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終わりが見えない恐怖|ライフキャリアコーチへの軌跡(3)

入社1年目は様々な部署を経験する研修が組まれていて約3ヶ月ごとに部署異動をしました。部署を異動しながらぼんやりとこれからのキャリアについて考え始めつつ、結局、短期間で部署異動を繰り返し、都度新たな業務を覚えることに集中していたので深くまで考えるまでには至らず。

今回は、いつ雨雲が抜けるかわからないように、終わりが見えない時こそ感じる不安と恐れについて書いてみます。

新卒で入社したのはホテル企業でしたので、新入社員研修ではサービス最前線の部署で実際にご来館されるお客様と接したり、華やかな舞台の裏では日々どんな試行錯誤がなされているのか間近で勉強させていただいたりと、毎日がとても刺激的でした。だからこそ、深く自分を顧みることよりも、どんどん新しいことを覚えたい・知りたい気持ちが勝っていた時期だったのだろうなと振り返ります。

1年目の終わりが近づきつつある頃、なかなか本配属発表がされず、同期内で不安の声が上がり始めました。会社の判断で物事が進むのが当たり前のはずなのに、新入社員たちにとって本配属発表は大きなイベントだからこそ注目度も高く、その分少しでも予想から時期が遅れると精神的にぐらついてしまっていたのでしょう。これまでの学生生活では「学年」という区切りがあり、春になると強制的に次の学年になりますが、その規則性と比べると予想通りに終わりが来るかわからない「不確実性」ほど怖いものはなかったのだと思います。

当時の私も周りと同じようにだんだん不安でいっぱいになっていました。それまで楽しく働いていたにもかかわらず、一度不安に焦点が当たると、みるみるうちに楽しかった気持ちが薄れてしまい「いつ発表されるのか、ずっとこのまま配属発表されず宙ぶらりん状態なのではないか」という疑問から抜け出せなくなっていました。同期と一緒に人事課に駆け込むほど。しかし、心配とは裏腹にその後すぐ問題なく本配属発表が行われ、不確実性からくる不安は解消されました。

この時の気持ちの動きを振り返って思うことは、社会人になると学年のような明確な区切りは存在していないということ。そしてその区切りは企業などの他者が決めてくれるか、自分で決めるしかないということ。そして、前者の場合は生活の時間軸を他者に委ねてしまうため、その相手が判断を下すまで自分自身が宙ぶらりんになってしまうので、その間の不安が増える可能性があるということです。

もちろん会社全体の大きな動きや社会の動向は、一個人が簡単に決めることができないけれど、自分自身の中でステップを設定することは自由です。予測ができない世の中だからこそ、自分の中である程度区切りを設定してみることで得られる安心感というものもあるんだなと学んだ期間でした。

次に続く・・・


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