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不登校兄弟の夏休みマレーシア滞在日記Vol.2 マレーシアでの生活を全公開!

中2・小4の不登校兄弟と、一緒に滞在する親の夏休みマレーシア生活をご紹介します。「言葉が通じないところで、どんな生活なのかな?」と思われるかもしれません。何のことはない、自宅という生活拠点を日本からマレーシアに移しただけです。サマースクールや語学学校に通わせることもなく、マンションの一室で完全に自由に過ごしています。この記事では、マレーシアの生活と子ども達の様子をお伝えしていきます。少し長いので気になるところを優先して読んで頂ければと思います。


滞在先の間取りと値段

今回滞在しているのは、クアラルンプールの中心部のブキ・ビンタンという地区で、ホテル併設のレジデンス(高層マンション)です。「ホテル」と「レジデンス」は隣接していても建物は分かれており、入り口、プールやジムも別々です。設計者が同じなのか、レジデンスの部屋がホテル仕様な感じがします。

低予算で自宅のように長期滞在をしたいので、民泊紹介サイトで自ら物件を探しました。万国共通だと思いますが、低予算で好物件を探すには根気が必要です。粘り強くリサーチして、1日から借りられる物件を1ヵ月の長期滞在で大幅割引してもらい、家族全員で1泊5000円。日本では考えられない理想の広さの部屋をお借りすることができました。これはビジネス街・繁華街の中心部の話で、郊外ではもっと安い物件が見つかるでしょう。

◎間取り(定員5名)
・ベッドルーム1(シングル×2、シャワー、トイレ、エアコン)
・ベッドルーム2(ダブルベッド、シャワー、トイレ、エアコン)
・リビング(大きなソファーベッド、テレビ、ミニテーブル、食卓、椅子4脚、エアコン)
・キッチン(簡単な調理器具、食器、電気ポット、小さい冷蔵庫、電子レンジ、洗濯機、洗濯物を干すラック)

◎レジデンス内の施設(無料)
・プール(子どもは必ず大人同伴)
・ジム (16歳以上利用可能)
・駐車場(1台分)

ベッドルーム1が夫専用(仕事部屋も兼ねる)、ベッドルーム2が私専用、リビングが子ども部屋のような感じです。仕事中の夫の部屋を除いては行き来自由にしています。

長男がリビングの大きなソファベッドを使用し、次男はベッドで寝られるのに、リビングの床で布団をかぶって毎日寝ています。そのあたりも自由にさせています。

実は私たちの日本の自宅には2つしかエアコンが無く、特に大人の書斎にはエアコンが無いので、正直なところマレーシアの方が快適です。また、私も子ども達と一緒にプールに入ったり、ジムで30分位ウォーキングや軽いランニングをするようになり、健康的な生活を送れています。

ご参考までに、私たちは夏休みだけの短期滞在ですが、同地区で長期賃貸契約のコンド(高層マンション)を借りるのは、2人の知人に聞いたところによるとワンベッドルームで6万~8万位からのようです。

広いリビングが子ども部屋!

食事

大人はともかく子ども達の食事をどうしているのか気になるかもしれません。滞在先のキッチンには料理ができる道具が整っておらず、母親の私は料理から1ヵ月解放されたいので、自炊はしていません。

毎朝、マンゴーなどの果物を私が切って食べるついでに、誰でも食べやすいようにフルーツをカットして容器に入れています。

また、電気でお湯を沸かすポットがあるので、私は温かいミルクティーをよく飲みます。日本から粉やフリーズドライのスープを大量に持ってきているので、子ども達も自分のタイミングで好きなスープを飲んでいます。

しかし、フルーツとスープだけでは足りません(笑)
大人はここぞとばかりご当地飯を楽しんでいます。マレーシアは、マレー系・中華系・インド系の人々で成り立っているので、少なくともその3種類の本格料理を楽しむことができます。私は安くて美味しいお店を探すのが趣味なので、お店で食べることが多いです。

子ども達のご飯は事前に子ども達と話して持ち帰りにするか、たまに一緒に食べに行きます。昨年も同じエリアに滞在したので、1食300円~400円で「この店のこの料理は美味しくて子ども達も食べられる」というのがいくつかあります。具体的にはインド料理店の焼き飯、チェーン店The Chicken Rice Shopのチキンライスセット(長男が好き)、マレー料理店のナシレマとチキン(見た目ほど辛くない)などです。

