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前十字靭帯損傷

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前十字靭帯損傷について生理学的、解剖学的に記事にしています。
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#前十字靭帯

ACL Rehab(前十字靭帯)系まとめ:ACL Rehab Series

ACL Rehab(前十字靭帯)系まとめ:ACL Rehab Series

Twitterにて投稿しているACL Rehab(前十字靭帯)系のまとめを作成しました。

皆様のトレーニングの一助になれば幸いです。

2-1 Box Jumps for athletes.

✅プライオメトリックトレーニングは、非効率な下肢スティフネス動員が一因とされる女性のACL傷害の多発を改善する効果が期待できるとされている。

pic.twitter.com/BOJLbyPz5G

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既往歴に潜む傷害発生の危険因子(ハムストリングス、鼠径部、および膝関節を受傷した選手が、翌シーズンに同じ傷害を負う確率は2~3倍に上る)

既往歴に潜む傷害発生の危険因子(ハムストリングス、鼠径部、および膝関節を受傷した選手が、翌シーズンに同じ傷害を負う確率は2~3倍に上る)

傷害予防の方策
青少年における傷害の一時的な、また生涯にわたるマイナスの影響を考慮すると、そのようなマイナスの結果を避けるためには、青少年期の早い段階で傷害予防の方策を立てて実施する必要があります。

青少年アスリートのスポーツ傷害は成長と発達、低い体力レベル、不十分な身体準備、低い運動能力、および基本的な運動スキルの不足などに関連性があります。

したがって、青少年アスリート、特に状況に左右され

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子供が疲労に対して示す反応(ハムストリングスの筋活動のタイミングと速度が変化すると、脛骨の安定性が低下、それにより脛骨の前方移動が増大するため、ACLが受ける機械適応力が増大する)

子供が疲労に対して示す反応(ハムストリングスの筋活動のタイミングと速度が変化すると、脛骨の安定性が低下、それにより脛骨の前方移動が増大するため、ACLが受ける機械適応力が増大する)

子供が疲労に対して示す反応 年齢、成熟度によって異なることが、近年の研究により明らかにされています。

欧州サッカー連盟(UEFA)に提出された報告書では、思春期前、思春期、思春期後の女子において、短時間の模擬的サッカーを用いた疲労プロトコルを実施後、下肢スティフネス、電気力学的遅延、および機能的な大腿四頭筋とハムストリングスの筋力比に違いは見られないとのデータを示しています。

これら

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女子選手における非接触型ACL断裂の発生の可能性を最小限にとどめるには(プライオメトリックトレーニングは、ハムストリングスと大腿四頭筋の筋力比を改善、減速時のハムストリングスの反応筋力を向上、着地にかかる力を低減、外反および内反トルクを減少させる)

女子選手における非接触型ACL断裂の発生の可能性を最小限にとどめるには(プライオメトリックトレーニングは、ハムストリングスと大腿四頭筋の筋力比を改善、減速時のハムストリングスの反応筋力を向上、着地にかかる力を低減、外反および内反トルクを減少させる)

前十字靭帯損傷を最小限にとどめるには 解剖学上、神経筋上、あるいはホルモン上の差異のみによって、女子のACL(前十字靭帯)断裂発生率の高さを説明できるわけではなく、Hakkinenらは、準備期に行われるトレーニングの総量やタイプにおける違いも、男子と女子の間に認められる下肢筋力とパワーの差異をもたらす可能性があると主張しています。

実際、このような差異が、女子におけるACL断裂の主たるメカ

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前十字靭帯損傷とレジスタンストレーニング(ACLの歪み{膝関節の外反と股関節の内転を減少}を減少させるハムストリングの共収縮{膝関節の屈曲角を増大させる}が果たす役割を考えると、筋力増大は重要な要素になる)

前十字靭帯損傷とレジスタンストレーニング(ACLの歪み{膝関節の外反と股関節の内転を減少}を減少させるハムストリングの共収縮{膝関節の屈曲角を増大させる}が果たす役割を考えると、筋力増大は重要な要素になる)

運動とは
運動とは、骨格系、特に関節に作用する筋の力が、トルクやモーメントを生み出して、回旋、ひねり、曲げなどの動作として現れたものになります。

これらの動作は、筋が受ける刺激の強さと筋における力発揮の大きさによって左右され、筋によって生み出される力の最大量がその筋の筋力であり、筋力はトレーニングによって変わります。

女子アスリートと外反モーション
Malinzaらは、女子アスリートはすべての

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思春期における前十字靭帯損傷のリスク因子(思春期の筋骨格系の成長がそれに相応する神経筋の適応を伴わないことにより内的ACL(前十字靭帯)損傷リスク因子を助長する)

思春期における前十字靭帯損傷のリスク因子(思春期の筋骨格系の成長がそれに相応する神経筋の適応を伴わないことにより内的ACL(前十字靭帯)損傷リスク因子を助長する)

性差による成熟と前十字靭帯損傷リスク
男子は、実年齢を重ねるとともに、成熟段階と相関してパワー、筋力、コーディネーションの増大示す一方、女子は、思春期を通じて示す変化が有意に小さいことが示されています。

女子は、男子にみられる身長、体重、神経筋パフォーマンス間の相関関係は、思春期には存在しないとされています。

例えば、バーティカルジャンプ高(全身のパワーを示す数値)は男子においては思春期に着実

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女性選手の非接触型前十字靭帯損傷を防ぐには(体幹の安定性を重視し、中殿筋と股関節の外旋筋を発達させ、大腿四頭筋とハムストリングスの筋組織を強化する事は、着地時の外反トルクの有意な減少と、膝屈曲の有意な増加を促す)

女性選手の非接触型前十字靭帯損傷を防ぐには(体幹の安定性を重視し、中殿筋と股関節の外旋筋を発達させ、大腿四頭筋とハムストリングスの筋組織を強化する事は、着地時の外反トルクの有意な減少と、膝屈曲の有意な増加を促す)

女子選手と非接触型前十字靭帯損傷
女子選手は非接触型ACL損傷を起こしやすい潜在因子を有しています。

しかし、適切にデザインされたトレーニングプログラムは、このような傷害の可能性を低下させられるとRenstromらは主張しています。

前十字靭帯損傷を防ぐには
体幹の安定性を重視し、中殿筋と股関節の外旋筋を発達させ、大腿四頭筋とハムストリングスの筋組織を強化するトレーニング処方は、ACL断裂の発

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