中土井 僚(なかどい りょう)
記事一覧

「ビジョン・プロセシング(仮)」の『おわりに』
先日ご紹介した「ビジョン・プロセシング(仮)~人と組織の「未来と向き合う力」をどう育むか~」の前書き https://onl.bz/D8S4XsB に引き続き、今回は「おわりに」もご…
狛犬が教える逆境の乗り越え方
逆境下において、「なんとかしなきゃ」という声と「なんとかなる」という声が堂々巡りし、長い間決着がつかない時は、誤った問いの中にいる可能性があります。
アインシュタインの有名な言葉に「問題を創り出したのと同じ思考レベルでは、その問題を解決することはできない」というものがありますが、2つの声が堂々巡りしている状態というのは、まさに問題を創り出した思考レベルで解決しようとしていることの限界なのです。
「強みにフォーカスすべきか、弱点を克服すべきか」というお題の誤り
人材活用の永遠のテーマの一つとなっているのが、「強みにフォーカスすべ
きか、弱点を克服すべきか」というお題ではないでしょうか。
しかし、多くの決着のつかない議論にみられるものと同様に、実際にはこの
テーマは「そもそもお題がおかしい」と言えます。
なぜなら、「弱点を克服する上で、人は既存の強みを稼働させている」、
もっといえば「ほとんどの場合、人は既存の強みしか元々稼働していない」
からです。
チーム理念を浸透・定着させるには?
組織としての方向性を一致させるために、期初に「チーム理念」といったものを設定し、その浸透に取り組まれたことがある方も多いと思います。
しかし、せっかく設けた理念がいつの間にか、「お飾りに終わってしまう」ということもあるのではないでしょうか。
理念が存在していたとしても、それがなかなか浸透せず徹底されなくなってしまうのはなぜなのでしょうか?
多くの場合その原因は、「言っていることとやっていること
チームが一枚岩になるには?
表面的な会話や互いに牽制し合うような話し合いが続いたまま、結論が出ず、最後はトップダウンで決まってしまい、わだかまりを抱えた状態で、結局、物事がうまく進まないといった状態を経験したことはありませんか?
それぞれの意見のどれも一理あるものの、その意見を結論として取り入れたり、検討する前に、他にも検討するべき事項があると優先順位をつけようとするうちに、「Aを話す前にBだ」、「いや、Bは、Cが決まらな
ニューノーマルな働き方の歪みとは?
様々な企業でお話を伺う中で、ニューノーマルな働き方の「歪み」がそこかしこで生じているように思います。
そしてこの歪みは企業の中だけではなく、社会全体で起こっているとも感じています。
歪みとは具体的にどのようなものなのか、そして、私たちが向き合っていきたい「問い」について、今回ご紹介してまいります。
まずは「歪み」がどのようなものなのか、順に説明していきます。
全体像としてのモデル図はこちらです。
インテグラル理論の四象限を組織開発で活用する難しさとは?
先週は、インテグラル理論を題材に、新しい理論を組織に導入・展開していくときの説明のポイントについてご紹介しました。
今回は、その続編として、インテグラル理論のAQAL(全象限・全レベル)と呼ばれるもののうち、前号でも取り上げた「四象限」に焦点を当て、組織開発の実践にどう組み込んでいくのかについてご紹介します。
(1)組織開発上での活用に立ちはだかる「5つの壁」四象限について企業で説明する場合の一
新たな理論をキーマンに説明する際に大切なこと
2月にはいり、そろそろ今期の振り返りや、来期施策の企画・準備などに取り組まれている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
今回は、「インテグラル理論を企業で紹介する上で大切だと思うポイント」についてご紹介していきます。
インテグラル理論インテグラル理論とは、アメリカの現代思想家のケン・ウィルバーによって提唱された理論です。人間・組織・社会・世界を統合的、包括的に捉えるためのフレームワークであると
問いが変われば世界が変わるー Why編ー
前回は「問いが変われば世界が変わる」と題しまして、
Howという「ゴールに向かうための道筋・手段を探る問い」の限界
についてご紹介しました。
同じようなことが「Why」の問いにも言えると考えております。
