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ゆるゆら音楽映画放談

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レビューやつらつらっと書いた感想置き場的マガジン。音楽関係はだいたいここ。
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#藤井風

満ちてゆく overflowing

恋愛をテーマにしたら、もっと大きな愛に辿り着く。極めて藤井風さんらしく死生観を内包した、極めて美しい楽曲。賛美歌のようであり、人間への賛歌でもあるように感じた。

映画の主題歌として作られたMVは短編映画のよう。なんて美しい循環なんだろう。
映画のために試写を観て書き下ろされた曲のために短編映画のようなMVが生まれ、その曲がまた映画館で流れる。
映画を観て曲を知った人が、そこからこの短編に出会うか
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藤井風「花」

藤井風「花」

 藤井風の新曲「花」、ドラマ「いちばんすきな花」とのタイアップがとてもいい。ドラマ1話も見たが、抉ってくる描写の数々、かなり面白そうだ。
 その新曲はA.G.Cookとの初タッグ、往年の名曲「Saturday in the Park」(Chicago)や「What a fool believe」(Doobie Brothers)のような70'sウェストコースト感のある8ビートがすこぶるよい。
 ミ

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Workin' Hard所感──盛り上がった自分の呟きをまとめるなど

Workin' Hard所感──盛り上がった自分の呟きをまとめるなど

 藤井 風「Workin' Hard」がリリースされて約1か月、そろそろ自分のつらつら呟いたあれこれをまとめながら何か書いておこうと思うなどした。

 ストンプ(Queen「We Will Rock You」のように足を踏み鳴らすアレ)が最高に似合う、だがこれまでのスポーツ応援ソング群とは明らかに一線を画するタイアップ曲となった「Workin' Hard」、当初Tik Tokで部分的に公開された音

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藤井 風「LOVE ALL ARENA TOUR」

藤井 風「LOVE ALL ARENA TOUR」

 かねてより念願だった藤井 風ライブを、さいたまスーパーアリーナにて鑑賞した。
 この日は音声/音響畑で元ディレクターの某氏と同行。音楽経験者で日比谷公会堂に立ったこともあるP氏と合流した。

 これまでは感染症禍で申し込みがかなわなかったりチケットが当たらず、各種配信やフィジカル(既発Blu-ray)で見ていた藤井 風。とにかく進化が早い人なのだと思う。生ライブは配信で削られてしまう雰囲気や熱量

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2022 albums for me

2022 albums for me

 2022年もいよいよ年末なので、今年発表された邦楽アルバムのうち特に良く聴いたものから10枚をセレクトしておこうと思う。
 なお並びは発売順で、順位はつけない。インストゥルメンタル作品は対象外とした。ソロ・バンド、若手・キャリアからそれぞれ選んでおり、これら以外にも愛聴していた作品があったことを記しておきたい。

宇多田ヒカル「BADモード」

 2022年は年始早々にすごい作品がリリースされた

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最新MV3選

最新MV3選

 秋に突入してからというもの、プレゼントでいただいたチケットなどもあってすっかりライブづいている。
 たまには気分を変えて、MV3選。

パジャマで海なんかいかない「Trip」

 YouTube上の表記は「PAJAUMI」になっているが、「パジャマで海なんかいかない」のMV。元々は別所のソロプロジェクトだったが、現在のバンドスタイルになった。曲名かバンド名かと戸惑われるが、パジャ海の名前は今後あ

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little trip

little trip

 お休みを利用して、楽山園(群馬県甘楽郡甘楽町)と臨江閣(同・前橋市)へ。
 そもそもこのお出掛け、言い出したのはロケ巧者の某氏。「お団子を食べたいよね?」と聞くので訝しがっていたら、案の定MVの影響との旨。

まつり/藤井風

 実は初めての訪問ではなく、昔お仕事で立ち寄らせていただいたことがあった場所。しかしかなり前の話になるので、詳細な記憶はあやふや。
 何はともあれ、現地との行き来はすべて

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本日は藤井 風さん「LOVE ALL SERVE ALL」を実店舗でフラゲ。
楽曲、歌唱演奏、フィジカルならではのアートワーク、そして前回同様に香るブックレット(これはインクの仕様なのだろうか)。どこをとっても流石の才能、非常にクオリティの高い一枚でした。
初回限定カバーも逸品。

review まつり

review まつり

 藤井風さんの新曲「まつり」が、アルバムに先行して音源・MV同日リリースとなった。
 先駆けて公開されたMV Teaserの段階で、既にかなりネイティヴ/プリミティブな印象の強かったこの楽曲。
 実際にリリースされた音源も、祭囃子に欠かせない篠笛や音頭など和の要素を存分に取り入れた一曲となった。それでいて彼の持ち味であるR&Bのテイストやトラップを巧みに融合させ、まさに和洋折衷、ボーダーレスといえ

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光を放つ音楽 個人的15選+α

光を放つ音楽 個人的15選+α

 優れたメロディーのうち、「これはまるで発光しているようだなあ」と感じるものがある。
 ポップの魔法と言ってしまうとあまりに雑で陳腐なので、前置きはさっさと切り上げて挙げていくことにしよう。Spotifyにある邦楽縛り、80's後半以降限定、ゴスペルなし。敬称略。
 思いつきで突発的に選んだけれど、思いつきでさらに追加するかも。

Do You Believe In Magic? / Cymbal

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音楽三昧:芸術選奨,MVほか

音楽三昧:芸術選奨,MVほか

 仕事終わりの夕方、藤井 風さんが芸術選奨新人賞を受賞されたとの報道を目にした。
 正式には芸術選奨文部科学大臣新人賞、これは宇多田ヒカルさんや米津玄師さんも贈られた栄えあるもの。
 各年度ごと、芸術の各分野で業績により新生面を開いた芸術家に贈られる。ポピュラー音楽は大衆芸能部門に含まれるが、所謂お笑い(落語・漫才含む)やジャズなど幅広いジャンルに跨がるカテゴリーで、その中から選出されるというのは

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Higher Loveから振り返るJ-POPシーンとゴスペル7選

Higher Loveから振り返るJ-POPシーンとゴスペル7選

紅白歌合戦のトリでも話題となった、MISIAさんの「Higher Love」。藤井 風さん作詞作曲の愛と人間味に溢れた、それでいて崇高なゴスペルソングだ。

というわけでこれをきっかけとして、今回はこれまで日本のミュージックシーンで発表されてきた「ゴスペル要素を堪能できる曲」を挙げていきたいと思う。
昨今の同様な企画ではあまり名前の挙がらない曲も加えていきたい。(以下敬称略)

Spirit Of

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紅白に風が吹く(演出と敬意)

紅白に風が吹く(演出と敬意)

 2021年の第72回NHK紅白歌合戦。藤井 風さん出演部分の演出が、わたしの印象では明らかに異質だった。高い熱量の込められた、敬意に満ちたとでも言うべき構成が非常に興味深かったので、推測ながら少し書き残してみたいと思う。

「藤井 風」登場 最初の出演部分は、歌手紹介VTRに続いて岡山県浅口郡里庄町にある「喫茶ミッチャム」(※現在は閉店)の一室からはじまる。藤井 風さんの実家だ。
 上京・デビュ

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2021紅白、大変楽しく視聴。
藤井風さんは里庄町実家ロケ→サプライズ登場からのトリMISIAさんに参加(しかも提供曲)とスペシャルな内容。
いかにNHK紅白班が彼の才能を高く評価していたかということで、本年流行った「推し活」なんて言葉が頭によぎったりなどした。
いい音楽おさめ。