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不登校兄弟の夏休みマレーシア滞在日記Vol.1 なぜマレーシアに行くのか?

不登校の中2長男と小4次男を子育て中です。「不登校」という言葉をマイナスにとらえられる方が多いかもしれません。最初は母親の私も学校の先生も「学校へ行かせる」ことを前提に考え行動していました。しかし、今は「本人たちの気持ちや個性」を大切にし、明るい不登校子育てを楽しんでいます。

2人の不登校兄弟ですが、タイプや性格が異なります。2人とも「いじめ」などが原因の不登校ではありません。2人の共通点は「他者の目を気にする」ところです。また不登校のため「運動不足で、太陽をあまり浴びていない」ところです。

そんな子ども達の母親である私は「人目を気にせずに解放される生活を送らせてあげたい、太陽を浴びて運動をさせたい」と思うようになりました。そこで、2022年の夏休みに1回目の3週間マレーシア滞在を計画。思いきって行ってみたところ、家族全員がマレーシア生活をすっかり気に入り、2023年の夏休みも2年連続でマレーシアで過ごすことになりました。


人目を気にせずに解放される

特に長男は、日本で家の中ではリラックスしていても、人目が気になり外出をほとんどしないため肌が真っ白です。マレーシアに来て、急に性格が変わって活発になるわけではありません。でも、日本から離れると人目が気にならなくなるようです。日本のどこかより、飛行機に乗って外国に行ってしまうと人目が気にならなくなりラクだそうです。

知人がいて日本より物価が安く英語が通じるという理由で、マレーシアを渡航先に決めました。行くと決めてから知ったのですが、マレーシアはマレー系・中華系・インド系の民族で構成されいています。多民族を尊重したり、適度な距離感を保つところがあるのでしょうか。実際に滞在してみて、人と人との適度な距離感を感じました。マレーシアの国民性も、繊細さんの長男が心地よく感じる理由かもしれません。

長男の場合は性格上、日本に居続けてしんどい思いをするのなら、自分が生きやすいと感じる場所を見つけ、自分らしく自分の人生や命を全うしてくれたらと思っています。

プールで泳いで運動不足解消

次の目的は兄弟そろって運動不足解消です。幸い2人ともプールで泳いだり遊ぶのが好きなので、住人が自由に無料で使えるプールがついているマレーシアのコンド(高層マンション)は、滞在先としてうってつけでした。

クアラルンプール中心部のコンドに2年連続で滞在しており、他のコンドに遊びに行く機会もありましたが、6階にプールがあるところが多いようです。プールは外から見たら見えないように設計されています。コンドの入り口やロビーが1階、2~5階は駐車場、6階にプールとジム、7階以上に住人が居住するようなつくりになっています。

同じ建物内にプールがあるのは理想です。部屋で水着に着替えてバスタオルを巻いてプールに行き、ジャボーン、スイスイ。気が済むまで泳いだり遊んだら、シャワーを浴びて水けをバスタオルで拭いたら、そのまま部屋に戻ります。部屋でそのまま着替えるか、温かいシャワーを浴びて着替えて終了。この手軽さが最高で、子ども達もプールへ行くことが好きなようです。

「いくら理想の生活でも、値段が高くて私には無理なんじゃないか」と思われるかもしれません。電気代やWi-Fi、プールやジムの使用料、1台分の駐車場もこみで、昨年は1泊6千円、1泊5千円でコンドの部屋を丸ごと借りて生活しています。マレーシアまでの往復の飛行機代はかかりますが、日本よりも宿代が格段にリーズナブルで、毎日プールの生活も可能になります。

2023年夏に滞在しているコンドのプール

不登校の息子達をご紹介

「不登校」にも色んなタイプがあるので、最初に2人の息子たちをご紹介します。子ども達の成長の記録を残そうという気持ちはもちろん、同じような特性を持つ不登校のお子様を育てている保護者の方へ参考事例になればと願っています。

現在中2の長男:超繊細さん(公立小学校⇒公立中学校)

【不登校ストーリー】
・小3から学校に行く時間になると体調が悪くなり、学校を休む日が徐々に出てくる。
・小4の6月に喘息発症。小児アレルギー科にかかる。休む日数が増える。
・小5はたまに休むが学校に行ける。
・小6の7月のある日、突然起きることができなくなり、以来2年以上、1度も学校に登校していない。

小6の10月の修学旅行は、たまたま前日に友達と通信でゲームをしたときに、友達が修学旅行の話をしてくれ、奇跡的にその勢いで修学旅行に参加。その後、学校に1日も行かないまま卒業。修学旅行以来、小学校にも中学校にも一歩も足を踏み入れていません。

・中1はオンラインで毎日授業に参加。
・中1の夏休みに母親(筆者)の発案で、太陽を浴びに家族4人でマレーシア滞在。その時に、長男がマレーシアが自分にとって居心地が良いと感じる。
・中1の11月中旬から12月末までの6週間、本人の希望で単独でマレーシアに渡航。困ったら助けれもらえる知人(日本人の大人)が近くにいる環境で、6週間コンド(高層マンション)の一室で一人暮らしをし、マレーシアからオンラインで授業を受ける。
・中2もオンラインで毎日授業に参加。中2は学校の課題を出すと自分で目標設定し、新学年が始める前に母親にその旨を伝える。1学期の中間テストと期末テストの2回のタイミングで課題提出を達成。

時系列に事実を並べましたが、小6の7月に今まで頑張っていたのが急に凧の糸が切れたようにバタンと倒れ、しばらくは何もできない感じでした。そこから少しずつエネルギーが微増するのかしないのか、という感じで日が経ち、小6の間は学校の授業をオンラインで接続して頂いても実際は家で休息しているような感じです。

