猫又堂

「僕」は虚構であり実在。書けば虚構。 健康で文化的という最高難度の生活。文学部形而上学…

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「僕」は虚構であり実在。書けば虚構。 健康で文化的という最高難度の生活。文学部形而上学かぶれ社会学専修卒業。

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    猫又と僕の対話篇

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掃溜めの備忘録 #5

2024年7月6日(土) 悪口は美味しいかい。 *  露悪的(というか、実際は"的"なのではなく実際そうなのだが)な人が面白がられ重宝される事があるが、よくわからない。殊に職場では。悪口やら非難が仕事を円滑にするんだろうか。 *  僕の趣味を、多くの人は知らないし共感しないだろうから、カラオケは苦手である。好きな曲を周りで知っている人は少なく、初見で確実に良さが伝わるわけでもなく、然し傷口と混然一体化した曲たちで、曲の良さは私の解釈、つまり私そのものと一緒。伝わらないのも悲し

    • 掃溜めの備忘録 #4

      2024/06/30(日) 社会学徒の基礎的な動作の一つに、個人が自由意志で選択したと思い込んでいるものが、実際は社会がそうさせたものではないかという疑いを持つことがあると思う。勿論、極端な社会決定論に陥ってはならないが、多くの病理は実際は社会による苦しみなのに、自己の選択として、自己責任論の中で個人が悩むことによって生じる。適切に社会の、多数派の責任を問うていく。社会学が好きな学生がいるのはそういう側面に惹かれてではないか。 *  Work hard, play harde

      • 掃溜めの備忘録 #3

        2024/06/26(水) 日記(と言えるかは微妙やもしれんが)、おもしろいな。 *  暑い。よく考えれば四季なんて経験したことあったっけ。 *  体調が生来悪くても努力で頑張っている子を見て、この程度でうだうだ言ってんじゃないよと自分に思うものの。  あの子もあの子も苦しいながら頑張っているんだなと感じ取れるものの。  起きている時間を長くし殆どを仕事に費やせばすべきこともしたほうが良いことも終わるものの。(実際には終わらないのかもしれないが。)  でも、働かないことには好

        • 掃溜めの備忘録 #2

          2024/06/23(日) 僕は報復性夜更かしの抑制方法を調べるべきだ。 *  悩みはお腹をいっぱいにはしないと声が響いたので、誰の台詞だったかな…と思考を巡らせていたら、秀美の母だった。『僕は勉強ができない』の主人公秀美の母だ。  日常においてふと意識せず思い出す本というのは、個人的に名作だと思う。複数回の読書に耐える、何度も読みたくなる作品といえるからだ。 *  矢張り、私の文章は最早誰かに読ませようという気概を失っている。ありの儘に愛してほしいと喚いているだけに見受ける

        掃溜めの備忘録 #5

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        記事

          掃溜めの備忘録 #1

          2024/05/14(火) 「ロマンチシズムと怒り」(朝ドラ『虎に翼』における穂高教授の桂場評)をなくすのが大人なら、子どものままでいたいではなくあるべきではとまで思う。 2024/06/17(月) 想えば、彼の人は『ヴィヨンの妻』が好きだと言っていた。読んだが、私は理解できたような、理解できなかったような気がする。妻という表象が苦手だったのかもしれない。 2024/06/21(金) 今即座に助走をつければ死ねるだろう、という瞬間が日常には時折ある。ほんの一瞬であるがゆえ

          掃溜めの備忘録 #1

          読書メモ:メン獄『コンサルティング会社完全サバイバルマニュアル』(文藝春秋)

          ※途中までです メモ(個人的解釈部分有〼)速さの担保 一つの作業ロットは2hにする 上司の意図とのズレを最小にし、手戻りの無駄を防ぐ 20分以上手が止まるようであればインプット等方法を切り替える。 タスクの完成形イメージがついた状態で手を付ける その仕事の目的は何か 必要なインプットとアウトプットは明確か 作業手順は明確か 提出前に誰の確認が必要なタスクか タイムラインと優先順位は明確か いつまでにどうなっていればよく、他のタスクとの優劣はどうか 当