マレー料理店でナシレマとチキンを食べる子ども達

マレーシアは持ち帰り(Take away/テイクアウェイ)の文化が進んでいて、ほぼ全ての飲食店が持ち帰り対応してくれます。また、大きな飲食店の店内で食べるとサービス税(6%)がかかるところ、持ち帰りにするとサービス税はかからなったり、温められる容器に入っていても容器の追加料金はあってもわずかです。

「マレーシアの持ち帰り文化がすごい!」と思ったのは、例えばチキンライスセットを持ち帰りにすると、スープがビニール袋に入って絶対にこぼれないようになっていて、20分後に滞在先で子どもが食べるときにスープが熱々でした。容器や保存方法が工夫されていて、購入して20分程度なら熱々の食事が頂けます。

ところで、食事面では「日本食が大好きなで大丈夫かな」と心配な方がおられるかもしれません。次男は日本食が大好きで、日本食が我慢できなくなったら、夫と二人で「伊勢丹・ロト10の4階にある日本食のお店」に行きます。このフロアには日本食のお店がたくさん入っており、クアラルンプール在住の単身の方も、一人で日本食が食べたくなったら行かれているようです。

自分がお店で食べるチキンライスセットと持ち帰り用(左上の袋)

親の関わり方

Vol.1で息子達の紹介をした通り、超繊細さんの長男はエネルギー充電中で、周りの人が彼に何かを押し付けると本人がしんどくなります。エネルギーを奪いかねません。次男はエネルギーがあるので、押し付けられたら平然と無視するか反発します。いずれにせよ、自発的に子ども達から何かをしたくなるのを待つという、「子どもの自分軸」を大切にするスタンスで日々接しています。

これは私の反省になりますが、最近まで母親の私が自分の考えを子ども達に押し付けるという「親軸」の子育てをしていました。しかし、不登校がきっかけとなり、子ども達が何を思い、何を感じているかを初めて本気で知ろうとしました。その結果、今まで子どもの気持ちをないがしろにして、母親の視点や思いで子育てをしてきたことに気づきました。とうとう、子ども達が私から解放されたのです。

実は私は「不登校万歳!」と思っています。なぜなら、もし長男が不登校になっていなかったら、私が子ども達の気持ちを理解しようと努めたり、子ども達の存在をありのまま受け入れようとしたりすることは無かった、と思うからです。

今は、子ども達が自分らしく自分の思うように過ごしてくれたらと思っています。これからの長い人生のパワー充電中の長男に、パワー充電ができる環境を確保するのが、今の私にできることだと思っています。

(Vol1. 不登校兄弟の夏休みマレーシア滞在日記Vol.1 なぜマレーシアに行くのか?|なるみん@英語・日本語講師×ライター×子育て中 (note.com)

子ども達のマレーシアでの生活

ここからは子ども達の生活を中心にお伝えします。子ども達が人目を気にせずに解放され、太陽を浴び運動不足解消するためにマレーシアに来ましたが、実際はどんな毎日を送っているのでしょうか?

ほぼ毎日プールに入る

マレーシアの高層マンションには、プールとジムがついていて、住人や滞在者は無料で使えます。1年を通じて暖かく気温が大きく変わらないので、真水のプールです。恐らく維持費がかからないので、基本設備として設計に入っているのでしょう。

滞在先は民泊専門のウェブサイトで自分で探しましたが、「立地」「部屋の広さ」「プール」の3点で絞っていきます。「プール」は写真だけで大きさの判断がつかなかったので、オーナーさんに質問するようにしています。

プール付マンション滞在の最大の良さは、プールに行き来する手軽さ。部屋で水着に着替えたら、上からTシャツなどの服を着てプールがある階に降り、Tシャツを脱いで水着になったらそのままプールへジャブーン、スイスイ。好きなだけ遊んだら、シャワーを浴びてバスタオルで水気を取り、部屋に戻ります。このプール生活に家族全員はまってしまいました。

日が当たっていない時間帯はプールほぼ独占状態
日光浴!太陽が出てもプールは基本的にすいている!
(泳いでいるのは旅行客がほとんど)

基本的に全員が自由に過ごす

今回子ども達には「運動が大切だから、なるべく毎日プールに入ろう!」とだけ言っています。その結果、部屋の中でゲームをしている時間が恐ろしいほど長いですが、基本的に自分の時間を好きに過ごせばいいと思っています。日本から将棋を持ってきたので、たまに「眼を休めるために将棋をやろう!」と言って3人で総当たり戦をします。

