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2021年5月の記事一覧

詩  「愛の死 死後の死」

詩  「愛の死 死後の死」

「愛の死 死後の死」

人と人 それぞれ愛し合い 共に生きる
今宵 君は死んだ 
でも この愛は死なない
愛は死なずに 肉体は滅びる
愛は死なずに 死後の世界で私たちは結合する
愛は死んだ 君は死んでいない
愛は死んだ この世で僕たちは別々に生きる
今宵 愛は死んだ 死後の世界はまっさらだ

詩  「行方」

詩  「行方」

「行方」  

満月の夜 雲に隠れて
私はどこにも行かないで
湿っぽい部屋で寝転んで

カーテンは閉まったまま
エアコンはつけずただ
暗い部屋でテレビがついている

満月の夜 雲に隠れて
あなたはどこかで生きていて
僕の心は空っぽで

カーテンは閉まったまま
あなたと通じ合えずただ
互いに分かり合えずいる

心の行方はわからずに
隠れた月はどんな形か
私の心は月のよう

私の心は雨模様
自分勝手に

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詩  「僕は」

詩  「僕は」

僕は

世界は僕と関係なく動き続ける
僕が寝ていても 僕が目覚めても
変わらず世界はそこにいて
僕のことなど知らんぷりして

川は僕と関係なく流れ続ける
僕が見ていても 僕が水を掬っても
変わらず川は流れていて
僕のことなど知らんぷりして

街は僕と関係なく回る
僕が引っ越してきても 僕が働くようになっても
変わらず街は動き続け
僕のことなど知らんぷりして

君は僕と関係なく生きる
僕が好意を寄せ

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詩  「美しき哉世界。」

詩  「美しき哉世界。」

美しき哉世界。

散らかった部屋
溜まる食器

靴の多い玄関 
鍵のかかったドア

広がる青空 白い雲
窓の外には高層ビルと白い団地

屋根から垂れる水は私を通過して落ちていく

あぁ つまらない

乱れたベッド
乾かぬタオル

閉めっぱなしのカーテン
埃だらけの机

落ちる太陽
どこまでも伸びる地平線

路地には大人のため息が溜まっている

あぁ 世界は美しい

詩  「夜明け」

詩  「夜明け」

夜明け

この夜明けは 誰が見ているだろう
この夜明けは 何度目の夜明けだろう

僕はここで眠り 君はそろそろ起きる
僕はここで眠り 僕の一日を君が生きるのはどうだろう

赤の他人も朝には目覚め
あてもなく生きることを始める

他人の人生を生きているみたいだ
まるで自分じゃないみたいだ

漫然とした夜明けは 本当に僕の夜明けだろうか
僕の見る夜明けは あなたには見えているのだろうか

実は誰にも分

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詩  「優しさ」

優しさ

起きるのが午前の11時でも 別にいいよね
昼寝をしたって 別にいいよね
夜寝るのが午前3時でも 別にいいよね

うまくいかなくて泣きたくなっても 別にいいよね
たまには贅沢したって 別にいいよね
自分に甘くたって 別にいいよね

みんなができること できなくたって 
自分にしかできないことが きっとある
自分を求めている人が きっといる

死後の世界はわからないけど
生きてるうちは死んで

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詩  「春」



足音 君は前を歩く
足音 僕は君を追い抜く
足音 君は遠ざかってゆく

君は僕を知らない スーツを纏った僕を
僕は君を知らない 学生服を纏った君を
だけどここで交わり そしてすぐ離れてく

春はいつも新鮮 良くも悪くも新しい

教室 君は僕の前に座る
教室 僕は君の後ろに座る
教室 それは今日で終わり

君は僕と離れ いつか忘れていく
僕は君を想う しかし声に出さず

春はいつも残酷 痛く脆

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詩  「顔」

詩  「顔」



のっぺらぼうのクラスメイト いつも1人でいる。
彼に話しかけてみる いつからそうなのかと。
彼はこう答えた 高校に入ってからと。
僕はこう尋ねる 幼い頃はと。
彼はこう答える どんどん薄くなったと。
家に帰ると彼は 一人で泣いていた。
学校に来ると 一人で座っていた。
僕が話しかけると 彼は笑っていた。

詩  「グッド・バイ」

詩  「グッド・バイ」

グッド・バイ

グッバイ青春 二日酔い
グッバイ麻雀 朝帰り
グッバイ グッバイ

ようこそ労働 デスクワーク
ようこそ残業 朝帰り

さようなら あの日々よ
さようなら くだらない日々よ

こんにちは 新しい日々よ
こんにちは まだみぬ明日よ

グッバイ青春 二日酔い
グッバイ青春 朝帰り
グッバイ グッバイ グッド・バイ

詩  「addiction」

詩  「addiction」

addiction

目覚め 窓は閉まっている
眩い光 私たちは虜になって

眠い 夜の疲労が
淡い 昼間に襲う

闇夜 部屋は明るく
曙光 部屋にさしてから眠る

詩  「夜」

詩  「夜」



霧雨の降る日比谷公園
街灯に照らされ歩く。

雨が地面に当たる音
跳ね返る飛沫が街灯に照らされ姿を現す。

公会堂の雫は
地を削りしのぎを削る。

ビルの屋上の赤いライトは
僕らに危機を教えている?

噴水の周りのベンチ

電灯に集まる虫

空から見た僕たちは僕たちが見ている蟻のよう。

月の見えない空には今日も北極星が輝く。

詩  「ある晩春のうた」

詩  「ある晩春のうた」

ある晩春のうた

ふわふわじわじわと瞼
閉じて震えてまた開く。

満身創痍で横たわり
重い瞼をこじ開ける。

風が足元吹き抜けて
灯りは僕の手元を照らす。

闇は僕らを突き放し
僕らは必死に食らいつく。

やがて瞼が重くなり
僕は闇へと落ちてゆく。

詩  「行方」

詩  「行方」

行方

私たちは今、暗いトンネルの中にいる。
真っ暗闇の、中にいる。
見ろ!私たちの光がみえる。
いいや、あれは炎。
私たちの行手を阻む炎。
見ろ、渇きを癒す水だ。
いいや、あれは私たちを飲み込む荒波。
我々はどこに行ったら良い?
いいや、私たちはどこにも行かない。

ゆらゆらゆらゆらゆらゆら揺れる
意識と無意識の狭間で。
暗闇の中 ほんのり汗ばんだ手を握って。
ゆらゆらゆらゆらゆらゆら揺れる

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