今回は「問いが変われば世界が変わるWhy編」としてご紹介します。
私は2000年頃にコーチングに出会い、2001年にCTIジャパンでコーチ資格を取得したのですが、当時の講座で言われて非常に驚い
問いが変われば世界が変わるーHow編ー
私が携わらせていただいている企業様へのご支援テーマは、コンプライアンス事案、ハラスメントに関すること、ビジョンに関係すること、または業務プロセス改善など多岐に渡っています。
壁打ちセッションという形で、それらテーマに関するお話を伺い、どこが問題か・どこがレバレッジポイントかをお伝えするというサポートをご提供しているのですが、テーマの内容に関わらず柔軟な思考ができず袋小路にはまってしまっているとき
リーダーシップ のジレンマ
リーダーは、自分が創り出したい世界にコミットし、主義・主張を訴えていくことが求められます。
周囲との対峙の中で、それらは磨かれ、深まり、さらに強いコミットメントが育まれます。
しかし、このプロセスにはジレンマとなりうる落とし穴があります。
それは、「自身の世界認識への徹底した検証の欠落によるはまり込み」です。
創り出したい世界へのコミットが強ければ強い人ほど、自身の世界認識がどのくらい偏ってい
「人と組織の意思決定のアップデートを支援する」
新年あけましておめでとうございます。
旧年中は一方ならぬご支援を賜り、誠にありがとうございました。
昨年はCOVID‐19の影響から抜け出し、明るさを取り戻すかと思っていたところに、ウクライナ戦争によって文字通り地球全体で後戻りできない領域に足を踏み入れたかのような幕開けとなりました。
新しい年を迎えた喜びを諸手をあげてお伝えしたい思いがありながらも、昼夜関係なく戦争の影響の下、苦しい思いをされ
読まれない時代の書籍の存在価値とは?
2022年が終わろうとしています。
皆様にとって、どんな年だったでしょうか?
一年という括りはあるものの、年を越えて持ち続ける「問い」があります。
「媒体が多様化し、活字離れも加速し続けている流れの中で、失われることのない/新たに生まれてくる、書籍『ならでは』の価値とは一体何なんだろうか?」
これは私の長年の問いの一つです。
そして、最近ようやく、一つの仮説にたどり着いてきました。
それは・・・
時代が求める『本質』とはいったい何か?
今年もあと10日で終わろうとしています。
振り返ると、COVID‐19感染拡大の収束が見えないままに、2月に発生したロシアによるウクライナ侵攻、さらにそこから派生する様々な問題に象徴されるような「日常化した想定外」に翻弄される一年でした。
そして、それに呼応するかのように、多くの企業の中では似たような人材育成課題にも遭遇しています。
それは、「物事の本質が見極められる人材を育てたい」というものです
心理的安全性の次にくるものとは?
年の瀬を迎えましたが、いかがお過ごしでしょうか。
毎年のことですが、この時期になると今年一年を振り返り、できたことできなかったことを数えたり、来年こそは!と気持ちを新たにするものです。
これは年が変わると禊をする日本人ならではの感覚からくるものでしょうね。
今年一年も働く環境は人、組織によってそれぞれだったかと思います。
仕事内容だけではなくロケーションや施設・設備などの物理的なものから、そこで
「ビジョン・プロセシング(仮)」の『おわりに』
先日ご紹介した「ビジョン・プロセシング(仮)~人と組織の「未来と向き合う力」をどう育むか~」の前書き https://onl.bz/D8S4XsB に引き続き、今回は「おわりに」もご紹介させていただきます。
あらためて振り返ってみると、ここからレビューをしていただくのでまだまだ書き直しがあるかとは思いますが、まずはゴールに到達した達成感があります。
35.5万字くらいの文字量となりましたが、一
3年半がかりで書いている書籍の前書きをご紹介します
あまりにも、遅筆すぎてなんの自慢にもならないのですが、2020年5月に英治出版で企画承認をいただいた「ビジョン・プロセシング(仮)~人と組織の「未来と向き合う力」をどう育むか~」の原稿の初稿を先日書き終えることができました!
「思いこもってますので、応援のほどお願いいたします!」の気持ちを込めて、今回は出来立てほやほやの『前書き』を共有させていただきます。
(ちなみに、出版は来年2023年5月の予