私は街歩きが好きなので、子ども達がまだ寝ているかゲームをしている時間に、どこか行き先を決めて散歩や観光、買い物をしています。子ども達にも声をかけますが、結局ほぼ一人で出歩いています。

勉強のことも気になると思います。学校の宿題などの勉強道具は持ってきていて、軽く声をかけますが、基本的には子ども達に任せています。1ヵ月の滞在の最初の2週間が経ちましたが、次男は学校の宿題の問題集を3日ほど本気で取り組んでいました。長男はまだ勉強したところを見ていません。

中学生で長男は自己管理すればいいと思っているので一任。次男はまだ自己管理ができていないので「小学生の間は親と一緒に」と言って、マレーシア滞在の後半からは半強制的に1日30分だけ、学校の宿題をする時間を取っています。(シンガポールやペナンの旅行中は勉強無しです)

著者のお気に入りのマレー系のショッピングモールSungei Wang(2~3日に1回は行く)

宿泊を伴う旅行に出かける

2年連続同じスタイルですが、滞在中は同じ部屋を借り続けて生活拠点を作ります。週末は全員お休みなので、その拠点に大きなトランクは置いたまま、全員リュックを背負って宿泊を伴う旅行に出かけたりもします。

去年はマラッカ(世界遺産)へ、今年は隣国のシンガポールとペナン(世界遺産)に行きます。基本的に子ども達は家にこもるのが好きなので、プール以外は部屋にいたがります。そこで、家を出るイベントを計画することにしました。やはり自分で実際にそこに行って、見て聞いて食べて感じないと分からないことも多いので、学校でいう遠足や修学旅行のようなものです。

幸い日本国内でも子ども達は不登校になってからも、家族で遠出するのは好きなので、国が変わっても宿泊を伴う旅行は楽しみにしてくれているようです。

一度は見たかったマーライオンを眺める子ども達

家族以外の人たちと交流する

人との交流というのは、チャンスがあれば私たち4人だけでなく、他の人たちと一緒にご飯を食べたり、話したりするようにしています。

例えば、今回はシンガポールで私の2人の友人に会いましたが、事前に一緒にシンガポールを観光してほしいとお願いしていたので、一緒に楽しく過ごすことができました。

また、マレーシアのクアラルンプールには昨年お世話になった知り合いがいて、そのつながりで知り合いが増え、先日も8名で夕食を食べました。それくらいの人数であれば、お互いに全員の名前と顔が一致して、全員が取り残されることなく楽しく過ごすことができます。

不登校の子ども達は家にこもって孤立しているので、小さなグループで楽しい時間を過ごすことは貴重です。将来的には仕事でもプライベートでも、人との交流が人生では必要になってきます。学校の教室のような大人数は苦手でも、本人たちが大丈夫な人数の交流には、ありがたく出かけるようにしています。

マレーシア滞在中の親の仕事

家族で1ヵ月マレーシアに行くなんて、経済的に余裕があると思われるかもしれません。残念ながら我が家は資産家ではなく「これからの子どもの学費をどうしようか」と考える一般庶民です。

夫は会社員でウェブマーケティングの仕事をしています。一部屋を自分用に確保し、平日は毎日パソコンに向かって仕事をしています。会議やお客様との打合せはオンラインで行っています。普段は会社に出社することが多いですが、既存のお客様とのやり取りなどは、ビデオ会議などで全く問題ないようです。コロナの影響で社会全体のオンライン化が進んだことが背景にあります。

母親の私は本業が日本語講師と英語講師です。学校で教える授業については早い段階から上司に相談し、授業の代講をお願いしました。それができる環境に深く感謝しています。オンラインで英語の個人レッスンもしており、現在は週1回の生徒が2人だけなので、マレーシアからいつも通りオンラインでレッスンをしています。

マレーシア滞在の魅力として、マレーシアと日本の時差が1時間しか無いので、日本とマレーシアをオンラインでつなぐ仕事が大変やりやすいです。また、借りているコンドのWi-Fiが強く、Zoomでの会議やレッスンは日本にいるときと全く変わらず、不便を感じたことがありません。

注意点があり、セキュリティの問題で、日本のサーバーや日本国内からしかアクセスできないサイトやアプリがあるので、初めて海外にパソコンを持っていってお仕事される方は、事前確認することをお勧めします。

ナシレマ(ココナッツで炊いたご飯)とチキン
食事は400円前後のマレーシアの庶民飯/サラメシに支えられる



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