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【CX DIVE Crossing vol.1】プロダクトが起点になるコミュニティづくり

CX Diveのスピンアウトイベントとして、Minimal代表 山下さんと、オールユアーズ代表 木村さんがCXについてお話しをしてくださいました。

木村 まさし - 株式会社オールユアーズ 代表取締役
山下 貴嗣 - Minimal Bean to Bar Chocolate 代表

▼オールユアーズについて紹介
木村さん「世の中はファッションに興味ない人もいますよね。
“毎日同じ服でもいい、でもちゃんとしたもの着たい”という方のために、毎日洗って、毎日着れる服を作っています。」

▼Minimalについて
山下さん「Minimalというチョコレートを作っています。赤道直下のカカオベルトというエリアに僕が直接買い付けに行ったりしています。一般的にチョコレートというのは滑らかさが評価されるけど、うちのチョコはカカオがあらびきでザクザクしてるんです。これってプロの人からすごく虐められたんですけど、お客さんからの評価がよかった。お客さんと一緒に成功を作ってきたチョコレートです。」


お二人とも自社ブランドの代表として、想いを語ってくださったところで、さっそく核心を突く質問から入りました。


 Q:お二人にとって、ファンとは?

山下さん「CX Diveに出て気がついたのは、世の中むずかしく考えすぎじゃないかな!って印象でした。横文字多いですよね。そこからわかるけど、日本人できめ細かいじゃないですか。日本人の”空気を読む”能力ってネガティブに取られることあるけど、すごい事だと思うんですよ。海外ってそもそも空気読めないじゃないですか。言わなきゃ伝わらない。こういうイベントだと、その日本特有の空気をファンと共有できるだとか、言葉だけでは伝えられない体験がありますよね。」

木村さん「僕はブランドとファンという言い方に違和感があると考えてるんです。よく”共犯者”って言葉を使うんですが、ブランドはそのものではなくて、ブランドに加担してる人がいてくれるだけ。つまりファンがブランドなんです。僕らは枠を提供しているだけで、ファンそのものがブランドっていう感じです。」

山下さん「わかります。ブランドってその人の心の中にあれば、それがブランド。」


Q:ファンとの関係性はどう変化してきた?

山下さん「昔の話なんですけど、お客さんがお酒持ってお店来たりしたら一緒になって飲んでたんです。”ペアリングの検証だからね!”って(笑)。そんな感じでファンと関係を作って、ファンを通して新しい発見をしたりしてきました。今考えると、昔に比べたら今はだいぶ真っ当なことしてるなって感じてます。」

木村さん「同じような視点かもしれないんですが、ファンにはプロセスの体感を提供しているんです。例えばコットンて、言って見れば土からできてるんです。そういうのを知ってもらう、新しい知識の提供やプロセスを感じてもらうことを大切にしてます。ファンとの踏み込んだコミュニケーションですかね。」

山下さん「踏み込んでいって、怒られたら下がるとかね(笑)。"あ!この人嫌な顔してるな〜"とかって思ったら、空気読む。日本人らしくね。」
(会場笑)


Q:クラウドファンディングの立ち位置とは?

今日ご登壇されてるお二人は、もともとクラウドファンディングで成功を納めています。そこについてお話してくださいました。

木村さん「ぼくのブランドって写真だけではよくわからないんです。実際に袖を通してみたり、テキストを読んでもらわないとわからない。そんな中クラウドファンディングを提案されたんですが、やってみたらプロジェクトの成功だけじゃなく、プロモーションという意味でも効果が大きかったんです。それで味をしめて、続けて何度も行ってます(笑)。」

山下さん「僕の場合は、クラウドファンディイングを通してコミュニティを作れるなって思っていました。makuakeでやったんですが、最初からコミュニティを作りたいと思ったので、製品ではなくて会員権を売ったんです。そしたら予想を超える反響をいただいて、1600人くらいからご支援いただけました(makuakeの飲食部門で1位実績)。これってすごいことで、お店ができる前に1600人お客さんが出来たってことじゃないですか。クラウドファンディングの旨味はそこだと思います。」


Q:イベントの意義とは?

