新原なりか

フリーランスのライター、編集者。noteにはエッセイと、自主制作の本のお知らせなどを載…

新原なりか

フリーランスのライター、編集者。noteにはエッセイと、自主制作の本のお知らせなどを載せます。これまでのお仕事はこちら→https://fori.io/n-niihara0624

記事一覧

心の中で猫を飼う

私の家には猫がいる。いや、いないんだけど。仕事をしていると膝の上に乗ってきたり、朝早くから「みゃー」と鳴いて私を起こしたりする。まぁ、嘘なんだけど。そこまで人懐…

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【その日その本】『ここで唐揚げ弁当を食べないでください』 小原 晩

集中して本を読むと、本を閉じた後も、世界をその本の文体で受け止める体になることがある。目の前の景色や自分の動作をなぞる頭の中のモノローグが、その本の文体にぐっと…

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『私みたいなやつでも生きていける世の中になってほしいから私は私みたいなやつのままやっていくのだ!!』 より 「はじめに」

2022年9月25日(日)に開催される第十回文学フリマ大阪にて、日記+エッセイ+短歌の本『私みたいなやつでも生きていける世の中になってほしいから私は私みたいなやつのま…

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心の中で猫を飼う

心の中で猫を飼う

私の家には猫がいる。いや、いないんだけど。仕事をしていると膝の上に乗ってきたり、朝早くから「みゃー」と鳴いて私を起こしたりする。まぁ、嘘なんだけど。そこまで人懐っこくなくて、でも人見知りはしなくて、鰹節と鳥の羽根がついた猫じゃらしが好きで、よく眠る猫。見たことはないんだけど。

猫という生き物のことは、長らく好きでも嫌いでもなかった。そんな私が猫を愛するようになったのは、6年前の数ヶ月間の島暮らし

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【その日その本】『ここで唐揚げ弁当を食べないでください』 小原 晩

【その日その本】『ここで唐揚げ弁当を食べないでください』 小原 晩

集中して本を読むと、本を閉じた後も、世界をその本の文体で受け止める体になることがある。目の前の景色や自分の動作をなぞる頭の中のモノローグが、その本の文体にぐっと近づく。世界は世界でありながら本の続きになって、私は私でありながら主人公になって、ここはここでありながら物語の舞台になる。その感覚は時間が経つにつれ薄まっていき、数時間後にはもう思い出せない。だからその感覚が残っているうちに、書き留めておき

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『私みたいなやつでも生きていける世の中になってほしいから私は私みたいなやつのままやっていくのだ!!』 より 「はじめに」

『私みたいなやつでも生きていける世の中になってほしいから私は私みたいなやつのままやっていくのだ!!』 より 「はじめに」

2022年9月25日(日)に開催される第十回文学フリマ大阪にて、日記+エッセイ+短歌の本『私みたいなやつでも生きていける世の中になってほしいから私は私みたいなやつのままやっていくのだ!!』を頒布します。

フリーランスとして仕事を始める前後の鬱屈した日々の記録と内省、その空気を反映しつつも斜め上へ弾ける短歌。暗めの内容をポップめに綴った、私が(もしかしたらあなたが)「生きていく」ための本です。イラ

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