          読書メモ:メン獄『コンサルティング会社完全サバイバルマニュアル』(文藝春秋)

          読書メモ:年森瑛『N/A』(文藝春秋)

          紹介文引用選評引用文藝界新人賞 芥川賞選考 感想雑記(ネタバレ含み〼) 読後感としては「面白い」と「はぁ」であった。  まず面白いと思った点について。自分の関心と相まってLGBTQに対する描き方に興味深さを感じた。まどかは親密な関係がよくわからないまま、うみちゃんと付き合っている。一方、うみちゃんはその様子を勝手にTwitterのアカウントで綴り、呟きは同じような境遇の人ーー同性愛者ーーの希望として多くのいいねを集めている。うみちゃんは勝手に同居などを考えて、勝手に「

          読書メモ:年森瑛『N/A』(文藝春秋)

          読書メモ:川添愛『言語学バーリ・トゥードーーAIは「絶対に押すなよ」を理解できるか』(東京大学出版会)

          メモ(個人的解釈部分有〼)04. 恋人〔は/が〕サンタクロース  「恋人はサンタクロース」と覚えがちな松任谷由実の曲だが、実際の題名は「恋人がサンタクロース」。ではなぜこのような誤用をしてしまうのか?  「A〔は/が〕B」という文章はコピュラ文と呼ぶらしい。コピュラ文における助詞の使い分けがこの章の問題である。「は」は旧情報、「が」は新情報につくというのは我々でも説明がしやすいが、実際にはそれだけでこの使い分けができているわけではない。  そこで、それぞれの助詞のコピュラ文

          読書メモ:川添愛『言語学バーリ・トゥードーーAIは「絶対に押すなよ」を理解できるか』(東京大学出版会)

          変化が淋しいとか言って、僕はその目を全然見ていなかった〔月を見ていた/米津玄師〕

          米津玄師氏楽曲との出会いについて 出会いは「マトリョーシカ」(ハチ)だった。楽曲自体は2010年にアップされており、その頃自分は小学生だったのでおそらくリアルタイムでは聴いていない。しかし、中学生になったタイミングでボカロを知り、そこでこのどんちゃんした曲を知った。  その後、本名で活動していることを知り、いつからだろうかーー少なくとも『BOOTLEG』発売を心待ちにしていたことは覚えているから2016年より前だろうーー彼の楽曲を時々の拠り所にしてきた。言葉にすると嘘くさくな

          変化が淋しいとか言って、僕はその目を全然見ていなかった〔月を見ていた/米津玄師〕

          ryo(supercell) feat. 初音ミク/ODDS&ENDS 〔一人相撲と夢の中〕

          ※ 本投稿は歌詞解釈ではなく、一般市民の一人がどのようにこの曲を聴き入るかを書いたものです。 前口上 筆者はボカロの熱心なリスナーとは言い難い。大御所の有名曲は知っている程度。また、ボカロの歴史にも通じていない。  ただ、一楽曲として感じ入るところがあったため、筆をとる(いつでも、そういう身勝手な発露が僕の原稿なわけだが)。本稿で扱う楽曲から得た個人的発見を書き連ねるばかりの私的な文章です。(とはいえ、何か界隈常識からして間違いがあれば、それは全て筆者の責任です。) 疎外

          ryo(supercell) feat. 初音ミク/ODDS&ENDS 〔一人相撲と夢の中〕

          読書メモ:ゴース、ワインバーグ『ライト、ついてますかー問題発見の人間学』(共立出版)

          ※筆者の名前は「ドナルド・C・ゴース、ジェラルド・M・ワインバーグ」が正確。表題が長くなりすぎるため割愛。 メモ(個人的解釈部分有〼)問題を定義をしなさい 問題の本質は何か それは誰の問題か 「誰」によって、同一事象でも「問題」は変わる 問題とは望まれた事柄と認識された事柄との間の相違である。 幻の問題は本物の問題 せんべい布団で寝づらいのは「問題」だが、ふわふわの羽毛布団で寝づらいのは「幻の問題」で、それこそが解くべき問い 彼らの求める解決方法が、真の問題と

