詩  「春」



足音 君は前を歩く
足音 僕は君を追い抜く
足音 君は遠ざかってゆく

君は僕を知らない スーツを纏った僕を
僕は君を知らない 学生服を纏った君を
だけどここで交わり そしてすぐ離れてく

春はいつも新鮮 良くも悪くも新しい

教室 君は僕の前に座る
教室 僕は君の後ろに座る
教室 それは今日で終わり

君は僕と離れ いつか忘れていく
僕は君を想う しかし声に出さず

春はいつも残酷 痛く脆くも新しい

今年も春が来て 君は遠ざかる

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