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見つめ直す

 土に触れて 土に還り

 その安らぎに 寝転んで

 私はいったい 誰だろう

 何か 悩んでいた気もする

 何か 苦しかった気もする

 自分のことが 見えなくて
 自分のことしか見てなくて

 誰の 声も 誰の 言葉も
 誰の 姿も 誰の 救いも

 何にも 届いて いなかった

 何にも 気づいていなかった

 土に触れて 土に還り

 その安らぎに 寝転んで

 積み重ねてきた足跡や
 積み重ねてきた歴史や
 
 さまざまに 廻り廻った 命たちの
 産声 や 死 や 交わり や 涙

 そんな 大きくて ちっぽけな

 存在を 肌で 感覚で 魂で 感じている

 見えていなかった 私の ことも
 見えていなかった 他人のことも

 そんなことも どうでもいいと思えるくらい

 この 生命を 感じている

 そうして 私が見えなくなって

 そうして 相手が 見えてきて

 ようやく 私は 私のこと を

 見えるように なったかもしれない

 自分のことしか 見えていなくて
 自分のことばかり 見てしまって

 かえって 私が わからなくなって

 誰の声や言葉や姿や救いの手も

 何にも 見えては いなかった

 あぁ けれど

 土に還り 土に眠り

 土の命や 土の死に

 触れて 初めて

 私は 自分のことなんて考えず

 自分のことを 見つめ られた

 私は ようやく 何にも考えず

 自分のことがわかった気がした

 

 

いつも、ありがとうございます。 何か少しでも、感じるものがありましたら幸いです。