は様々 それぞれを尊重するべき 歴史【第一

          読書メモ:清水晶子『フェミニズムって何ですか?』(文藝春秋)

          読書メモ:ショーペンハウアー『読書について』(光文社)

          最初の一文がこれなので痺れる。無知は人を傷つけるとか言うけれど、他人がどうこうではなく、品位がなくなる。 兎に角、ショーペンハウアー先生は「ただ本を読む」ことに警鐘を鳴らしたい。本を読むとは誰かの思考を借りることでしかなく、ただ読むだけでは何にもならない。にも関わらず、読んだだけで(何なら買っただけで!ありがち)自分の思考の一部になった気になる読者に、激おこである。 読書という行為の話をしている途中で、突然「失明怖いから小さい活字規制してくれ」って言い出して可愛い。 こ

          読書メモ:ショーペンハウアー『読書について』(光文社)

          the pillows/MY FOOT 〔馴染まないこと〕

          ※ 本投稿は歌詞解釈ではなく、一般市民の一人がどのようにこの曲を聴き入るかを書いたものです。 自分が馴染めないという場合、その矛先はその社会に向くことも自分に向くこともある。でも、そのどちらにも振り切らない。「誰かのせいじゃない 気づいている」という歌詞は、外部のせいにしたいけれど馴染めないのは薄々自分のせいだと気づいている、けれど僕であることをやめられないという、多層的な状況を一言で魅せてくれる。 「お揃いの夢」。なんて可愛いのだろう。欲望は生産される時代となった。Ins

          the pillows/MY FOOT 〔馴染まないこと〕

          読書メモ:齋藤彩『母という呪縛 娘という監獄』

          娘のキャリアを決め、管理した母と、彼女を殺してしまった娘。 実際にあった事件を取材して書かれたノンフィクション。 一度看護師学校に合格し(それでも医師にしたかった母からすれば「妥協」なのだが)、母が強いていた9浪に終止符。平穏になったかと思えば、看護師にはならず助産師学校に入り直せという受験再スタートのお知らせーー。 感想雑記あまりに凄惨さに震えてしまった。 それだけで母を殺すか、と思うなかれ。この本には多数のLINEが掲載されているのだが、その内容はかなりのものだ。失

          読書メモ:齋藤彩『母という呪縛 娘という監獄』

          読書メモ:雨穴『変な家』

          1枚の不思議な間取りから始まる、ミステリー。 窓のない子供部屋、ドアのない脱衣所、不思議なデッドスペース…。 感想雑記久しぶりにサクッと読めるジャンクな本を衝動に任せて買ったが、間取りが切り口という今まであるようでなかったミステリー。その切り口のワクワク感で最後まで読まされた(褒めている)感がある。 とにかく、冒頭のゾクゾク感が楽しいジェットコースター的なフィクションと言えるだろう。申し訳ないけれど、種明かしの段階では「うーん」とリアリティについて考えてしまった。上まで持

          読書メモ:雨穴『変な家』

          読書メモ:大石哲之『コンサル1年目が学ぶこと』

          できているかは別として、知っていることは多かったので大きく割愛する。 目次第1章 コンサル流話す技術 結論から話す  Talk Straight 端的に話す  数字というロジックで語る  感情より論理を優先させる  相手に理解してもらえるように話す  相手のフォーマットに合わせる  相手の期待値を把握する  上司の期待値を超える 第2章 コンサル流思考術 「考え方を考える」という考え方  ロジックツリーを使いこなす  雲雨傘 提案の基本  仮説思考

          読書メモ:大石哲之『コンサル1年目が学ぶこと』