私自身は経験ありませんが、うつ病を経験した方が身近にいたり、話しを聞いたことがあり、「子どもでも周りに合わせすぎて無理をするとうつ病になるのかな」と勝手に思っていました。母親の勘で、すぐに元通りになる感じがしなかったので、無理に学校に行かせようとしませんでした。大人のうつ病のように数年の長期スパンで構え、ゆったりとした生活を送った方が最終的にエネルギーレベルが上がり、これから先が長い人生を送るパワーがチャージされると考えたからです。

中2になってから本人から頼まれ、通信制高校の合同説明会に母親の私が2回出席したことがあります。個別ブースで学校のお話を伺ってきて本人に報告すると、本人が行きたいと思えるところがあったようです。学校の見学会には本人が参加すると言っています。

長男の不登校は、繊細さんで自分のアンテナの感度が高すぎて必要以上に情報が入っていくるのでしんどくなり、そのしんどい状況から自分を守るために不登校になっているようです。本人は学校に行った方がいいと分かっているけれど、防御システムが働いて学校に歩いていくことができません。

長男の場合は無理して学校に行かせると、せっかく貯めているエネルギーがまた無くなってしまいます。大人のうつの方が数年かけてゆっくりと回復していくように親子でゆっくり構えて一緒に楽しいことができたらと思うようになりました。その結果、どの学校に行くかも、どのタイミングで行くかも、すべて本人に任せることにしました。

プールではいつも笑顔の子ども達

現在小4の次男:超マイペース(公立小学校)

本来次男は学校に行けるタイプの子どもです。しかし、兄の不登校がきっかけで調子がくるって学校を行き渋るようになり、そこから不登校になりました。

【不登校ストーリー】
・小2の7月にお兄ちゃんが突然学校に行かなくなる(今まで一緒に学校に歩いて行った兄がいなくなり、調子が崩れる)
・小2の2学期以降、学校の行き渋りが始まる
・小3の3学期、行かない日が多くなり、授業も受けづらくなり、ほぼ自宅にこもる
・小4の1学期 それまで学校に行かない期間が長く、始業式の日に学校に行けず。初日に行かないと「恥ずかしいから教室に行けない」と言い出す。母親(筆者)が担任の先生に今までの経過と現状と、本来は学校に行ける子どもであることをお伝えする。

こちらからの依頼で、長男のときもお世話になった生活指導の先生(ベテランの先生で不登校対応に関わってくださる)にも入って頂き、担任の先生と母親の3者で作戦会議を開く。

少しずつ短時間の別室登校をはじめ、最終的に週2回別室登校が安定し、テスト類は母親(筆者)が試験監督で全部取り組んだ。

担任の先生の秀逸な「給食配膳作戦」で、給食当番のクラスの子ども達が給食を運んでくれるときのメンバーや人数を配慮してくださる。最初は次男が知っている仲が良い友達1人。次は2人。次は3人。最大7人で運んでくれた。別室の入り口でたくさんの友達に会っておくと「教室に行くのが恥ずかしい」という気持ちが和らぐのではないかという機転に、母親の私は脱帽だった。

・小4の1学期最終日は一人で家から歩いて別室に登校し、放課後に教室に行ってプリントや成績表を受け取り、一人で歩いて帰宅。


「兄弟間の不登校連鎖」とでも言えるのでしょうか。お兄ちゃんが完全に学校に行かなくなったことが、次男にも影響しました。次男も家にいるのが好きな性格の子どもだったので、「お兄ちゃんだけズルい!」と言い出します。

そこから、次男を自転車の後部座席に乗せて学校に行ける日は行かせる日が始まりました。学校の入り口付近まで強引に送って行って、学校に入らずに家まで戻ってきたこともあります。次男は照れ屋ではありますが、長男のような繊細さんではないので、最終的には学校に行かせたいし、学校に行く方が心身ともに健全です。次男の場合は、最終的には学校に行けることを目標に、いったん引いて、次男の気持ちを大切にするように作戦変更しました。

現地の食事を少しずつ楽しめるようになった息子たち

親子の楽しい時間を増やす

不登校の子ども達は学校に行っていないことを気にしていたりと、自己肯定感が低い傾向があるのではないでしょうか。しかし、一般的には自己肯定感が高い方がメンタル面で生きていくのがラクだと思います。

不登校で家にいる時間が長いので、親子や家族の楽しい時間を増やすことで思い出ができるし、一緒に過ごす中で親が前向きな反応やコミュニケーションを心がけると、自己肯定感が少しずつでも上がるのではないか、と考えるようになりました。

海外に一緒に行くと、家族が協力しないといけない場面が出てくるし、一緒に異国の食事を楽しんだり、プールや観光を楽しむことができます。家族や兄弟の時間や思い出が、子ども達の心の肥やしとなって、自分の人生を進んでいくエネルギーになればと願っています。

誤解のないように補足すると、マレーシアに行くのはあくまでも参考事例の一つにしかすぎません。不登校のお子様の状況や個性、各ご家庭の状況や方針にあったカタチで夏休みを過ごされると思います。

ただ、私が繊細な子どもを海外に連れて行くことをオープンにすると、繊細なお子様を育ててこられた人生の先輩たちから「昔、子ども達を海外に連れて行ったよ」というお声を頂きました。周りを気にしすぎてしまう繊細さんを日本から離れたところに連れ出すことは、ひとつの方法として理にかなっているのかもしれません。

(Vol.2では不当兄弟のマレーシアでの生活様子をお伝えします!)
不登校兄弟の夏休みマレーシア滞在日記Vol.2 マレーシアでの生活を全公開!|なるみん@英語・日本語講師×ライター×子育て中 (note.com)

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