山下さん「僕ら10人くらいのイベントをずっとやってるんだけど、こないだ概算で数えたら参加者が1万人超えてるんですよ。すごくないですか?1回2〜3時間やるんですけど”カカオからチョコ作りましょう”とか、すっごいコアなチョコレートの話について語ったりするんです。一方で普通のお店って、買って出てくだけなら5分あればいいだけじゃないですか。だから一つの製品に対して、何時間も話すのってすごいことで。贅沢な時間なわけです。しかも来場者から参加費をもらって自社の事について宣伝しまくるって、視点変えたらすごい異常なことなんですけど(笑)。

実はお客さんから”この物づくりはやっちゃダメだよ”って怒られること結構あるんです。ある人から”Minimalって百貨店に出てるようなパッケージになってますよね!”と言われてすぐ直したり。そういう意見を直に受けられるのもイベントの意義ですね。」

木村さん「リアルイベントだと空気がわかるのもいいですよね。言葉だけじゃなくて、来た感じの反応とか。服だとお客さんの評価ももちろん何ですが、売る側がお客さんが見えない背中とか首回りの見立てとかに目で気が付ける事もあって。それもイベントで感じるポイントの一つかと思います。」

山下さん「イベントのイメージとしては、プロダクトを真ん中にして、こっち側に僕らがいて、向こう側にお客さんがいる感じですかね。僕らはこう思ってるけど、あなたはどう思いますか?って他の側面を知れる場でもある。だから定性評価がすごく得られる場ですね。

僕”未完成”って言葉が最近すごく好きなんですけど。未完成って余白があるから、他の人がくれた言葉が反映される余地がある。一方で完成っていうのもすごい欲しいじゃないですか。他人の意見を取り入れることによって、未完成なんだけど完成に近づいていく…みたいな、そんな事ができるのがイベントなのかなって感じてます。」

木村さん「実はクラファンで成功するための話をこっそり数人にした事あるんですが…需要あります?」

山下さん「聞きたい!」

木村さん「では(笑)。クラウドファンディングって基本オンラインですよね。SNSを使ってる人が多く見ると思うんですが、SNSって知ってるやつしか見ていないじゃないですか。その中で大事なのって”自分の顔が見えてて”、”どんな絵が見えてるのかだ"って話すんです。あとは”リターンが魅力的か”っていうのを問う。自分もクラファン結構みてるんですけど、すごい応援したい!って思うのにリターンが魅力的じゃなかったら支援が難しかったり。そういう両方を抑えられてるかはアドバイスしてます。」

山下さん「たしかに!そういうときありますよね。
よく世の中で言うペルソナとかって、マス相手ならいいんですけど、コアなものを売りたいなら、この人に売りたいんだ!っていうただ一人の実在する解像度を上げる事が大事かなと。Minimalの場合は、その最初の対象が”自分”だった。関係者が増えるとブランドがぼやけるじゃないですか。だから、今考えるとおこがましいけど、当時は自分が欲しいものを解像度あげて作っていました。

権限委譲って言葉、ぼく大好きなんだけど。ラクしたいじゃないですか!しかも社長が4ヶ月も赤道直下行ってる会社でしょ?(会場笑)。だからどんどん任せちゃう。ただし、ずっとやってきてて、”まかせちゃいけないな”ってポイントに気がついてきました。だから最後は僕が決める!っていうポイントは残しておく。その点においては、スタッフかわいそうなんです。赤道直下から帰ってきたら順番待ちですよ。うちは誰が何提案してもいいことになってるので。」

この後、お二方とも組織運営のお話や、質疑応答などで色々な視点からお話をしてくださいました。ここに書ききれなかった内容もありますので、よろしければ当日のTwitterなどチェックしてみてくださいね。

登壇者のお二人、そしてCX Diveを運営しているプレイドさん、貴重なイベントを開いていただいてありがとうございました!

*レポ内容は随時アップデートする可能性があります。

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