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パターン化されたエモと、ある男の物語
「実際パターン化されたエモは俺もいかがなものかと思うわ」
「仕方ないだろ、それだけエモっていう感情が普遍的なって来たってことだ」
「朝焼けの海、夏の日のドライブ、色褪せた絵本、17時のチャイム…」
「エモっていうのも言ったもん勝ちだしそれがパターン化されてるってのも言ったもん勝ちだな」
「自転車と入道雲、水溜りに反射するネオン、深夜のコンビニ、廃墟から覗く人影、使いかけのクレヨン、青色の蝉、カレ
妄想、野良猫、首長竜
僕の通っていた小学校にはケンちゃんという男の子がいた。
彼はいわゆるちょっと遅れた子で、僕たちはよく彼をからかって遊んでいた。彼が転んだら大笑いし、遠足の時は同じ班にならないよう押し付けあったりしていた。
彼がそこまで煙たがられていたのは、彼がどんくさかったからだけではなく、たびたび虚言を吐くせいだった。
しかもその内容は、昨日おばけに人が食べられるのを見ただとか気が付いたらお父さんとお母さん