- 運営しているクリエイター
#ピアノ
「チャイコフスキーコンクールを経て自信がつきました」───藤田真央、凱旋帰国レポート!「岩谷時子賞」授賞式&コメント(写真7枚)
7月1日。空港から藤田真央が向かった場所は……?第16回チャイコフスキー国際コンクール・ピアノ部門で2位に輝いたピアニスト・藤田真央(20)。
第1次、セミファイナル、ファイナル、それからモスクワとサンクト・ペテルブルクでの2回のガラ・コンサートという超ハードスケジュールをこなし、日本に帰国した当日の7月1日……。
東京・丸の内で行われた第10回「岩谷時子賞」授賞式に、藤田真央の姿がありました。
ピアニスト・藤田真央 #06「ふたりの師の教え――音と、音楽と、向き合うこと」
毎月語り下ろしでお届け! 連載「指先から旅をする」
★毎月2回配信します★
モーツァルトを集中的に演奏するようになってからというもの、わたしは歌曲、とりわけドイツ・リート(歌曲)への関心を強めています。
同じドイツ・リートでも、シューマンとシューベルトを比較するとまた面白いですね。シューマンの曲は、こちらを刺してくるような「痛み」がにじむ。クララへの恋慕といった、作曲家の想いがストレート
ピアニスト・藤田真央 #05「わたしのプログラムづくり――理想の音を捜し求めて」
毎月語り下ろしでお届け! 連載「指先から旅をする」
★毎月2回配信します★
2022年4月11日。ドイツへと旅立つ直前に、東京オペラシティ コンサートホールでのリサイタルの機会に恵まれました。
オペラシティで1月19日に行ったリサイタルの反響が良かったそうで、アンコール公演が決まったのです。
全二部構成、5曲のプログラムの中で、わたしが核に据えたかったのは、ブラームスの《主題と変奏 ニ
ピアニスト・藤田真央 #03「刻々と変容する世界、その中でわたしがピアノを弾く意味」
毎月語り下ろしでお届け! 連載「指先から旅をする」
★毎月2回(5日・25日)配信します★
2022年3月7日、わたしはイタリア・ミラノのスカラ座の舞台に立っていました。
ミラノは、スタイリッシュな芸術の街。空港に着くと、ゲートにお迎えに来てくださった方が「Maestro Mr.Fujita」と書かれたプラカードを持っている。おお、わたし、マエストロ? と思っちゃいました。
イタリアでは
ピアニスト・藤田真央 #02「わたしに”合っている”モーツァルト」
毎月語り下ろしでお届け! 新連載「指先から旅をする」
★毎月2回(5日・25日)配信します★
わたしが共演したイスラエル・フィルハーモニーは、昨年85周年を迎えた伝統ある楽団です。初代音楽顧問のウィリアム・スタインバーグから始まり、レナード・バーンスタインやズービン・メータといった、偉大なるマエストロたちとともに歴史を刻んできたオーケストラですので、ご一緒できたのはたいへん光栄でした。
ピアニスト・藤田真央の想い #01「この音にすべてを捧げたい――エルサレムの奇跡のコンサート」
毎月語り下ろしでお届け! 新連載「指先から旅をする」
各国のマエストロから愛され、世界の聴衆を熱狂させる若き天才ピアニスト・藤田真央さん。
2019年、弱冠20歳にして、3大コンクールのひとつ、チャイコフスキー国際コンクールで第2位に入賞。以降、そのイノセントで自由な音色と、独自の楽曲解釈で、クラシック音楽シーンを更新しつづけています。
今年も、国内外で数多くのコンサートが予定されており、
ピアニスト・藤田真央#17「この景色の魅力を、即興曲で届けたい――アルプスの山々に囲まれて」
毎月2回語り下ろしでお届け! 連載「指先から旅をする」
◆アルプスの山々に囲まれたお城のようなホテルで
2022年12月1日、わたしは羽田発ドイツ・フランクフルト行きの飛行機の中にいました。12月3日に、ドイツ南部のリゾートホテル「シュロス・エルマウ」でリサイタルの予定があったのです。
フランクフルト空港に到着すると、周りのみなさんがなにやら真剣にスマートフォンを見つめています。ちょうど
ピアニスト・藤田真央#18「わたしの卒業論文――理想的なコンサート・プログラムとは?」
毎月2回語り下ろしでお届け! 連載「指先から旅をする」
◆大学院の卒業試験が、さながらホームコンサートに
12月3日に南ドイツの「シュロス・エルマウ」でのリサイタルを終え、わたしは大学院の卒業試験を受けるため、翌日ベルリンに戻りました。
わたしが通っている大学院「ハンスアイスラー音楽大学 ベルリン」では、卒業に際して実技テストと論文の提出が求められます。
実技テストは、60分程度のプロ
ピアニスト・藤田真央エッセイ#25〈完璧な響きの中で――ベルリン・フィルハーモニー・デビュー〉
ミラノの後はベルリンに帰り、4月1日のコンサートに向けて、ラフマニノフの《ピアノ協奏曲 第3番》の練習に集中した。《第3番》は演奏する機会が非常に多いが、何度弾こうとも緊張する。毎回楽譜を丁寧に読みこまないと、ラフマニノフが細かく記したフレージングや強弱を忘れて、自分の好きなように気持ちよく弾きがちなので、自分自身を戒めながら練習に取り組んだ。
リハーサルは公演前日の午前中で、GP(ゲネプロ