          読書メモ:ゴース、ワインバーグ『ライト、ついてますかー問題発見の人間学』(共立出版)

          読書メモ:森一樹『ふりかえり読本 学び編ーー経験を力に変えるふりかえり』(BOOTH)

          個人的注目ポイントメモ一旦は一人でのふりかえりが必要なので、ひとりでのふりかえりに注目 ふりかえりとは ふりかえりは後ろ向きなものではない 「過去の行動を見直し、未来の行動を決定する」という、未来をより良くしていくための前向きな活動(8) 経験学習サイクルを用いる 70:20:10=経験:観察学習やアドバイス:書籍や研修 から学ぶ 具体的経験→内省的省察→抽象的概念化→積極的実践→具体的経験… 内省的省察は、何を意図してどんなことを行い、その結果何が生まれたのか

          読書メモ:森一樹『ふりかえり読本 学び編ーー経験を力に変えるふりかえり』(BOOTH)

          読書メモ:香西秀信『論より詭弁ーー反論理的思考のすすめ』(光文社)

          個人的注目ポイントメモ序章 論理的思考批判 そもそも論理学はレトリック(説得の技法)に内包されるもの つまり、レトリック自体は論理なしでも(論理的でなくとも)成立する 「自分の尻尾が切られてしまい、同胞も同じになって欲しいがために『尻尾はない方が論理的に都合が良い』と主張する狐」の言を検討すべきか 第一章 言葉で何かを表現することは詭弁である 言葉で表現してしまった時点で事実とは異なってしまう 「事実」は並んでいない↔︎言葉は並んでいる 「あそこのピザは美味しい

          読書メモ:香西秀信『論より詭弁ーー反論理的思考のすすめ』(光文社)

          読書メモ:山田詠美『ぼくは勉強ができない』(新潮社)

          注目ポイントメモセックスだぜ、おい、ぼくが注意されてるのは。あのセックスなんだぜ。  この本を殊に愛する人は多いように感じる。それはやはり、主人公時田秀美が格好いいからだろう。 時田秀美は父親がいない。これはこの本で重要ではないが重要なことだ。恋多き母と恋多き祖父と住み、ショット・バーで働く年上の桃子さんとお付き合いする秀美は、幼い頃から父がいないことを基準にものを言われてきた。それが、それを含めた様々なことをクールに見る秀美をつくったのだろう。彼にとって父がいないことは重

          読書メモ:山田詠美『ぼくは勉強ができない』(新潮社)

          読書メモ:斎藤幸平『ぼくはウーバーで捻挫し、山でシカと闘い、水俣で泣いた』(KADOKAWA)

          注目ポイントメモウーバーイーツで配達してみた 自由と、自己責任と 本書を書く経緯での一文。 非常に共感。「シラケつつ、ノる」ことの重要性を『フェミニズムってなんですか』でも痛感した。すぐに社会を変えることはできなくとも、変えていかなくていいわけではない。 ゆえに、ウーバーの配達員の立場は弱くなってしまう。 最近考えていたことと合致。去れと言われて簡単に去れるのであれば、問題はないのだ。問題のある待遇をする組織は淘汰されるはずだから。しかし、そうではない現実につけ込んでいる

          読書メモ:斎藤幸平『ぼくはウーバーで捻挫し、山でシカと闘い、水俣で泣いた』(KADOKAWA)

          読書メモ:清水晶子『フェミニズムって何ですか?』(文藝春秋)

          フェミニズムとはそもそも「フェミニストは一人一派」と言われるほどなので、1つの答えを提示することは難しい 女性の生の可能性の拡大を求める思想や営み 改革の対象は社会/文化/制度であると認識すること あえて空気を読もうとせずに、おかしいことをおかしいと思う(言う)こと 女性は波風を立てるべきではないという社会により、感情も抑圧されている場合がある フェミニズムはあらゆる女性たちのものであると認めること 女性といっても経験は様々 それぞれを尊重するべき 歴史【第一

          読書メモ:清水晶子『フェミニズムって何ですか?』(文藝春秋)